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#79

都のヒロイン大逆転物語

京都1200年の歴史の中には、悲運の人生を自ら切り開いた、たくましき女性たちがいます。漢字を女性が習うと不幸になると言われた時代に「源氏物語」を綴った紫式部、将軍家から天皇家に嫁いだ唯一の女性・東福門院(とうふくもんいん)、女性が絵を描くことが蔑まれていた明治の頃、のちに女性初の文化勲章を授与し、世の女性に勇気を与えた画家・上村松園(うえむら・しょうえん)。そんな、いわば都のヒロインとも言える3人のドラマチックな逆転人生を、檀れいさんが各専門家とともに追体験していきます。まずは紫式部。平安文学研究の第一人者・山本淳子先生が、彼女の思いが書かれた「紫式部日記」を片手に、主婦から宮廷に仕えるまでの数奇な運命と、その裏に隠された苦悩を解き明かしていきます。さらに「源氏物語」の主人公・光源氏のモデルとも言われる貴族の邸宅があった場所や、紫式部が住んでいた家の跡地など、ゆかりのスポットも拝見。時は変わって江戸のはじめ、徳川家の権威を高めるため幼いうちから天皇家に嫁がされた皇后・東福門院を、京都文化に詳しいジャーナリスト丘眞奈美さんと紐解きます。不遇の中でも幕府との懸け橋となるべく奮闘し、都人に受け入れられていった彼女。その証拠が、建仁寺などの名刹に残されていました。さらにデザインセンスを生かして着物にある革命を起こし、新たな文化を生み出します。今回、その模様の復元に成功したという工芸作家のもとを訪ね、知られざる功績を掘り下げます。そして美人画を画壇の主流に押し上げた上村松園。女流画家への周囲の偏見や男性画家からの嫉妬、そして大失恋を乗り越えて女性初の文化勲章を授与されるまでの紆余曲折を、京都市立芸術大学教授の田島達也さんと追っていきます。生前、彼女の髪の毛を結ったという美容師の孫にも会いに行き、貴重な話も伺います。平安から近現代まで“京おんな”のたくましき足跡をたどります。

【専門家出演者】
京都先端科学大学 人文学部 歴史文化学科 教授 山本淳子さん
歴史作家 丘眞奈美さん
京都市立芸術大学 美術学部 教授 田島達也さん