旅のテーマ それは…「幸せとは何か?」向かったのはブータンを代表する5つの街

ブータンはヒマラヤのシャングリラ(桃源郷)として知られる仏教王国。近年では国民総生産より、国民総幸福量というスローガンが、スローライフの代名詞として知られ日本でも注目を浴びている。物質的には貧しくても、国民は日本より数段幸せに暮らしているという。しかし、20世紀後半まで鎖国に近い政策だったこともあり、その実態はあまり知れていない。今回、そのブータンの魅力を“幸せとは何か”をテーマに、名物編集者・石川次郎がナビゲートする。街、自然、仏教、宿、食、暮らし、教育、そして人…それらを通して、なぜブータンの人々は幸せに暮らせるのか?そこから我々日本人は、何を学ぶことができるのかを考えていく。
 石川次郎のもとには、一人の女性が訪ねてきた。世界中のセレブと交流を持ち、ラグジュアリーなブランド、ホテル、食事、ライフスタイルに精通したフリー・ライター田中敏恵である。そんな彼女が、今もっともハマっているのが、ブータン。空気や環境の汚染はなく、渋滞や人ごみもない。輸入に頼ることなく自給自足。食べ物はすべてオーガニック、格差もなく治安もいい、そして若者のほとんどは英語が堪能…。つまり、今もっとも進んだ国だという。
しかし、今年からブータンは民主化をスタートさせ、秋には5代国王載冠式も控え、観光政策を含めたブータンの社会システムが、大きく変わろうとしている。今、見ておかなければ、ブータン本来の姿がなくなってしまうかもしれない。石川次郎は、まよわずブータン行きを決めた。