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#93

歌で四季をめぐる

「夏は来ぬ」(佐佐木信綱作詞 小山作之助作曲)が発表されたのは、明治29年(1896年)。この歌は三重県鈴鹿市生まれの佐々木信綱の作詞です。信綱は国学者で歌人の弘綱の長男として生まれました。信綱は5歳まで鈴鹿で暮らしその後東京に移り暮らします。故郷鈴鹿への思いがあったのでしょうか? 信綱はこんな歌を詠んでいます。「目とずればここに家ありき 奥の間の机りもとに常より無父」その書斎から望む庭には、卯の花が植えられていました。「夏は来ぬ」の詩のイメージはこの幼い日の風景が元になっているのかもしれません。