ご成婚から20年! 秘蔵映像で綴る皇太子ご夫妻の歩み

ご成婚から20年! 秘蔵映像で綴る皇太子ご夫妻の歩み

番組概要

その破天荒な芸風からは想像もつかない計算された笑いの理論、そして心の葛藤…。今、改めて桂枝雀とは何だったのか、その人間に迫るドキュメンタリー。枝雀が自ら死を選んでから今年で15年。「枝雀」を襲名してから40年が過ぎた。不世出の落語家が、真摯(しんし)に落語を追い求めた姿とは…。

初回放送:2013年11月24日
語り:宮崎美子

「上方落語の爆笑王」といわれた桂枝雀が、1999年4月に亡くなって早や15年。今では、枝雀の高座をナマで見た人も少なくなったが、その存在は忘れ去られていくどころか、逆に大きな注目を集めている。大きな要因の1つは、若者に人気の芸人たちがこぞって枝雀へのリスペクトを表明していること。その代表が松本人志、千原ジュニア。彼らの発言によって、これまで落語の評論家やファンの間で高い評価を得てきた枝雀の偉大さが再認識されている。芸人の山崎邦正(月亭方正)は、枝雀没後に枝雀落語に傾倒し、落語の道へ進み始めた。さらに、佐渡裕(指揮者)、段田安則(俳優)、養老孟司(解剖学者)、長沖渉(演出家)ら、さまざまな分野で影響力を持つ著名人たちが枝雀を評価している。最近でも次々と「落語全集」のDVDが出版されていることは、枝雀の人気がいまだに衰えていないことを証明しているだろう。
枝雀落語の魅力は、なんといっても絶大なる笑いのパワー! 閉塞感の強い現代においても、そんな暗さを一気に吹き飛ばす力を感じさせる。もしかすると、今、時代は枝雀落語を求めていると言えるのかもしれない。
しかし、枝雀の落語には計算し尽くされた「笑いのセオリー」があったことも事実。枝雀は、とことん落語という芸を極めるために、自らを追い詰めることになった。まさに波乱の人生だった。
果たして、「桂枝雀」の魅力とは一体何なのか―。この番組は、枝雀の落語、そして枝雀という人間に、今だからこその新たな視点で迫り、「伝説」をよみがえらせる。

放送内容

大阪・朝日放送に保存されている「枝雀寄席」などの貴重な資料映像を活用しながら、枝雀の落語を具体的に分析する。また、桂枝雀の2人のご子息をはじめ、兄弟弟子や弟子、枝雀ファンの各界の著名人など、多くの方の証言から枝雀の人物像を構築していく。

コメントをいただいた方々
・前田一知(長男)、前田一史(二男)
・小佐田定雄(落語作家)、佐渡裕(指揮者)、養老孟司(解剖学者)、 段田安則(俳優)、長沖渉(演出家・脚本家)
・桂ざこば、桂南光、桂雀三郎、桂文之助、桂九雀(桂米朝一門)
・桂福團治、月亭方正

特に2人のご子息からは、“素顔の桂枝雀”について貴重なお話を聞かせていただく。長沖さんからは、病気で苦しむ枝雀との隠れたエピソードを語ってもらった。
さらに、枝雀が行きついた笑いの理論「緊張の緩和」についても考察。「緊張の緩和」理論とは何か、落語作家の小佐田さんをはじめ、枝雀を見守ってきた身近な人物として弟子の皆さんにも解説していただいた。

また、枝雀が笑いと落語の研究をしたためたノートを見せていただくことができた。そこには「笑いの性質の13分類」「落語の快感構造」と題し、どのようにしたら自らの落語をお客さんに届けることができるか、考察して書き記されていた。枝雀落語は見方によっては傍若無人かのごときだが、実は、お客様に喜んでもらうために徹底して科学的に分析された集大成であることがわかる。枝雀落語の特徴をいくつかにしぼり、実際の映像を駆使して検証していく。

桂枝雀が心の病を発症し、自ら死を選んでしまった理由は最後までわからないところであるが、今回の取材を通して、枝雀の落語に対する真摯(しんし)な思いこそ枝雀落語の基本であることがよく理解できるだろう。