にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

青森県・「歴史が人を育む青森」




今回の道草は、青森県青森市です。
さっそく、街中を道草していると、箱が積んであるトラックに遭遇。
見ていると「青森のりんごだよ。食べな!」と気前のいいお父さんにりんごをご馳走になりました。
優しさに触れた気持ちのいい出会いから、道草スタートです。

昔っぽさを感じる小道を発見した江原。好奇心のままに入っていくと、野菜や果物からお惣菜まで様々な店が軒を連ねていました。

中でも気になったのが「おでん」。
珍しい「ショウガ味噌おでん」は、青森の昔ながらの味のひとつです。
こんにゃくや「大角天」と呼ばれる薄いさつまあげにすりおろしたショウガが入った味噌をかけて頂くのが青森流。
そもそもは、青函連絡船を待つお客さんを見た屋台の奥さんが、寒いだろうから体を温めてと、味噌ダレにショウガを入れたのが始まりだとか。
体が温まるのはもちろん、ほんのり甘い味噌とスッキリしたショウガが美味です。

体も温まったところで、道草を再スタート。
大きな通りに出て、江原が発見したのは、996年創建の廣田神社。
都市開発の関係で、神社の境内が2つに分かれている神社です。

境内を散策していると「二十三夜大神」と書かれた鳥居に興味を持った江原。
10ほどの石が祀られていましたが、どんな神様なのか気になったのでさっそく、宮司に聞いてみることに。

「二十三夜大神」は、月を御神体とする神様。
月と女性は神秘的なものと考えられ、廣田神社では昔から女性が大勢集まって宮司の話を聞いたり、食事をしたりしていたため、安産祈願や子授けのご神徳があると言われているのだそうです。

また、こちらの宮司は24歳という若さ。
昨年、先代を亡くしてしまったため、急遽宮司を継ぐことになったのだそうです。

宮司としては2年目。継いだ時は何もかもが大変だったそうですが、そんな時に地元の方や一緒に働いている周りの人々みんなが力を貸してくれたそうです。
その信頼関係は、先代である父親が残してくれた財産。
急遽継ぐことになっても土台が作られていたことの他にも、父と同じ立場になってみたからこそ、父の偉大さを余計に感じることが多いのだそうです。
まさに"青森は1日にしてならず"。
自分という存在は、歴史の積み重ねの中で生かされているということを肝に銘じようと改めて感じた江原でした。