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命を救う!スゴ腕ドクター9
~心筋梗塞・足のしびれ・緑内障~

重い病気、つらい症状が出た時、頼りになるのが日々患者のために闘う医師たち。そんな医師の中には卓越した技術を持つ“名医”がいる―。
患者のために全力で闘う“スゴ腕のスーパードクター”たちに密着する、シリーズ第9弾!


 

■心筋梗塞
上尾中央総合病院・心臓血管センター科長・緒方信彦医師

日本人の死亡原因第2位の心臓病。
上尾中央総合病院・心臓血管センターの緒方信彦医師は、カテーテルと呼ばれる細い管のような治療器具を使って体を大きく切らずに心臓病を治すスゴ腕ドクターだ。
いま緒方信彦医師は、今年2月から保険適用になった「ダイヤモンドバック」と呼ばれる最新器具を使った心臓病治療に全国に先駆けて挑んでいる。

心臓病の中でも突然死を招く恐ろしい心筋梗塞。
心臓の太い血管が動脈硬化を起こして詰り、血液が流れなくなくなることで突然死を起こす。
ダイヤモンドバックは、カテーテルの先端にダイヤモンドがコーティングされた小さなドリルが付いている。
治療は、このダイヤモンドバックを足の血管の動脈から心臓の太い血管まで挿入し、詰まった部分をドリルで削ることで血流を再開させる。
胸を大きく切らないため、これまで手術ができなかった高齢者なども治療可能だ。
体の負担が少ない心臓病のカテーテル治療に挑む緒方信彦医師のスゴ腕に迫る。


■足のしびれ
関西ろうさい病院・循環器内科副部長・飯田 修医師

糖尿病や高血圧などの生活習慣病によって引き起こされる動脈硬化。
この動脈硬化が足に起こり、足の先に血液が十分に届かなくなる「末梢動脈疾患」。
初期症状は足のしびれや痛みだが、進行すると壊疽(えそ)を起こし足の切断を余儀なくされることもある。

そんな「末梢動脈疾患」のスゴ腕ドクターが、関西ろうさい病院・循環器内科の飯田医師。
カテーテルと呼ばれる細い管のような治療器具を使って治療する名医だ。
治療件数は、年間約1000例と日本トップレベルの症例数を誇る。

これまで、末梢動脈疾患は、「バルーンカテーテル」と呼ばれる先端が風船のように膨らむ器具を足の動脈の詰まった部分に入れて血流を再開させる治療が行われてきた。
しかし、血管の中で病気が再発するという課題があった。
飯田医師は、このバルーンカテーテルに再発を防ぐ薬剤を塗った最新の器具を使った治療に取り組んでいる。

さらに、人工血管を使った治療や、新しい治療器具開発の様子を取材。
“昨日より新しい治療を提供する”という信念で治療に挑む飯田医師のスゴ腕に迫る。


■緑内障
日本赤十字社医療センター眼科・濱中輝彦医師

視神経の障害から視野が欠け、進行すると失明する怖い病気、緑内障。
40歳以上で20人に1人の割合で発症するが痛みなどの自覚症状も無いため手遅れになる患者も多く、日本での失明原因の第1位となっている。
1度発症すると治る事は無く、手術で進行を緩めるのが唯一の手段。
濱中先生は、これまで2000件以上の手術を行って来た、緑内障手術のパイオニア的存在。
今でも、1日数件の手術を行う。
さらに、数回の手術を行っても緑内障の進行が収まらない末期患者に最後の手段として行うのが、濱中先生が日本で初めて行った目の中にインプラントを入れる、緑内障の最新手術『チューブシャント手術』。
「患者から光を奪うわけにはいかない」その熱き想いとスゴ腕に密着。