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#269

朝香宮の残した“謎と美”の茶室
~東京・白金台「光華」~

今回は東京都渋谷区白金台の茶室「光華」を訪ねます。光華は、旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)の日本庭園に建つ茶室です。朝香宮鳩彦王の依頼に応えて、武者小路千家の茶人である中川砂村が設計し、大阪を代表する数寄屋大工棟梁・平田雅哉の施工により、昭和11年(1936)に上棟されました。平成27年に国の重要文化財に指定されています。茶席は小間・広間・立礼席の三席で構成されています。立礼席は開口部にガラスを用いた開放的な造りで、外観とともに近代的な印象を与えています。不思議なのは4畳半の小間。手前座のすぐ目の前が中柱と袖壁に仕切られており、いまだにその用途が謎のままです。一方9畳の広間から望む日本庭園の景観は、この茶室の大きな魅力のひとつとなっています。朝香宮と茶人と名棟梁が造り上げた光華は、このうえなく美しい茶室です。
 
案内人:小沢朝江(東海大学工学部教授)

取材先情報

・東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)
東京都港区白金台5-21-9
問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
TEL:03-3443-0201(代表)午前10時から午後6時 
開館時間:午前10時から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
     ※庭園のみ公開の期間は、旧朝香宮邸(本館)と新館には入れません。
茶室開室時間:午前10時から午後4時半(立礼席のみ立入りできます)
休館日・休室日:毎週月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始
入館料:展覧会によって異なります。詳細はHP展覧会ページをご覧ください。
   ※展覧会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため日時指定の事前予約を導入しています。
    事前にチケットをご購入・ご予約のうえご来館ください。
庭園入場料:一般200円(160円)、大学生(専修・各種専門学校含む)160円(120円)、
      中・高校生・65歳以上100円(80円)
     ・( )内は20名以上の団体料金。
     ・小学生以下および都内在住在学の中学生は無料。
     ・身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
     ・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料。
     ・茶室入室料も含まれます
     ※展覧会のチケットをお持ちの方は、庭園にもご入場いただけます。
交通:【電車】・JR山手線「目黒駅」東口
       東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分
       ・都営三田線/東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分
   【バス】・バス停留所「白金台5丁目」より徒歩3分
       ・黒77系統(目黒駅―千駄ヶ谷駅)都営バス
       ・橋86系統(目黒駅―新橋駅北口)都営バス
       ・品93系統(目黒駅―大井競馬場)都営バス
       ・東98系統(東京駅南口―等々力操車場)東急バス
駐車場:駐車場(料金:普通自動車1回1500円)は美術館の敷地内にございます。
    正門で警備員がご案内いたします。