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    #62

    駒沢公園のそばの三枚におろしたような家

    東京都世田谷区にある駒沢公園は、東京オリンピックの会場の一つとして建設されました。かつては熱戦が繰り広げられたこの場所も、今は緑に包まれた人々の憩いの場所となっています。
    そんな駒沢公園の近くに建つS邸は、築34年の木造一戸建て住宅。こちらにお住まいのSさんご夫妻は、お子さんとご主人のお母様の4人で暮らしています。共に建築家として活躍されるご夫妻は以前、お二人で都内の賃貸マンションにお住まいでしたが、お子さんの誕生を機に、ご主人のお母様と同居ができる家に引っ越そうと物件探しを開始。そこで見つけたのが、車の入れない旗竿敷地に建つこちらのお宅でした。周囲を住宅に囲まれていたため、日が当たりづらく、暗い印象のあったこの家ですが、木造のシンプルな造りに大きな可能性を感じたSさんご夫妻。大胆なリモデルで、お子さんものびのびと育つ、家族4人で快適に暮らせる家を目指しました。
    住宅街の旗竿敷地に建つため、採光をどうするかが課題だったS邸。この問題を解決するために、Sさんはなんと既存の建物を2つに切ることにしたのです。柱や梁を抜いたり足したり出来る木造住宅だからこそ実現できるこの驚きのアイデア。切り離した部分をガラスで繋ぐことで、その隙間から光が差し込み、家中を明るく照らしてくれるのです。さらに庭があったところには一棟を増築し、同じようにガラスで繋げることで、まるで一軒の建物を三枚におろしたような家が生まれました。増築した棟は最小限の高さにすることで、周囲の住宅への圧迫感を減らすなどの配慮もしています。
    庭をなくした分、緑を感じられるようにと、真ん中の棟は温室のような空間にしました。2階の床を抜いて吹抜けにし、さらに天井は下地を剥き出しにして大きな天窓を設けることで、室内にいながらまるで外にいるかのような雰囲気を感じられます。将来的には天井まで植物を伸ばし、緑のカーテンにするのが、ご夫妻の夢なんだとか。
    光に溢れ、緑が匂う室内では、お子さんが気持ちよさそうに走り回り、孫と遊ぶお母様の表情もいきいきとしています。居心地のよい我が家を手にしたSさんご夫妻。この家からまた、私たちの想像もつかない作品を届けてくれるに違いありません。
     
    miCo.
    http://micomico.co.jp/

    【平面図】

    1F before

    1F after

    2F before

    2F after