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#285

ロイ・スミス館Ⅰ Ⅱ

ロイ・スミス館

六甲山南麓に建ち、かつては海を展望していたこの館は、昭和10年(1935)、イギリス海軍人の血を引く貿易商・大谷茂の住居として建築された。昭和24年(1949)から昭和34年(1959)まで、カナディアンスクールの女子寮時代を経て、昭和35年

(1960)に神戸大学六甲台後援会が購入。神戸大学経済学部の前身である神戸高等商業学校以来の功労者であるロイ・スミス教授(明治42年着任、昭和43年退官)の名を冠し、教授の宿舎とした。その後現在まで、外国人研究者の宿舎、ゼミや研究会の場として機能している。設計は、地元生まれ、東大建築学科を卒業し、神戸市営前課長を歴任した清水栄二。木造二階建、スパニッシュ瓦を葺き、外観をハーフティンバーや三連窓など洋風意匠でまとめた。内部は当時流行したタイルやステンドグラスを要所に配し、清水のモダンなセンスを伺うことができる。敷地は500坪あまりで、敷地南側を日本庭園としている。