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放送内容
壊れたら、直せる。〜輪島塗再起への道〜

石川県輪島市の伝統工芸品「輪島塗」。国の重要無形文化財にも指定されています。輪島市街地に集中する従事者は約1000人。「木地」「下地」「上塗り」「加飾」など、それぞれの工程を専門の職人が担う“完全分業制”で作っています。そのためひとつの工程がストップすればほかの業者にも影響が。2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」で能登は甚大な被害を受けました。「輪島塗」の従事者も8割以上がなんらかの被害を受けたとされ、業界の存続が危ぶまれています。約160年続く老舗漆器店「大徹八井 漆器工房」の5代目社長、八井貴啓 さんは、全壊した自社の工房を前に一時は廃業を覚悟するも「壊れたら直せるのが輪島塗、工房も直して仕事を再開すればいい」という父汎親 さんの言葉で再起を決意。全壊した工房はなかなか進まぬ公費解体を諦め自費での解体を行い、中小企業基盤整備機構などの支援で建てられた仮設工房で輪島塗の製作を再開します。解体前の工房からは父汎親さんが約10年前に手がけた輪島塗の弦楽器が奇跡的に見つかり、地元の輪島高校の入学式で能登復興を願い演奏されました。しかし地震から半年以上避難所暮らしをしてきた父汎親さんが体調を崩し入院。さらに2024年9月、今度は豪雨が能登を襲いさらなる被害を受けます。さまざまな苦難を受けながらも八井さんの工房には能登への支援のため、全国の取引先や地元企業から注文が入り、一部商品の出荷もできるように。若手木地師の小谷文昭 さん、ベテラン沈金職人の高出 英 さんと互いに励まし合いながら、伝統の技を次世代につなごうと奮闘する八井さんの姿を追いました。