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#52

“Athlete” 瀬立モニカ(パラカヌー)
“With” 西明美(コーチ)

2020年東京パラリンピックでメダル獲得を目指す、パラカヌーの瀬立モニカ(22)。

今年1月、瀬立は沖縄で強化合宿に励んでいた。
地元の人たちから熱烈な応援を受けている彼女には、とっておきのものが。
それは、“笑顔”。
笑顔に惹かれ、彼女のもとには、自然と人が集まってくる。

番組が瀬立の取材を始めたのは、リオパラリンピック開催を5ヶ月後に控えた2016年4月。
大学に進学し、新生活を始めたばかりだった。
当時から笑顔が印象的だった彼女は、前向きに、様々なことにチャレンジしていた。

だが、最初から笑顔が多かったわけではない。
高校1年の時、体育の授業中に倒立前転を失敗し、頭から転倒。搬送された病院で「体幹機能障がい」と診断され、胸の下から麻痺が残り、歩けない体になった。一度はふさぎ込む日々が続いた。
そんな時、パラカヌーと出会った。ところが、カヌーは細く不安定。体幹を使えない瀬立にとって、水に落ちれば命の危険があった。

恐怖を目の前にした瀬立に、手を差し伸べた人物がいた。コーチの西明美だ。
瀬立の側につき、転覆を想定した訓練で恐怖を克服。練習や遠征には常に帯同し、ホテルでも同じ部屋。いつも瀬立と行動を共にする西は、「二人で一人」と話す。

西のサポートを受けながら、瀬立は急成長。2016年には、リオパラリンピックへの出場を果たした。
結果は8位入賞。世界トップレベルとの差は大きく、力不足を痛感した。

悔しさを胸にトレーニングを重ね、上半身の筋力は大幅にパワーアップ。
そして、去年8月、東京パラリンピックの出場権をかけ、世界選手権に挑んだ。

瀬立と西の4年間の軌跡と、東京パラリンピックへ向け邁進する二人の今に迫る。


瀬立モニカ(せりゅう・もにか) ※写真左

1997年11月17日 東京都生まれ
高校1年の時、体育の授業中の事故で体幹機能障がいと診断され、車いす生活に。
パラカヌーのクラスは、最も障がいが重いL1クラス。
2016年 リオパラリンピック 8位
2017年 世界選手権 8位
2018年 世界選手権 7位
2019年 世界選手権 5位

西明美(にし・あけみ) ※写真右

江東区カヌー協会のパラカヌーコーチ。
大学時代に、カヌーで大学日本一に上り詰めた実力者。
2014年から瀬立を指導している。