BS朝日

バックナンバー

#42

“Athlete” 加治良美 (パラカヌー選手)
“With”加治正也 (夫)

自らの強い意志で、これまで夢を実現してきた、肝っ玉かあちゃんアスリート・加治良美(38)。
今、目指しているのは2020年東京パラリンピック・パラカヌーで金メダル獲得だ。
加治は日本トップクラスながら世界の壁は厚い。東京パラリンピック出場枠はあと4つ。世界のトップ選手たちとの熾烈な戦いを勝ち抜かなくてはならない。
その加治を影で支え続けているのが夫の正也(43)だ。

幼い頃から活発でスポーツが好きな加治の夢は、小学校の先生になることだった。しかし14歳の時に交通事故にあい、両足を切断。絶望の中で一度は夢を諦めた。その後16歳で車いすマラソンと出合い、競技に打ち込むうちに自信を取り戻し、前向きな気持ちが芽生え始める。
“車いす生活でもなりたいものになれることを伝えたい”
強い気持ちを持ち大学へ進み、一度は諦めた先生になる夢を実現した。その後、教員という共通の仕事が縁で知り合った正也と結婚。子宝にも恵まれ、充実した生活を送っていた。

ある時、これまで全く縁のなかった新しい競技と出合う。加治が車いすマラソンの大会で優勝した時、パラカヌー関係者の目に止まり、誘いを受けたのだ。興味を抱き、競技を始めてみると持ち前の運動神経の高さも手伝ってメキメキと上達。わずか1年で日本選手権で優勝するまでに成長した。「パラカヌーで東京パラリンピックに出場する」という新たな夢ができた。

しかし、そのためには教員の仕事・育児を犠牲にしなくてはならない。悩む加治の背中を押したのは夫・正也だった。“車いす生活でもなりたいものになる”という妻の強い信念を知る正也。彼女が仕事を辞めても競技に専念できるよう、家計を支え、遠征などで留守にする時には家事や育児も引き受けた。
“彼女が頑張れる環境を作ってあげたい”正也は東京を目指す加治のためにできる限りのサポートをする。

さらに加治にはもうひとり、強い援軍がいる。息子の永譜(ひさつぐ・6)くん。
週末、練習に同行してくれ、道具を運んだりカヌーの手入れを手伝ってくれる。何より、息子に東京で戦う姿を見せたいという気持ちが加治にとって大きな励みになっている。

『東京パラリンピックで金メダル獲得』を心に誓う加治良美。その夢を支える夫・正也。
両親の姿を見つめる息子・永譜くん。夢の実現のため挑戦し続ける家族をカメラが追った。


加治良美(かじ よしみ)※写真左

ネッツトヨタ名古屋株式会社 所属 / 岐阜県カヌー協会パラカヌー部 所属
1981年4月11日愛知県生まれ。
14歳の時、交通事故で両足を切断。車いすマラソンに取り組む。

加治正也(かじ まさや)※写真右

1976年9月22日 愛知県生まれ。
中学校教員(家庭科)
カヌーと仕事、育児の両立に悩む加治の背中を押し、競技に専念できるように遠征中など家事や育児を引き受ける、イクメン。