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#107

「越中福岡の菅笠づくり」(富山県高岡市)

今回、みらい遺産を紹介してくれるのは、
福岡町に江戸時代から伝わる菅笠づくりをしている中島栄子さん(83歳)。

竹の骨組みにスゲの草をひと針ひと針縫い込んで笠に仕上げる「笠縫い」。
栄子さんは物ごころ着いた頃から笠づくりの手伝いを始め、
15歳の頃にはひとりで笠を縫い上げるようになっていたと言います。

北陸の米処として知られる砺波平野の一隅にある福岡の農家にとって、
「菅笠づくり」深い雪に閉ざされる長い冬の大事な副業でした。
その技は福岡のほとんどの農家で代々受け継がれ、国の重要無形民俗文化財にも
指定されています。

昭和初期には70軒を超える笠問屋が街道沿いに軒を連ねた福岡町。
今日でも、軽く丈夫でよく水をはじく「福岡の菅笠」は農作業の日除けや
雨除けに重宝され、全国で流通する菅笠の9割以上が福岡町から出荷されていきます。

雪解けの春。大きなスゲを育てるための「間引き」の作業とともに
菅笠づくりの新しい一年が始まります。
栄子さんはどんな想いをこめ、スゲ田の間引きに精を出すのでしょうか?