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#93

都の復活物語
〜明治の偉人たちの足跡〜

明治時代、都が東京へと移り、「いずれ狐や狸の棲みかになる」とまで揶揄されるほど衰退していた京都。しかし、そんな京都を再び蘇らせた偉人たちがいました。俳優・賀来千香子さんが、その足跡をたどります。
旅の始まりは、平安神宮。実は、その創建自体が明治の京都復活と深く関わっていました。その象徴ともいえる日本初の路面電車の車両に、テレビカメラが初めて潜入。時を超えて受け継がれる貴重な車両の内部とは?
明治の京都を語るうえで欠かせないのが、京都の産業近代化を大きく前進させた「琵琶湖疏水」の建設。琵琶湖から京都へと水を引くという壮大な計画は、平清盛や豊臣秀吉も夢見たものでした。その歴史的偉業を成し遂げた中心人物が、第3代京都府知事・北垣国道と、賀来さんのご先祖にあたる南一郎平です。  
5年の歳月、当時の京都府の年間予算の2倍もの費用、延べ400万人もの人々を投じた大事業には、大きな課題がありました。それを乗り越えた知恵とは?

さらに、室町通にある「京都芸術センター」へ。かつては小学校だったこの建物。実は、京都は日本で最初に学区制の小学校ができた地でもあります。当時の面影を感じながら、明治の小学校教育について教えていただきます。そして、この学校教育に尽力したのが山本覚馬です。彼の人物像を紐解きます。
続いて訪れるのは、三条通沿いに建つ京都文化博物館別館。かつて日本銀行京都支店として使用されていたこの建物は、赤煉瓦の外壁、天井の開放的な空間、重厚な意匠が際立つ明治を代表する洋風建築です。設計を手がけたのは、近代建築の父・辰野金吾。東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店など、数多くの名建築を生み出した辰野のこだわりとは?
旅の締めくくりは、「食」で明治の京都を支えた老舗へ。京都初の洋菓子店として創業した「京都村上開新堂」。賀来さんも憧れるというこの名店で、予約1年待ちの焼き菓子を味わいながら、創業者の想いに触れます。


【専門家出演者】
●天野太郎さん
●鷲尾隆久さん(平安神宮)
●山崎頼人さん(京都文化博物館別館)
●村上彰一さん(村上開新堂)