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#40

「神護寺」(京都) 「明王院」(広島)

「神護寺」(京都府)

日本屈指の紅葉の名所、高雄山の中腹に伽藍を広げる神護寺(京都府)。唐で正式な真言密教の教えを伝授された空海は帰朝後、この寺で十四年を過ごしました。同時期に唐に渡った最澄は、空海が持ち帰った密教を学ぶため、年齢も僧の位も下である空海に教えを乞うたと言います。日本仏教界の二大天才はこの地で親交を深め、やがて決別したのです。五木さんは金堂で、本尊薬師如来像に向き合います。最澄や空海も拝した一木造りの国宝です。

「明王院」(広島県)

空海を開山とする明王院(広島県)は、芦田川を望む愛宕山の麓にあります。川の中州の一帯は、中世に瀬戸内海沿岸の交易によって栄えた、草戸千軒という港町。町はやがて洪水に流され、川底の遺跡となって眠りにつきました。明王院の国宝・五重塔は、人々の浄財による建造物です。特別に許可を得て内部に入った五木さんは、祀られた弥勒菩薩坐像や柱に描かれた金剛曼荼羅に、往時の草戸千軒町と明王院のつながりや、救いを求める人々の思いを感じ取ります。