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#463

黒川伊保子(人工知能研究者)

ゲスト×インタビュアー
黒川伊保子(人工知能研究者)× 小島慶子(タレント、エッセイスト)

今回のインタビュー場所は、東京乃木坂に店を構えて14年目、「リストランテ・ダ・ニーノ」
伝統的なシチリア料理が楽しめる、黒川馴染みの店で話を聞く。

1959年、長野生まれの栃木育ち。父は、高校教員で、母は専業主婦、下には弟がいる4人家族。
ごく一般的な家庭に育ったが、なぜか周囲の友人たちと、うまくコミュニケーションが取れないことが時々あったという。

人とは少し違った感性を持つ黒川は、高校時代、人の発する言葉には「語感」があり、その発音の仕方によって、相手に与える影響が違うことに気づく。
例えば、親からの怒られ方は、名前によって、大きく違うのだという。「いほこ」は、2回ブレスをしないと発音できず、怒っている母親が2回も名前を呼ぶと、いつしか怒りも収まるのだという。
一方、弟の「けんご」は、ブレスしないで発音できるため、怒っている母親がどんどん激昂していくのだという。
「この語感による違いを、もっともっと研究したい!」
思い立った黒川は、「語感の違いは物理学にあり」と解釈、文系コースから、急遽、理系へ転身!

奈良女子大学の理学部物理学科に進学し、研究は「素粒子」。
だか、「これで飯は食っていけない…」そう感じた黒川は、1983年、卒業すると富士通ソーシアルサイエンスラボラトリに入社。ここで、のちの運命を変える「人工知能」と出会うことになる。

1991年、史上初!日本語対応の人工知能の開発に成功。
欲しい情報を人間がキーボードで打ち込めば、モニターの文字で答えてくれるタイプだった。
しかし、文字だけのコンピューターの対話に、どうすれば〝人間性〟を出す事ができるのか?

以来、「言葉と脳の研究」に没頭。研究によると、脳の回路は2種類存在し、とっさに使う時、男女間で差が出るのだという。
女性は、「共感」という脳の使い方に偏り、男性は「解決」に偏るのだという。
つまり、女性は会話の中で、「うんうん、なるほど」「大変だったね」など、共感するのに対し、男性は、「結果どうなの?」「改善点はここ」など、すぐに解決を求めたがるという。
それでは、男女が円満な関係でいるための極意とは?

2003年、富士通を退社した黒川は、株式会社「感性リサーチ」を設立する。
そこで、言葉の潜在脳効果の数値化に成功!
実は、栄養食品「SOYJOY」は、黒川がネーミングした商品。
夕方4時、お腹をすかせた働く女性に向け、なぜこのネーミングにしたのか?
そこには、黒川ならではの「語感」を生かしたセンスが光る。

黒川が考える男女の人工知能や男女の脳に関して、じっくり聞く一時間。