バックナンバー

#46.2

新選組150年目の真実

徳川幕府に忠誠を誓い、幕末の京都を駆け抜けた剣客集団・新選組。人々の記憶に鮮烈に残る若者の軌跡を、明治維新150年にあたる今年、局長・近藤勇と彼を
支えた副長・土方歳三の2人を中心にひも解きます。ゆかりの地を訪ねるのは中村
芝翫と、橋之助、福之助親子。「誠」を貫いた男たちの熱い息吹を感じます。
京都の中心部にほど近い「壬生寺(みぶでら)」は、かつて新選組が剣術や砲術
の練習をしていた場所。橋之助・福之助兄弟が、新選組の隊士服に身を包み彼らの
心情に迫ります。壬生寺の近くにあるのが、隊士たちが寝泊まりする屯所(とんしょ)だった「八木家」。 その鴨居に生々しく残る刀傷の理由とは? さらに向かいにある「旧前川邸」で、近藤、土方それぞれの深い覚悟に触れます。
その後、新選組が屯所として使ったのが、京都の名刹として名高い「西本願寺」。広大な敷地に構える巨大なお堂、内部の絢爛豪華な造りはまさに圧巻の一言です。ここで、土方の巧みな“交渉術”が垣間見える、ある書状を見せていただきます。
池田屋事件によってその名声が天下に知れ渡ったのもつかの間、大政奉還、そして薩長連合を主軸とする新政府軍と戦った「鳥羽伏見の戦い」で彼らの運命は大きく変わることになります。伏見で250年続く老舗料亭「魚三楼(うおさぶろう)」では当時の世の情勢がうかがえる「かわら版」を拝見。さらに淀の「妙教寺(みょうきょうじ)」では、砲弾により壁を撃ち抜かれた生々しい跡を目の当たりにします。
幕末関連の資料を一手に集めた「霊山(りょうぜん)歴史館」では、江戸で斬首
されたはずの近藤の首にまつわる逸話がありました。そして、最後まで戦い抜いた土方の悔しさを物語ると言われる遺品とは?
桜舞い散る春。激動の京都で歴史の中にひときわ輝き、美しく散った男たちの
面影を探します。