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#74

都の彩り〜平安から現代まで〜

侘び寂びのイメージの強い京都ですが、実は1200年前から豊かな彩りの世界が広がっていたと言います。今回は俳優・檀れいさんが、平安時代から現代までの京都の彩りの歴史を紐解く旅へ。
平安時代の彩りを体験するため訪ねたのは、葵祭や時代祭の衣装を制作する「黒田装束店」。ここで見せていただくのは、平安時代に完成した女房装束の代表格・十二単。平安貴族が楽しんだ、何枚も重ねた衣の色で季節の移ろいなどを表現する「襲(かさね)の色目」について教えていただきます。その中でも深まる秋の色の変化を表現した「紅葉の襲」を目の前で着付けていただきます。檀さんもその一部をお手伝い。
5年にわたり番組で歴史ある場所を何度も訪れている檀さんが、特に彩りについて印象に残っているという平等院鳳凰堂と金閣寺について振り返ります。平等院鳳凰堂で驚いたのは、創建当時のお堂内部の姿。当時を再現した空間に広がっていたのは、鮮やかな極彩色です。この色に込められた意味とは? 金閣寺では、普段見ることができない場所から黄金に輝く金閣を拝見。3つの異なる建築様式が溶け合った金閣、その中でも圧巻だという三層の中とは?金閣を覆う黄金は、義満の権力の象徴とされますが、この金閣寺を中心に花開いた北山文化の象徴にもなったのです。
江戸時代、「極彩色の絵師」として名声を高めたのが伊藤若冲です。嵐山に建つ福田美術館では、若冲の作品を鑑賞しながら年齢を重ねることで変化していった若冲の彩りについて教えていただきます。そして今回、世界初公開!新たに発見された若冲の幻の作品を特別に見せていただきます。そこに描かれていたのは、青物問屋の長男として生まれた若冲らしさが滲む彩りでした。
他にも現代で都の彩りを楽しめるお店を紹介。舞妓さんを始め祇園界隈の人々に愛されている老舗の呉服屋や、100年以上昔の彩り豊かな染色品を扱うお店を訪問します。
さらに食を通じて古都の四季を感じさせてくれるミシュラン2つ星の名店で、見事な彩りの京料理を堪能します。


【専門家出演者】
●ギャラリー昴 店主
 永松仁美さん