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#44

“Athlete”川嶋悠太(ゴールボール選手)
“With”林忠右(トレーナー)

身長160cmと小柄な体ながら、日本屈指の守備力を誇るゴールボール選手がいる。川嶋悠太(25)。
ゴールボールは視覚に障がいがある選手たちが互いにボールを投げ合い、得点を競うスポーツ。
幅9mのゴールを3人で守るため、体の大きな選手の方が圧倒的に有利だ。
しかし、川嶋は驚異的な瞬発力で前後に跳んで体を横たえ、鉄壁の守りを誇る。
所属チーム「チーム附属」では攻守の要・センターとして活躍。3年前、チームを優勝に導いた。
日本代表強化選手にも選ばれ、同じくセンターとして東京パラリンピックで表彰台を目指している。

川嶋は小学生の時に網膜色素変性症を発症し、現在は、視力は0.02ほどに低下、視野も狭くなった。
盲学校でゴールボールと出合い、はじめは恐怖心から興味が持てなかったが、試合に出ると、競技の楽しさに魅せられ、のめり込んでいった。体が小さいハンデを補おうと筋力トレーニングにも力を入れた。
小さな巨人・川嶋が鉄壁の守備を裏には、もうひとつ大きな要因がある。日本代表でもトップレベルという“体幹”の強さだ。ゴールボールでは体を横にして手足を宙に浮かせたままボールを止めなくてはならない。時速70kmものボールを止めるためには、強靭な体幹が必要とされる。

川嶋の体幹を強化した人物・それがトレーナー・林忠右(37)だ。鍼灸マッサージの資格を持ち、整体を取り入れたトレーニング方法で数多くのスポーツ選手を指導している林。川嶋はゴールボールで世界に通用するためには体幹強化が不可欠と感じ、林に指導を願い出た。
ゴールボールの守備のように横向きの姿勢を保ちながらの体幹トレーニングや、瞬発力を高めるため股関節の柔軟トレーニングなど、3年間林とタッグを組み、みっちり鍛え上げた。

2人が目指すのは東京パラリンピックの大舞台。
しかし川嶋はその前に、大きな戦いに挑まなければならない。ここ2年優勝から遠ざかっているゴールボール全日本選手権。得意の守備に加え、新たに攻撃型フォーメーションも模索しながら、王座奪還を目指し全日本選手権に挑む姿を追った。


川嶋 悠太(かわしま ゆうた)※写真左

1994年9月24日 東京東大和市生まれ。
所属:アシックスジャパン/チーム附属 
ポジション:センター。日本代表強化選手の中でも160cmと小柄ながらセンターをつとめる
2013年 ワールドユースチャンピオンシップス(アメリカ)1位
2014年 仁川アジアパラ競技大会(韓国)3位
2016年 日本ゴールボール選手権大会1位
2017年 アジアパシフィック選手権大会(タイ)3位

林 忠右(はやし ただすけ)※写真右

「スポーツ・ケア・アローズ 青物横丁店」 院長
2016年〜2019年4月まで「コンディショニング・センター・アローズ武蔵境店」勤務時代に川嶋のトレーナーをつとめる。鍼灸・マッサージの資格を持ち、体幹強化を取り入れたトレーニングを行う。
数多くのスポーツ選手も指導している。