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#30

銀閣から生まれた日本の美

今回の舞台は、誰もがその名を知る「銀閣寺」。京都を代表する人気の観光名所であり、世界遺産にも登録されています。実はここに、今に伝わる「日本文化のはじまり」、そして「日本人の美意識の源流」があると言います。
その誕生の背景には何があったのか?銀閣寺の知られざる歴史と、見る者の心を揺さぶる美の世界に迫ります。
銀閣寺の正式名称は「東山慈照寺」。なぜ「銀閣」と呼ばれているのでしょうか?その謎を紐解くと浮かび上がるのが「金閣寺」との因縁。室町幕府の3代将軍・足利義満が自らの権力を誇示するために造営した金閣寺に対し、銀閣寺を作ったのはその孫、8代将軍の足利義政。彼は、次の9代将軍を巡り京都を中心に11年も続く「応仁の乱」の原因を作ったとされる人物。いわゆる「政治の負け組」であり、「史上最悪の将軍」とも呼ばれています。そして彼が政治と縁を切るための住居として建てた山荘、それが後の銀閣寺でした。
義政がこの地に移住し、亡くなるまでのわずか7年の間に誕生させた「東山文化」。そこには、時代を超え現代に伝わる、数々の日本文化の原点がありました。
銀閣寺の庭の中でも有名なのが、本堂前の向月台と銀沙灘。
そして日本住宅の和室の原型を見ることが出来るのは、銀閣寺の一角にある東求堂。その部屋の一つに日本最古とも言われる四畳半が…。
銀閣寺からはじまった3つの芸道。「茶道」「香道」「華道」の神髄と出会います。さらには、銀閣寺から派生し、今の京都の街に伝わるそれぞれの道。伝統を受け継ぐ老舗へ。
また、京都のお盆行事「五山送り火」の起源にも、義政が深く関わっているとも言われています。「大文字送り火」と義政の、悲哀に満ちた人生ドラマ…。
日本の美の誕生に大きな影響を与えた銀閣寺。その遙かなる歴史秘話を紐解きます。