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#59

“Athlete”唐澤剣也(陸上中長距離)
“With”清野衣里子(鍼灸マッサージ師)

東京パラリンピック・パラ陸上 中長距離(視覚障がい)で金メダル獲得に期待がかかるアスリートがいる。唐澤剣也26歳。現在世界ランキング2位という注目の選手だ。
 
我々が初めて彼を取材したのは3年前の2018年。
当時はまだ東京パラリンピック出場に挑戦している段階で、懸命に練習に励んでいた。
生まれつき弱視で、小学4年生の時に完全に視力を失った唐澤。
元々走ることが好きで、東京でパラリンピック開催が決まったことをきっかけに、
本格的に陸上を始めた。
 
陸上競技は障がいの種類や程度によって細かくクラス分けされている。
唐澤は視覚障がいクラスの中で最も重いT11クラス。
このクラスは伴走者の並走が義務付けられている。
 
唐澤には公私に渡っては支えてくれている大事な人がいる。
唐澤が通っていた盲学校の先輩でもあり、鍼灸マッサージ院を営んでいる清野衣里子(63)だ。
唐澤が伴走者探しに困っていれば、自身の鍼灸院に通っている陸上選手たちに声をかけて協力を求め、プライベートでも朝ご飯の準備や練習後の体のケアなど、細かなことまで面倒をみている。『孫は無償の愛』と語る清野。3回りも歳が離れている2人の関係性はまるで祖母と孫のようなもの。
 
陸上に真摯に取り組み、純朴な笑顔が印象的な唐澤の周りには、自ずと多くの人が集まってくる。清野以外にもガイドランナー、応援会など様々な人たちが親身になって彼を支えてくれている。
 
2019年に世界選手権で銅メダルを獲得し、東京パラリンピック内定。その後世界ランキング2位へ。初取材から3年間の間に急成長とげた唐澤の秘密に迫る。


唐澤剣也(26)※写真右

1994年7月3日生まれ。
群馬県立点字図書館勤務。
生まれつき弱視だったが、小学4年生の時に網膜剥離で全盲になる。
盲学校時代、体育の授業の一環として陸上と出会う。
2018年アジアパラ 5000m(金) 1500m(銅)
2019年世界パラ陸上競技選手権  5000m(銅) 
5000m世界ランキング2位

清野衣里子(63)※写真左

1957年3月16日生まれ。
鍼灸マッサージ院「からだの地図帳」を経営。
唐澤剣也の盲学校の先輩で、盲学校の職業体験で唐澤と知り合う。
大会では人一倍声を出して応援し、生活面では練習後の体の入念なマッサージなど、
公私にわたって唐澤をサポートしている。