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#17

醍醐の花見と鴨川の源流

四季折々に移り変わる、いにしえの都の趣。今回、まずひも解くのは咲き誇る「桜」に秘められた物語。訪ねるのは、山のふもとに境内を広げ、数々の国宝を備える「醍醐寺」。仁王像が守る朱色の門をぬけ、京都で最も古い五重塔を眺め、金堂で人々を見守ってきた、薬師如来に手を合わせる。そんなこの寺で出会えるのが、あの豊臣秀吉の面影。見事天下をその手に収めたのち、この世を去る半年前…まるで人生最後の輝きのように盛大に開かれた、日本初ともいわれる花見。そこに秘められた強烈な想いが、華やかな桜の彩のなかから浮かび上がります。そして、もう1つ訪ねるのが、京の町を南北につらぬく鴨川の物語。その川を上流へ…、ゆるやかな時の流れとともにさかのぼります。納涼床で感じる、都人たちの夏の喜びとは? そこで出会える、いにしえの文人たちの名残とは?
夏の風物詩として愛される伝統の扇には、芝翫さん襲名との深い繋がりがありました。そして辿りついたのは、鴨川源流のひとつが湧き出る寺。神秘的な静けさに包まれたその山で見つける、空海の面影。そしてそこは、芝翫さんも演じた歌舞伎のある演目の舞台でもあったのです。うつろう季節を、都人たちはいかに楽しんだのか? 折り重なる時のなかで生まれた、いにしえの風情を辿ります。