過去のゲスト

#98

千葉真子

今回のゲストは、元陸上選手の千葉真子さんです。1996年アトランタ五輪1万メートルで5位入賞。翌年の世界選手権1万メートルで日本トラック界初のメダルを獲得すると、03年の世界選手権ではマラソンでは銅メダルに輝き、同大会では日本人初となるトラック、マラソン両種目のメダリストとなりました。

長距離ランナーとして一時代を築いた千葉さん。ですが、「自分の陸上人生を全否定されたような」出来事があったと語ります。それは、04年アテネ五輪のマラソン日本代表を争っていた時のこと。表彰台に上がった03年世界選手権でも、ラストチャンスとなった選考レースでも、一つ上の順位に日本人選手がおり、補欠に留まったのです。

夢舞台の表彰台を目指して「1日50キロ、60キロと走ってきたのは何だったのか」と、失意に暮れました。しかし、やがて「オリンピックでは補欠の選手になってしまったけれども、自分の人生の主役は自分なんじゃないか」という思いが胸に去来します。きっかけとなったのは、ジョギング。走ることを通して気持ちが前向きになった理由とは?

06年に現役を引退。10年ほど前に立ち上げたランニングクラブが、現在の彼女のライフワークです。「スポーツを通して世の中を元気にしたい」。そう語る千葉さんの今、そして美学を紐解きます。

Yuki Suenaga/Number