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放送内容

亡き母と歩む 三姉妹食堂

富山県富山市の中心部から車で10分離れた場所にある「山家(やまや)食堂」。創業56年、カウンター8席のどこか懐かしい雰囲気の食堂は、実の三姉妹が営みます。
食堂の営業は平日の昼から夜まで。カウンターには旬の食材を使ったおかずがずらりと並び、お客さんがひっきりなしに訪れるにぎやかなお店。食材の仕込みをするのは、一番小柄で一番の力持ちの長女、貴美子さん(73)。料理の味付け担当、きりっとしたショートヘアーの次女、信子さん(71)。細やかな気配りで接客する三女、恵美子さん(68)。そんな食堂には、店内を見渡せる位置に一つの椅子が…。食堂を始めた三姉妹の母、静子さんが生前に接客していた場所です。
9年前に亡くなった静子さんは90歳を超えても、金庫番としてお店に立ち続けていた名物おばあちゃん。常に前向きな姿とお客さんにも遠慮しない物言いは、常連さんにとってもお母さんのような存在。三姉妹の仕事観や人生観は母の生きざまが大きく影響しています。
そんな母、静子さんは東京大空襲で家も夫も失い、我が子と夫の実家である富山県へ。慣れない農業に尽力し、一族14人の大家族を養うため、52歳で「山家食堂」を立ち上げ、昼夜問わず働き続けました。ほのぼのとした「山家食堂」での日常と、三姉妹それぞれの人生、亡き母への思いを通して、人が生きるためのよりどころ、家族とのつながりを見つめます。