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#26

“Athlete”谷口佑樹(琵琶湖ローイングCLUBキャプテン・元日本代表) “With”小原隆史(琵琶湖ローイングCLUB代表)

「究極の団体スポーツ」とも言われているボート競技。
障がい者のボート競技は「パラローイング」と呼ばれている。

1人で競技する種目から複数人のものまでさまざまな種目があるが、中でも4人の選手(クルー)と指示を出す1人の舵手(コックス・健常者)で編成される「舵手つきフォア(混合)」は、肢体不自由や視覚障がいなど、それぞれ障がいの種類や度合いが違う4人が同じボートに乗り、互いに気配りして漕ぎの強さやリズムを合わせる。
2008年にパラリンピック種目になって以降、これまで日本は舵手つきフォアで誰も出場できていない。

東京パラリンピックで「舵手つきフォア(混合)」日本人初出場を目指し、練習に励んでいる男が谷口佑樹(30)。
元日本代表選手で前回のリオパラリンピック出場を逃し、その悔しさをバネに練習を続けている。

谷口は先天性の二分脊椎症により、脚に力が入りにくい障がいがある。
学生時代、部活に入っても選手ではなくマネージャーとして選手をサポートする側に回っていたが、常々自分も選手としてスポーツをしたいと思っていた。

そんな彼に競技者としての楽しみを与えたのは、琵琶湖ローイングクラブ代表の小原隆史(49)。
元々ボート競技をしていた小原には谷口と同じ障がいがある娘がおり、同じ障がいがある人にボート競技の楽しさを知ってもらいたいとクラブを立ち上げ、谷口を誘いパラローイングと引き合わせた。

現在、谷口がキャプテンとして東京パラリンピックを目指しているチームは、3カ月前に新メンバーを迎え、結成されたばかり。
手に障がいがある人、足に障がいがある人、視覚障がいがある人が混在し、各々レベルも異なるため、なかなか息を合わせることが難しい。

チームをいかにしてまとめレベルを向上させるか。
常にチームの事を考え引っ張り続ける谷口。
その傍らでサポートを続ける小原。
パラリンピックという大きな夢を叶えるべく日々奮闘する彼らを追った。

谷口佑樹(30)※写真左

1988年1月2日 京都府出身
琵琶湖ローイングCLUBに所属しキャプテンとしてチームを引っ張っている。
先天性の二分脊椎症により、脚に障がいがある。
2016年4月リオパラリンピック最終予選に出場したが、最下位。
パラリンピック出場を逃す。

小原隆史(49)※写真右

1968年9月29日
琵琶湖ローイングCLUB代表。
高校・大学・社会人で10年間ボート競技に打ち込む。
現在はクラブの代表としてパラローイングの普及活動にも力を入れている。