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美しき地球の四季・夏編 生命の誕生と躍動!

地球規模で世界の四季を追いかるBBC珠玉のドキュメンタリーの第2弾! 躍動の季節… 夏。太陽は燦々と輝き花は咲き誇る。それは、動物たちにとって自然の恵みを獲得するための競争激化の季節でもある。夏の日射は植物の成長を促す一方で、降り注ぐ熱波が生き物を極限に追い詰めていく。地球上の動物たちは、あらゆる手段と知恵を駆使して自らの食料を確保し、子孫を残していかなければならない。その生存競争にスポットをあてながら、世界各国の美しい季節の移ろいを記録したネイチャードキュメンタリー。

マダガスカル南部の森では、ワオキツネザルの頭脳戦! 多種多様な動植物が生息するこの地ならではの攻防戦の除き見る。アフリカ東部のセレンゲティでは、夏草を求めて動物の大群が大移動。100万頭を超えるヌー、シマウマ、そしてレイヨウ。
大迫力の壮大な映像に心を揺り動かされるだろう。グレートバリアーリーフでは、海水温の上昇がアオブダイのペアリングのタイミングを教えてくれる。雄が雌の周りをぐるぐる泳ぎ回りながら、そのヒレで優しく撫でる姿は摩訶不思議だ。
一方、クロハギの一団は盛大なお祭りの最中。雌たちが一斉に海面に上昇し卵を放出している。そして数十年にもの歳月を経ての感動の物語が… 北部オーストラリア沖の暖かい海では、まさにアオウミガメの上陸の瞬間。雌のカメは、自分が生まれた砂浜に戻って産卵することで知られている。そのために泳いできた距離、実に2千キロ。夏にはこの島だけでも、2万匹以上の雌がここに戻ってくる。
世界最大のアオウミガメの集まりだ。雌ガメたちは、50歳を超えてもなお、赤ちゃんを産み育てるのだ。夜の帳が下りると、我先にと暖かい砂地に営巣場所を取り合う。産卵を控えた母ガメはそれぞれ、自身の後ろ足を使って注意深く穴を掘る。しかし何百匹もの母ガメが、この時期に産卵するので予期せぬことも。
そこかしこで産卵用の穴を掘るので、お互いが掘った穴を埋めてしまうことも。カメたちは一匹で100以上の卵を産み落とすこともある。
そして、砂の温度が驚くべき、生まれてくる子供たちに大いなる影響をもたらすのだ。砂の暖かさが摂氏30度以上なら、赤ちゃんは雌になり、28度以下だと雄になるのだ。
この小さなカメたちの生涯は、すでに夏の太陽の強さによって運命づけられているのだ。そして30年もの間、海で過ごした後、ある夏、この雌ガメたちは、まさにこの浜辺に戻ってくるのだ。


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