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#15

”Athlete” 佐藤友祈(グロップサンセリテ車いす陸上部「WORLD-AC」岡山・日本代表選手)
”With” 松永仁志 (グロップサンセリテ車いす陸上部「WORLD-AC」岡山・日本代表選手)

陸上競技には、100メートル競走やリレーなどのように
競技場の「トラック」で行われる種目、走り幅跳びや砲丸投げなどのように「フィールド」で行われる種目、マラソンのように「ロード」で行われる種目がある。

車いすを使う選手、義足を使う選手、視覚障がいの選手など、さまざまな選手が参加するため、障がいの種類や程度などでクラスを分けて、競技を行う。

そんな陸上競技で「レーサー」と呼ばれる競技用車いすを使い、
T52クラスの中で世界の中でもトップクラスで活躍している選手が佐藤友祈(27)だ。

21歳の時に脊髄炎を発症。両手両足に麻痺が残り車いす生活になる。
2012年ロンドンパラリンピックで風を切りトラックを走っている選手たちを見て
「自分も4年後のパラリンピックの舞台に立つ」と陸上競技を始めた。

2014年に仕事と競技の両立のために、充実した練習環境を求め、岡山に移り住んだ。
そこで、それまで2度パラリンピックに出場した経験を持つベテラン選手
松永仁志(44)と出会い、佐藤の競技人生が変わる。

松永は実業団チーム「WORLD-AC(ワールドアスリートクラブ)」を立ち上げ
競技に打ち込める環境を作り、監督として佐藤を指導。

佐藤の類い希な集中力と驚異的な持続力を松永が徹底的に鍛えあげ、才能を開花させた。
去年挑んだリオパラリンピックでは
佐藤は夢の舞台で400mと1500mで銀メダルを獲得した。

現在も共に練習に取り組みながら、切磋琢磨し共に成長し続けている。
今年5月に行われた「2017 World Para Athletics Grand Prix Desert Challenge」では
リオパラリンピック金メダリスト、レイモンド・マーティン選手を破る快挙を成し遂げた。

3年後の東京パラリンピックに向け、
成長をし続ける佐藤と松永の挑戦の日々に密着した。

佐藤友祈(27歳)

所属: グロップサンセリテ車いす陸上部「WORLD-AC」岡山 
1989年9月8日生まれ
21歳の時に脊髄炎にかかり車いす生活になった。
去年、リオパラリンピックでT-52クラス400mと1500mで銀メダルを獲得。
2020年東京パラリンピックで金メダルが期待される選手。

松永仁志(44歳)

所属: グロップサンセリテ車いす陸上部「WORLD-AC」岡山
1972年9月15日生まれ
「WORLD-AC」の選手兼監督。
自身もT53クラスの選手として試合に参加しながら、
陸上教室も手掛けるなど、競技の普及に取り組んでいる。
2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオと3大会連続でパラリンピックに出場している。
佐藤と共に、東京パラリンピックへ向けて練習をおこなっている。