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#125

秋の古道 心に沁みる石仏めぐり

今回の旅の舞台は、京都府の最南端。奈良との県境に位置し、古くから“石仏の里”として知られるエリアです。俳優・本上まなみさんが、個性的な14体の石仏を巡りながら、人々の祈りと歴史に触れる秋の古道を歩きます。
最初に訪れたのは、標高約289m笠置山に門を構える「笠置寺」。この場所で出会ったのは、高さ15.7m、横幅12.7mの巨大な岩に刻まれた弥勒磨崖仏。かつての姿は戦乱の炎により失われたものの、岩肌には今も仏を刻んだ痕跡が残され、悠久の時を感じさせます。そんな磨崖仏に触れ、さらに特別にその頭上に上らせてもらい、仏様の視点から山々を見渡す絶景に感動します。

続いては、当尾と呼ばれるエリアへ。岩船寺から浄瑠璃寺へと続く「石仏の道」を、地図を片手に歩きながら探し進みます。
途中で出会うのは、「一願不動」や「わらい仏・ねむり仏」、「カラスの壺二尊」や「首切地蔵」など、ユニークな名を持つ13の石仏たち。ひとつひとつの石仏を見つけるたび、その名の由来や背景に込められた人々の思いを紐解いていきます。
これらの石仏の中には、中国から来た石工の末裔によって刻まれた仏様も数多く残されています。それには奈良・東大寺の大仏再興と深い関係が。また、この当尾の地になぜこれほど多くの石仏が残されているのか、そのヒントが「随願寺跡」にありました。
道中では、浄瑠璃寺の門前にある食事処「あ志び乃店」や、参道沿いの無人販売所にも立ち寄ります。
そして旅の終わりは、当尾エリア最大とされる「大磨崖仏」へ。高さ2m半の巨大な石仏は、いつ・誰が・何のために刻んだのか、今もなお多くの謎に包まれています。
遥かな時を越え、人々の祈りを静かに受け止めてきた石仏たち。秋の古道に佇むその姿に、心が穏やかに癒やされます。


【専門家出演者】
●京都旅屋
 吉村晋弥さん
 
●笠置寺副住職
 小林慶雅さん
 
●あ志び乃店
 沖典子さん