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#7

秘境ヒマラヤ! 野生のトラ ブータン王国 最後の聖域に挑む

絶滅の危機にひんしている野生のトラを救うため、ヒマラヤ山脈最後の秘境ブータン王国に挑む調査チームの奮闘に密着したシリーズの第2回目。
ブータン王国全土にトラの捜索網を広げた調査チーム。命の危険を顧みず、荒れ狂う大河に挑み、現地の人々に地道な聞き込みを行い、そして、最新技術を駆使しながら一歩一歩進めていく調査。そこで明らかになってきた野生のトラの驚くべき生息状況は、彼らをさらなる奥地へと導いてゆく。

前回、ブータン王国のベースキャンプ付近で、監視カメラにトラの姿を撮影することに成功した調査チーム。彼らはトラ捜索のため、さらにブータン全土に調査の網を広げてゆく。
ジャングルの奥地へと向かった一行は、ベースキャンプから約100km離れた川の上流へやってきた。川を下りながらトラを捜索、調査するのだ。しかし、その川はヒマラヤの雪解け水が流れ込み増水した大河。もし急流にさらわれれば命の保証は無い。彼らはカヤックで激流に挑み、流れに飲まれながらも果敢に調査を行う。
一方、別のチームは、野生のトラを保護・繁殖させていく計画を実現する上で重要な地道な聞き込み調査を行う。厳しい山谷が連なるジャングル奥地に住む現地の人々へ、トラについて意見を尋ね、人間とトラとの共存について考察する。住民にとってトラは家畜を襲う天敵。実際に他の地域では、住民によるトラの毒殺があったようだ。
また、ベースキャンプ付近では、トラの行動ルート上にたくさんのカメラを設置。ベースキャンプ付近の限られたスペースの中に何頭のトラが存在するかを割り出すことに。それにより、ブータン王国全土のトラの生息密度を予測するのである。しかし、撮影されたカメラや場所は違っても、そこに映っているトラが同じ可能性もある。そこで、人間の指紋のように一頭一頭違うトラのしま模様を、最新技術によって比較することに。
野生のトラを保護しようと立ち上がったプロジェクトチームの熱意。そして、さまざまな困難に巻き込まれながらも成果をあげていく調査の中で、しだいに見えてくる野生のトラの実態。一行はヒマラヤ山脈のさらなる秘境へと突き進んでゆく。


©Steve Winter

©Jonny Keeling As above