番組概要

Daiwa Houseスペシャル ネイチャー&ヒューマンスペシャル シリーズ13 青い森を継ぐ家族

 
 長野県と山梨県にまたがる八ヶ岳。その北部、北八ヶ岳には様々な命を育む森が広がっています。中でも、清水をたたえた湖「白駒の池」の周辺には、519種類もの苔が生息。国内に自生する苔の1/4という種類が、ここに生きています。その、一面苔むした「青い森」を守ろうとする家族の暮らしをみつめました。
 
 「白駒の池」の畔に佇む「青荘せいたい荘」。標高2000m、厳しい自然のなか通年営業する山小屋です。創業は約60年前。林業に従事していた山浦虎吉さんが始めました。誰からも愛される人柄で、愛称は“トラさん”。「北八ヶ岳の自然を今守り、育てなければ。」その思いは、いまも受け継がれています。
 虎吉さんの娘・房子さん(69)と結婚し、2代目となった山浦清さん(69)。登山ブームの盛衰を感じるなかで、足元に広がる苔に目を向けました。バブル崩壊後、周辺の山小屋と共に「北八ヶ岳苔の会」を結成。「山小屋に多くの人が訪れ、経営が楽になれば、もっと苔の保全ができる」と、貴重な苔を将来につないでいく活動を始めました。苔のガイドやツアーを企画し、北八ヶ岳の苔をPRしてきました。活動開始から10余年、いまでは老若男女が苔を目当てに訪れるようになりました。
 
 そんな父の背中を見て育ったのが息子・雄大たけひろさん(31)です。雄大さんは、4人兄弟の末っ子。高校卒業後、佐久市の会社に勤めていましたが、父・清さんが癌を患ったことで、青苔荘を継ぎました。25歳という若さで3代目となり、多くの苦労や葛藤があったものの、いまは一人で小屋に泊まり込み、登山客を迎えます。髪が緑色なのは、父と同じく苔に魅了されたから。みずから「苔おじさん」となり広告塔に。先代の思いを受け継ぎ、雄大さんならではのやり方で苔と山小屋、北八ヶ岳の魅力を発信。電子決済の導入など、新しい山小屋を模索するなか、最近では「過酷な山小屋での働き方を変えていきたい」と思うようにもなりました。創業の思いを胸に次の時代へ。北八ヶ岳の厳しくも美しい自然に生きる家族の物語です。
 
 映像は4Kカメラで撮影。四季折々の八ヶ岳を、高精細な映像でお届けします。
 
ナレーター:石橋 静河(俳優)