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#22

真冬の北信濃 野沢温泉 火祭り ~雪国の厄落とし!男たちの熱き想い~

2015年に開通した北陸新幹線、飯山駅から直通バスで約30分、長野県の北部に位置する野沢温泉村は、日本で唯一、村名に”温泉”という言葉が使われている村。野沢温泉は、奈良時代の僧・行基(ぎょうき)によって温泉が発見されたと伝わり、江戸時代には飯山藩主の湯治場が設けられるなど、古くから温泉地として栄えた。温泉街に点在している13の外湯は、村人たちの共有財産。 江戸時代から湯仲間という制度によって守られてきた。また、信州でも有数の豪雪地、野沢温泉村には36ものスキーコース・ゲレンデがあり、1998年の長野オリンピックの会場の1つに、野沢温泉スキー場が選ばれ、世界的に野沢温泉の名前が広がった。その野沢温泉で毎年1月15日に行われるのが、国の重要無形民俗文化財に指定される「道祖神祭り」。長野県の北信地方では、初子の祝いや厄払い、良縁を願う道祖神祭りが伝承され、中でも野沢温泉の道祖神祭りは壮大な規模で行われることで知られている。祭り前日、厄年の男性たちによって、ブナの御神木を柱に、高さ10数メートル、広さ8メートル四方もある社殿が組み上げられる。そして、祭り当日の夜、たいまつを持った村民たちが、社殿に火をつけようと攻撃。それを防いで社殿を守るのが、25歳の厄年の男性たち、そして、社殿の上にあがっているのは42歳の厄年の男性たちだ。勇壮な厄年行事を務めることにより、初めて村の大人の仲間入りができ、一人前の男として認められるとされている。
今回、野沢温泉を旅するのは、作家・島田雅彦。道祖神祭りの中心・厄年の男性たちに密着し、祭りの神髄や、野沢の男たちの心意気に触れる。また、湯煙がたちこめる、情緒ある温泉街を散策し、硫黄泉の温泉を堪能、スノーシューを履いて、雪山のブナ林を散策するなど、冬の野沢温泉を満喫。
さらに、外国人観光客との触れ合いや、イギリス人と日本人の夫婦が営むパブを訪ねるなど、野沢温泉の”今”を旅する。