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#54

作詞家:高野辰之の作品特集

◆高野辰之
高野辰之は日本の国文学者でありなから作詞家としても活躍し「故郷」,「紅葉」,「朧月夜」,「春が来た」、「春の小川」など数々の名曲を遺しました。高野は明治9年(1876年)に長野県旧豊田村(現在の中野市)に豪農の長男として生まれました。高野が生まれる2年前に村に小学校が出来ました。高野はそこで学びました。高野は無類の読書好きだったといいます。高野は13歳の時に隣町の飯山の高等小学校に進みます。明治30年尋常師範学校を卒業した高野は、冬には雪の多い飯山の高等小学校の教員として赴任します。向学心の盛んな高野は、26歳の時に国学者上田万年をたより上京し、その後文部省の役人となり新しい音楽教育の教科書つくりの仕事につきます。高野は、同世代の作曲家:岡野貞一とともに仕事に取組みました。この時に生まれた歌が「故郷」をはじめとする名曲の数々です。
高野は晩年,長野県野沢温泉村に移り住み悠々自適な生活を送り故郷で自然に囲まれながら昭和22年にその生涯を終えます。

◆「春の小川」
「春の小川」(高野辰之作詞、岡野貞一作曲)は、今では想像もつきませんが東京都渋谷区代々木界隈をうたったものといわれています。当時、高野が暮らしていた渋谷には大きな渋谷川とその支流宇田川と河骨川があり、田畑を潤していたようです。「春の小川」は、河骨川のようです。1964年の東京オリンピックを前に河骨川やその他の小川は、ほとんどが地下にもぐり暗渠となりました。