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#188

「臨時の大規模医療施設を!!」田村厚労大臣が生出演

新型コロナの感染者が急増し、早急な治療が必要にもかかわらず、入院できない悲劇が相次ぎました。2021年8月29日の『BS朝日 日曜スクープ』には、田村憲久・厚生労働大臣が生出演。田村大臣は臨時の大規模医療施設の必要性を強調し、東京都とも協議していることを明らかにしました。

■先週より感染者減少でも・・・高い陽性率の懸念

山崎

自宅療養中に亡くなるケースが相次ぐ中、必要な人が必要な治療を受けらえるために今、何をすべきなのか。政府が打ち出した新たな病床確保戦略の実行性と課題を詳しくみていきます。では本日のゲストを紹介します。厚生労働大臣、田村憲久さんです、よろしくお願いします。

田村

宜しくお願いします。

山崎

そして、おなじみ医学博士で白鷗大学教授、岡田晴恵さんです。宜しくお願いします。

岡田

宜しくお願いします。

山崎

きょう(8月29日)の全国の新規感染者の状況です。感染状況が厳しい東京は3081人、先週の日曜日(8月22日)は4392人でした。そのほか大阪では2389人、愛知県では1385人となっています。このピンクのベースとなっている部分がこの1週間で過去最多を更新した地域です。全国17府県で過去最多を更新しています。

続いて10万人当たりの新規感染者の数です。25人を超えるとステージ4ですが、沖縄が306人、東京が199人、大阪が195人。そして、緊急事態宣言、まん延防止措置も出ていない地域で見ても、奈良102人、大分98人、和歌山55人とステージ4の基準を超えています。今、新規陽性者数がステージ4ではないのは岩手県だけ、全国で厳しい状況が続いています。

最も感染状況が厳しい東京ですが、きょうが3081人、昨日が3581人、一昨日が4227人、その前が4704人、数字としては減少しています。

ただ気になるのは、陽性率が19.4%と非常に高い状況が続いています。モニタリング会議では「検査を迅速に受けられないことにより、さらに多数の感染者が潜在している可能性がある」と分析。実際の検査の状況をみると1週間平均で1万3902.件です。陽性率は全国的に高くなっていまして、神奈川県が39.5%、熊本34.0%、千葉県が33.3%ですけれども、田村大臣、感染者の急増に検査が追い付かないところがあるということですか?

田村

陽性者が急に伸びてくると、当然、陽性率も上がってくるんですが、それ以上にちょっと高すぎるというところを考えると、検査が目詰まりしているとまでは言いませんけれども、本来、診療検査医療機関というものを作って、そこでやって頂くようになってるんですけれども、そこが結構、混雑されているのかも分かりません。もちろんこれ以外にですね、民間の検査会社で自費でやっているケースがありますから、そこで陽性が出て、PCRで本当の行政検査入ってくるというのは、ほぼ確実に陽性なので、陽性率上げるというのもあるんですが、そこの数全体が、今の国の仕組みの中では分からないものですから、どれぐらいが本当の陽性率かってちょっと分からないところがありますが、いずれにしても高いのは事実ですね。

上山

これは何か対策というのはあるんですか。

田村

検査をやっぱりしっかりとやれる環境、もちろんPCRだけではなくって、今、抗原検査キットもあります。なかなか医療機関、抗原検査キットのほうが若干感度が悪いもんですから、医療機関で使いたがりたくないっていうところもあったのですが、最近は皆様方、抗原検査キットもしっかり使っていこうという方向を出されておられますので。そういう抗原検査キットは、充分にありますから、そういうものを使って検査していただくということが、短時間で結果が分かりますので、重要になってくると考えます。

山崎

岡田さん、6月と比較しても感染者が10倍になっているのに、検査数が2倍にもなっていない。感染者が増える中でも必要な検査をするため、何が必要とお考えですか?

岡田

やはり検査は足りていないということだと思うんですけれども、東京都の豊島区のあるクリニックが、コロナの患者さんを診ているクリニックなんですけども、発熱して外来に来られると8割ぐらいの方がもう検査でコロナ陽性であると。だから陽性率80%になるわけです。それで、その先生が「ご家族も濃厚接触でしょうから調べましょう」と言って調べていくと、そのクリニックでは現在、4割ぐらいの陽性率になっているということです。結局、ウイルス感染が広がり過ぎていて、やはり検査が追いついていかないということだと思われます。東京都は能力としては最大9万7000件ということすが、それが実際、表に出ている検査数は1万4000件台にとどまる。まだ検査をやれる余地はあるのかと。陽性率が高いといことは、とりこぼしが多いということです。WHOも5%未満としています。もう少し広く検査をしていかないと、やはりサイレントキャリア、軽症者をふるい落としていってしまうということが心配だなと思います。

■若年層向け“予約なし”ワクチン接種に長蛇の列

上山

そして、この1週間、注目を集めたのがこちらです。おととい(8月27日)、東京都が若年層向けに予約なしでワクチン接種ができる会場を開設しました。すると200人の枠を求めて徹夜組ができるほどの行列ができ、午前7時30分に受付終了。翌日、抽選方式に変更したのですが、抽選を求めて2000人以上の行列ができ、再び混乱が起きました。

見通しの甘さが露呈する形になりましたが、大二郎さん、どのようにご覧になりましたか?

橋本

テレビで、行列している若い女性に、「こういう状況になるのは予想できなかったと東京都は言っているんですけど」と、こう質問したら、「こんな事になるのは私だって分かりますよね」と、そう笑って答えてたんです。やっぱり実際の若い世代と行政との間に何かずれがあるのかなと思うと同時に、一昨日なんかはもう午前3時くらいから並んだという人もいてですね、それでもちゃんと整然と2000何人もの人が並んでいくというのは、それだけやっぱり何があっても受けたいという気持ちは若い人にも強いっていうことだと思うんです。田村大臣は、あのニュースも当然ご覧になったと思いますけど、あれだけの若い人が並んだということ、どのように受けとめられましたか。

田村

私は地元、三重県なんですけれども、三重県からも市長さんとお電話しますと、若い人がやはり打ちたいという声が非常に、最近特に上がってきていると。それは多分、デルタ株になって、かなり若い方々も重症化する恐れがあるということを報道で見られて、と思うんですが、なかなか若い方は、夜遅く打ったりとか、休みの日打ったりというので、普通の医療機関では時間的に打てないというのがあって、私の地元ではですね、若い方々打つための専用のものを作ったって言っていました。要するに、集団的に打つような、医療機関ではなくて、そういうブースを設けて打つようにしましたと。東京みたいな話だと思うんですけれども。

上山

行列にはならないんでしょうか。

田村

ちゃんと予約を取るんだと思いますね。東京都に関しては、より早く打てるという意味からすると、多分、予約なしでもやりますよと言ったら、そのほうが打ちやすいと思って、そういう形でやられたんだと思いますが、やはり若い方々のワクチンに対するニーズが、非常に今、強くなっているということなので、これはこれで決して悪いことではないので、よりよく改善していって頂ければいいと思います。

■「臨時の医療施設を作らなくてはいけない状況」

山崎

私たちが直面している最も大きな問題、それが必要な医療が受けられなくなっているということです。新型コロナの患者は4つに分けられていまして、全国の重症者は過去最多の2070人、東京も過去最多の297人。東京都は独自の基準で重症者をカウントしていますが、全国の基準では重症者が1135人となっています。政府の新たな方針で、軽症者は原則、自宅療養となっていますが、本来、入院が必要な中等症の患者でも入院できず、自宅療養になっているケースが少なくありません。

こうした中、増え続ける自宅療養者について、菅総理は「自宅療養の方々に連絡着くようにする」、こう話をしています。

現状ですが、全国で保健所などの健康観察業務がひっ迫。自宅療養者の健康管理は医師会、開業医などが往診、電話診療、オンライン診療で、保健所を補完している地域もあります。ただ問題は、全国で12万人近くいる自宅療養者に対応しきれるのか、規模のところです。例えば東京ですが、東京都医師会がオンライン診療を強化しましたが、診察時間は18時から21時、患者数100人から200人をメドに対応するということです。2万4千人、入院調整中を合わせると3万5千人という人たちをフォローできているのか、田村大臣、この規模で対応できるのか、いかがですか?

田村

3万5000人全員入院すると、これはベッドがとてもじゃないけど足りないということになる思います。基本的に、入院が必要な方をどう入院していくか、そのための病床というのを、臨時の医療施設も含めて作っていかなきゃいけないと思うんですが、ただ、大変、開業医の皆様方も、また病院で医療提供いただいてる皆様方も、大変な力を今、発揮いただいてまして、日本は大体、今、療養者の10%は入院をしているんですね。ヨーロッパ見てきますと、厚生労働省で一定の条件の元に試算させたんですが、イギリスは2%ぐらいですね。フランスが5%、6%ぐらいです。ということは、やはり日本は非常に入院率は高いという状況なんです。それが1つの成果として、多くの命を救って頂いておりまして、1日に亡くなられる方はやはり欧米と比べると少ないという状況があります。ただ、それで良しと考えているわけじゃなくて、要はそれでもまだ足らない。例えば、呼吸管理が必要な、酸素吸入が必要な方々が入院できない状況が出てきておりますので、だからこそ今、酸素ステーションでありますとか、臨時の医療施設を作られなきゃいけないという話なんです。その前段階で、まずは症状を確認しなきゃいけませんので、いま自動電話、電話で、マンパワーですと、なかなか全員対応できないので、自動電話で電話をおかけして、そして自分の状況をプッシュボタンで押して頂くというようなやり方も始まりました。

上山

プッシュボタンでリアクションなかった場合にはちゃんと折り返しいただけるのですか。

田村

それを2回か3回やって、駄目だったらそこに直接、電話を人が入れるというような対応をしていただいてるようでありますけれども、そういうやり方で、なるべく効率的にやっていかないと、急激にやはり患者の方々増えましたので、緩やかに増えていくとマンパワーの増強も何とか間に合うんですけれども、急激にやはり感染者が増えたときには、対応が追いつかないっていうのが今の東京の状況なんだと思います。

上山

急激に自宅療養者が増えている中で大阪ではこのような動きがあります。大阪府内で500を超える医療機関が「電話・オンライン診療機関」として登録。保健所が陽性者に登録、医療機関のリストを渡して、体調悪化の場合、相談するよう促している、こういう態勢を作りました。田村大臣、菅総理の言葉を実行するためには、大規模な、医師会や開業医の自宅療養者の健康観察への協力が必要では?

田村

先ほど出ていましたけど、東京都医師会も今、始めていただいております。例えば品川方式というのがありまして、それは多数の医師が登録して、一方で、患者が多数それにアクセスして、マッチングさせて、空いてる所から診断していただく、こういう仕組みも動き出してます。いいものは横展開をして、とにかく治療が必要な方、それぞれ療養いただいている方もいろんな症状の方おられます。その中で、本当に急変したりとか、いろんな形で不安な方に対して対応できる、そういう体制をとっていかなきゃいけない。これは菅総理も、しっかりやると言っておりますので、我々も協力しながら、まずは東京もやらなきゃいけませんし、全国中に、そういう体制を組めるように、各都道府県と協力してまいりたいと考えます。

上山

大二郎さん、政府は軽症者は自宅療養を基本という形にしましたが、新型コロナは容態の急変がありますし、さらには息が苦しいという、感染者の不安が強い病気です。見守り体制の現状、どのようにご覧になっていますか。

橋本

8月2日に、総理が重症化リスクのない人は原則、自宅で、という話をされて、選別するのかと言って、いろんな批判を受けられたんですけれども、これだけ感染拡大の中で、入院する人をいわば選り分けていく、トリアージをしていくというのは当然の判断だったと思います。ただ、そういうオペレーションの判断をきちっとされるのであれば、そのときに重症化をした自宅療養の方に、どういう連携体制を取るかということを、まずは全国一律でできませんから、その思いだけでも語されれば良かったと思うんだけども、そういう話が出てきたのは、この間、25日の会見で、行政、医療機関そして消防機関との連携強化を徹底しますと。これはやっぱり、2日の時点で言って、その品川方式ですとか、それぞれの場面というのは地方自治体の状況によって違いますからお任せをするしかないわけですけれども、やはり大号令というものをあの時出していただければ良かったじゃないかなと。そうじゃないと、その後、自宅で亡くなった、いろんな悲しい出来事があって、そういうことは強く国民の皆さんの印象に残って、不安が広がってしまうということを、是非、汲んでもらいたいなとは僕は思いました。

田村

おっしゃる通りでして、4月の時点からもう東京は在宅でオンラインの診療も含めて対応いただいていました。大阪が当時は凄い急激な伸びで、大変なご苦労いただいて対応していただいたのですが、東京は伸びが緩やかだったことから、在宅での医療、自宅でおられる方々も、それなりのちゃんとした対応をいただいていたんですが、今回、こういう急激な伸びの中で、メッセージとして、もう少し強いメッセージを我々も厚生労働省として、出すべきだったと考えます。

上山

今、不安を抱えている方がいらっしゃると思うので、そこに対するしっかりとした体制があると良いなと思います。

■最大級の入院患者の受け入れを要請

山崎

治療が必要な人が入院できるようにするため重要なのが病床の拡充ですが、今、3つの戦略が動いています。その1つが「医療機関の受け入れ拡大」。月曜日(8月23日)、厚労省と東京都は、改正感染症法に基づき、都内およそ400の病院に最大級の入院患者の受け入れを要請しました。正当な理由なく応じなければ、勧告になり、それでも応じなければ施設名が公表されます。

この感染症法に基づく受け入れ要請ですが、先行事例があります。大阪ではこれまで4回行っています。4月は550床増床するなど病床が確保できましたが、直近の8月、ほとんど確保できませんでした。病院側の理由としては「看護師が足りない」「コロナ患者の動線確保が難しい」ということです。吉村知事は「法律の限界でもうほとんど確保できない」と話しています。田村大臣、東京では、まだ要請に応じて受け入れを拡大してくれそうな病院があるということですか?

田村

法律の壁というよりか、元々コロナ用に医療提供体制、組んでなかったわけです。ですから、それぞれマンパワーでうまく今まで、それまでもいろんな疾病を診ていただいていた。そこに今、やはり数万人から10数万人規模で感染者が出ているわけですよね。そうなってくると、そこにかなりの人数が必要になるので、今までで回っていた者に負荷をかけて入ってもらわなきゃいけない。何が起こるかというと、コロナを診ようと思えば、今、入っている患者の方々が出ていただかないと入れないわけですよね。その方々もやはり治療が必要で、どこかが悪くなって入られておられるということで、そういう体制に変更する時間がかかるというのが1つあります。

今回、要請させていただいたのは、ペナルティーというよりかは、医療機関側、病院側からもお話を聞きますと、不急の、不急という言い方がよくないですかね、それほどまだ緊急じゃないような治療だとか入院、そういうものを若干、遅らしてもらって、そこにコロナの患者が入ってもらわなきゃいけない。つまり、他の疾病の方々にご迷惑をおかけするわけなんです。私もうすぐ手術だったのに、という順番の方も止めなきゃいけない。そういう時に国、都がこういう要請をかけると、「こういう要請もかかってるんで、ちょっと申しわけありませんが、1カ月待ってもらえませんか」というような、「2週間待ってもらえませんか」というお願いがしやすくなるというようなお声もいただいて、今回、こういう要請をいたしました。ですから決して、空いているベッドにどんどんコロナの患者を入れるんじゃなくて、入っているところを融通しながら入れてかなきゃいけないという中で、大変、皆さんご苦労いただいておるということですから、だからこそ、臨時の医療施設等々しっかり作って、そこは人員配置をもうちょっと緩くして、マンパワーをある程度、楽にしながら、コロナ患者を診ていくということも考えないと。やはり、日本の医療の資源というものは限られております。海外もそういう中、非常に苦しめられながら入院というようなことを選択されているんだと思います。

上山

東京が要請して、実際に病床は増えそうですか。

田村

例えば、コロナの専門の医療機関として、城東病院が、これは地域医療機能推進機構という、尾身さんが理事長やっておられる病院なんですが、ここが専門のコロナの病院にしようということで、今度、また手を上げていただくということでございますから、徐々に、そういうのはどんどん増えてきておるということであります。

橋本

尾身理事長の機構の病院は全国47ございますよね。東京の城東病院だけではなくて、他の地域でもお願いをしていくというようなことができるんでしょうか。

田村

今までもコロナのベッドはお出しを頂いておりますので、今までもご協力いただいてたのですが、本当のところを言うと、専門の医療機関にした方が、動線管理だとか非常に楽なんですね。コロナの難しいところは、1つの病院の中で、コロナと一般医療、両方やる場合には、この一般医療の方というのは、やはり基礎疾患持っておりますから、かかると重症化しやすいんで、かからないような動線を変えたりだとか、大変ご苦労される。

橋本

リソースが別々に取られてしまう。

田村

そうなんです。ですから小さい医療機関、小さい病院で、それがなかなかしづらいというのも事実でありますので、今回、このような形で専門の病院に対応していただくということにいたしました。

■臨時の医療施設の必要性「東京都の小池知事も…」

山崎

病床を増やすための2つ目の戦略が「臨時の医療施設の創設」。野戦病院という表現も使われていますが、自治体に対して田村大臣は「臨時の医療施設、これを全国的に、必要な自治体では確保いただくということも検討いただけなければならない。中等症Ⅱにしっかり対応できる施設を確保していくことが重要」ということで、厚労省は自治体に設置を推進するよう通知も出しました。

この臨時の医療施設、誰が作るのか。新型インフルエンザ特措法では、「都道府県の知事はその区域において病院などの医療機関が不足した支障が生ずると認める場合、臨時の医療施設を開設して医療を提供しなければならない」としています。臨時の医療施設ですが、すでにいくつかの地域で稼働していたり、計画が発表されたりしています。見てみると2つのタイプがありまして、1つが「野戦病院型」。福井の体育館に100床。さらに大阪が国際展示場に1000床作る計画を発表、大阪大学医学部付属病院が中心になるということです。一方で、「医療機関併設型」として神奈川では民間病院の隣にプレハブで180床、さらに千葉では県がんセンターの旧病棟で48床。こうしたものがあります。

岡田さんは臨時の医療施設の必要性を訴えていましたが、規模や場所、どのようなものが望ましいとお考えですか?

岡田

私は、野戦型ではあるけれども、酸素配管までして、肺炎の患者さんまでの医療を診れるようにして、恒常的に使えるようにということを申し上げてきたわけでございます。やはり大阪の1000床規模というのは非常に良いなと思っているんです。やはり東京ですと、人口比から言っても、この1000床規模のような集約病院が複数ないと一般医療も守れないだろうと。それから集約してコロナを診ることによって効率よくマンパワーを回しながら、やはり、自宅で肺炎とか、それから重症になって ICU に入らなきゃいけないような患者さんを出さないための防波堤医療を作るんだということが、今の状況下では大事なことなんじゃないかと思います。

上山

岡田さんがおっしゃったように、その足りない人材を効率的にということになりますと、今、大阪の1000床の話が出てきましたけれども、田村さん、状況が厳しい東京都では、酸素ステーションや抗体カクテル療法の施設は作りましたが、いわゆる、こうした大規模な医療施設はまだ具体的に話が出ていません。大規模な臨時医療施設を作るかどうか。これは東京都の自治体の長である小池都知事の判断次第ということでしょうか。

田村

小池さんも必要性は十分に感じられていると思います。私も小池さんとはちょくちょく連絡取ってますけども、やはり多くの病床が必要と。しかしながら、なかなか病院というわけにいかないよね、臨時療養施設よねというような話をされておられます。

上山

田村大臣から東京都に対して要請はしているんですか。

田村

もちろん厚生労働省からも東京都にしておりますから、東京都の中でも一定の検討は、されておられると思います。やはり配管をすることが重要で、酸素の濃縮装置は数に限りがあるんですよね。

上山

足りないとなってますよね。

田村

そうなんです。

■「配管で酸素」「中等症患者を臨時施設で」

田村

配管してれば、そこに酸素を流すものは、濃縮装置よりかはふんだんにありますので、そういうものに対応していく。そちらである程度、効率的に多くの人数を、少ないと言っていいのか分かりませんが、効率的に医療従事者で診て頂いて、できれば、そこでレムデシビルのようなものが使えれば、重症化を抑えられますので、そういうことを含めてやっていかないと。一方で中等症の病床は一定程度あるんですが、重症化された方の病床というのはさらに限られてるんですよね。その病床を作ろうと思うと、さすがに臨時の医療施設では無理なので、やはり今ある中等症のベッドを潰して、マンパワーもかかりますから、それを重症病床に変えていかなきゃ対応できないと思います。人工呼吸器はそれなりにあるんですが、マンパワーなんですよね。ですから病院のベットはそっちの方に徐々に移していきながら、臨時の医療施設で中等症Ⅱ、一番苦しまれる方々なんです。本当に息ができない方なので、その方々に酸素吸入していただくということをしっかり対応できるようにしなければいけない。

橋本

臨時の医療施設として東京都はもし設けるとすれば、どこにという想定はされているんでしょうか。

田村

それは色々考えられているんだと思います。ちょっと私も細かいところまでは、事務方が色々対応しておりますので分かりませんけれども、一定のことは検討されているのではないのかなと思うんですけれども。

上山

具体的に酸素吸入させるためには配管の工事が必要だと。それはどのくらいの期間、必要なんですか。

田村

だいぶかかるんじゃないかなと思っていたのですけれども、外出しの配管だったらそれほどかからないという話なので。(配管を)壁の中に入れちゃおうと思うとそれなりに時間はかかりますけれども、むき出しの配管のような形ならばそれほどかからないという話もお聞きしておりますので、なるべく早くやらないと間に合わないということになります。

上山

そうですよね、工事に時間がかかりますから。

田村

今、東京も既存の建物を色んな形で利用した臨時の医療施設は作っているんです。増やしてます。しかし、それだけではやがてもう追いつかなくなりますので、やはり効率で考えても、大人数の患者の方を診れるような、少ない医療従事者の人数でというのが必要になってくると思います。

上山

東京都はどうして今やりますと言えないんでしょうか。

田村

臨時の医療施設は、作るとおっしゃっておられるんで、検討の中には入っておられるんだとは我々は思ってますけど。

上山

これから作る動きは…。

田村

出てくると思いますけどもね。それは我々も連携してやっておりますので。

■看護師を派遣した医療機関「診療報酬の点数を」

山崎

この臨時の医療施設、自治体の担当者は課題をこう話しています。千葉の担当者は、「幕張メッセを活用することを検討していたが、県内の医療従事者に限りがあり、なかなか1000床という医療従事者の確保は難しい。当初の1000床規模から200床程度に縮小し、今のがんセンターのような病床を使う方向になった」。群馬の担当者は、「ハコだけなら用意できるが、そこで働く方がいないと稼働できない。野戦病院という形は難しい」。さらに岐阜の担当者は、「野戦病院について8月上旬に専門家と協議をした。医師や看護師の確保が困難など、専門家から難しいという話が出た」。いずれの県も、場所よりは人の問題で、実現が難しいと話しています。

東京都の担当者はこう話しています。「宿泊療養施設に看護師を配置できない。ワクチン接種もあって看護師が取り合いの状態。一番のネックは看護師の確保。病床が作り出せないのも、入院待機ステーションなど新しいものを作っても人がいない。複雑な玉突きで、どこに配置するかやりくりしている」ということなんですが、1年前と比較しても、ワクチン接種、宿泊療養施設の拡充、保健所の機能強化など、あらゆることで看護師をかなり動員してきました。田村さん、新たな対策をやろうとするたびに看護師不足がネックになっている面はあるのでしょうか?

田村

医師に関しては、きょうも日本医師会の会長が全面協力をするというお話ですし、東京都医師会の会長も、しっかり協力していくという話ですから、医師の方々は協力するという、非常に力強いお言葉を頂いております。やっぱり看護師なんですよね、一番は。看護師の皆さんがなかなか確保できない。ワクチンですと、潜在的に、今まで看護師やっておられなかったけれども、現場に戻ろうという方々は、比較的に入りやすいんですね。それは注射をする技術は十分にありますから。ところが、やはりコロナとなりますと、潜在的に現場から離れている看護師の皆様方にはハードルが高いのは致し方がないことで、自分がかからないように感染管理しなきゃいけませんし、やはり今、病床でしっかりコロナを診ていただいている、そういうような看護師の皆様方や、現場で一線で活躍されている看護師の皆様方ということになると、各病院からですね、お力をお貸しいただかなきゃならないと。病院でそれぞれ、いっぱい医療を診ている看護師の方々、これ診療報酬では点数決まってるんです、配置が。それを一時的に緩和ができるようにしてあります。ですから、そういう方々が、ずっとコロナ診て下さいというのは結構きついんですね、これやっぱり。ですから輪番ででも回していかなきゃやっていけませんので、そういうとこも含めて、実は、先日、小池さんと一緒に要請をさせていただいた中には、人ですね、マンパワーに関しても、是非ともお力をお貸し頂きたい。例えばコロナの患者を診ていない医療機関もあります。そういうところに関しても、看護師を是非とも力をお貸しいただければという形で、お願いもさせて頂いております。

上山

それは診療報酬の縛りですよね、患者何人に対して看護師何人という形で診療報酬を出して、それを緩和したというお話、それは別の病院でもできるんですか。

田村

コロナに出した場合には、そこの人員配置が変わってもちゃんと診療報酬が同じように取れるようにしてありますので。本当は良くないんですよ。本当はちゃんと人員配置があって、多分コロナ以外の患者の方々を診ていただかなきゃなりませんから。こういう緊急事態なので、大変申し訳ないんですけれども、たとえ少しでもいいのでお貸しをいただきたいというお願いで、要請をさせていただいたんです。

上山

素朴な疑問で、そういったこともしながら絞り出してくような状況で、本当に今の看護師不足が解決できるのかどうか、根本的に解決できるんですか。

田村

根本的という意味からすると、それは負荷がかかると思いますが、しかし、看護師は急に出てきませんよね。看護師の皆様方も、潜在看護師おられますよ、70万人。ただやはり現場でコロナを診ようとなると、それなりに現場で一線で活躍しておられる方じゃないと、なかなか、しかもご自宅に小さいお子さんがおられるだとか、また高齢者、重症化される可能性の方々がおられるなんていうことで、なかなか本当は自分は行きたいんだけど、コロナの患者を診たいんだけど、どうしても家庭の事情でコロナの患者を診れないというような、そういう看護師の皆様方もおられますから、そういう制約の中でですね、本当に各医療機関に大変ご迷惑をおかけしますけども、絞り出していただいてでもですね、対応していただくというようなことを今、お願いをしております。

山崎

田村大臣の話にもありましたが、その現場に戻ろうとしたいんだけどもできないといった看護師がいるという中で、東京大学の武村准教授がこういった指摘をされています。そもそも潜在看護師と呼ばれています方が現場に戻ると3万円がもらえる「就業準備金」というものがあるんですが、この「『就業準備金』は潜在看護職がワクチン接種に復職するインセンティブとなった。宿泊療養施設への復職にも適用拡大を検討できないか」。ワクチン接種だけにある就業準備金を他の仕事にもつけて募集すべきということなんですが、田村さん、そうしたお考えはありますか?

田村

色んなやり方があると思いますけど、先ほども申し上げた通り、中等症Ⅱの方々を診ていただくような、臨時の医療施設となると、なかなか潜在看護師の方々が直接というのは難しいところもあります。今回、各医療機関から派遣して頂く場合、それに対する補助を大幅に積み増しを致しましたので、そういう形の中で処遇を上げて頂いて、何とか看護師の方々のマンパワーをお貸しいただきたいというような、そういうことも我々努力いたしております。

山崎

厚生労働省と東京都は、23日の改正感染症法に基づく要請で病院、診療所、医師・看護師養成機関に人材の派遣を要請しました。これも正当な理由なく拒否すれば勧告、施設名の公表をするという強い措置で、人材の派遣を迫っています。

田村さん、臨時の医療施設を作るにしても、看護師の発掘は難しく、どこかの病院にいる看護師をコロナ対応にスライドしてもらうしか方法がない、というようにも見えます。より状況が厳しくなった場合、このように中小の病院や開業医などを休んでもらい、新型コロナ対応チームを編成するようなことも必要になってくるのでしょうか?

田村

なかなか難しいのは、中小の病院でも患者の方々入っておられて入院をされてるんですね。それをみんな閉じちゃったら、今入っている方、誰も対応できなくなっちゃいますので、我々がいま一番、コロナの対応をしながら注意をしていることは、他の一般医療にも負荷がかかって、コロナでは命は救われるけど、他の疾病で命を落とすことが起こったら何やってるか分からない話なります。そのバランスをどうとるのか、実は非常に難しい話です。今、このように、かなり一般医療に負荷をおかけしてるんですが、こういうことはやはり2カ月3カ月が限度なんですね。ただ一方で、今回のデルタ株というのは、かなり感染力が強くて、今、緊急事態宣言出して東京も人流減っているですが、減り方が非常に緩やかだということを考えると、今までのようには下がっていかない。そんな中で、かなりの感染規模が継続することも、我々はそういうことも想定しなければいけないので、こういう状況の中で一般医療とコロナ医療を両立するようなことも、これから中長期的には考えていかなくてはなりません。今は緊急対応ですが、これを中長期的に考えた時にどういうようなオペレーションを組むかということも含めて検討していかなきゃならんと我々は考えてます。

■医療従事者に負担を強いる中で思うこと

上山

大二郎さん、看護師に要請しているのは、まさに災害対応のようなことを求めていて、その方の生活、家族、日常を後回しにして社会のためにコロナ対応をしてくれと言っている。感染するリスクもあり、家族が差別される恐れもある。それをお願いする上で、他の対策は尽くされているのか。総理の言葉は、厳しい協力をお願いするのに十分なのか、どう思われますか。

橋本

なんでも菅総理の責任にしてしまってはいかんとは思うんです。思うんですけれども、田村さんのお話伺っていて思ったのは、日本医師会の中川会長が、総理がワクチン1日100万本とおっしゃって最初無理だっていう話をみんな言っていたんだけれども、医師も看護師も協力をしてできたじゃないですかと。この臨時の医療施設なんかについても、それは声をあげて、きちっと指導していただければついてきますよ、ということを言ってくださっていて、非常に心強く思いました。医師の場合は、そういう動きがあると思いますけれども、看護師さんの場合には、家庭の状況だとか、ご家族の持ち方いろいろ違いがありますので、なかなかそれだけではワクチンと同じような形では、その外には出てきて頂けないじゃないか、潜在の方は。また、一般の病院でクリニックなんかで仕事してらっしゃる看護師さんに移ってくださいと言って、技術的経験的な問題もあるし、心の気持ちからいってもなかなか難しい。ということであれば、やはりそこはまた、菅総理にもう一肌脱いでいただいて、慎重な問題だから、紙を読んでお話をされるということも必要だけど、ここは一つ、そういうことをもう吹っ切ってですね、なんか自分の思い、今もこういう状況だから、そしてもう負荷もかけて、これ以上すぐ看護師さんも増やせない、お医者さんも増やさないっていう状況だから、何とかして工夫してやってきましょうと。色んなことを工夫して、国も、点数のこともそうだし、様々なこと考慮してから是非そこに協力をお願いしますねという発信を、大臣にも毎日のようにテレビに出て言っておられて、そういう感情もやっぱり政権、政府そのもので、みんながやはり声を出す時じゃないかなと思うんですよね。

田村

菅総理はですね、国全般を見て頂いております。そういう意味では、本当に国民の皆様方に色んな、ご不安をお持ち頂いていることには、厚生労働行政を所管している私の責任、重いと思います。至らんところは大変反省しながら、しかし、やはり一方でワクチンが進み、治療薬も徐々に出てきております。明るい光が徐々には見えている。完全には快晴にはなかなかならない、このデルタ株という状況でありますけど、何とか雲の合間を切り開いてくような、そういう対応を、しっかりしていかなければならないと思ってます。まずは臨時の医療施設が一番にマンパワーを効率的に対応できるということからすれば、いつまでも病床、今のベットを病院に頼るのではなく、そういうところに移していくことが、色んな対応をしていく中で、私は一番近道だと思ってますので、そういうことを各都道府県の皆様方にしっかり我々伝えて参りたいと考えてます。

橋本

みんなを安心させたいという思いで、明るい光と灯りということを言っておられるのはよく分かるんですが、それを先に先に言ってしまうと、それならもう少々いいのかなという感じを持つ人も一般の国民ということですけども、相当数おられるんじゃないかなと、であればもうちょっと危機意識というものを今は全体で出す。そのための努力をした方がいいかなと思いました。

田村

しっかりと危機意識を持って対応して参ります。

山崎

最後に岡田さん、今、必要なこと、どんなことでしょうか。

岡田

やはりですね、大規模な施設での集約医療というのを是非、早急にお進め頂きたいと。そこで中等症を診て頂きたいということと、大臣がお薬ということ言いましたけど、抗体カクテル療法、今、点滴でございますが、皮下注射でもいけるんじゃないかっていう話が出てきております。そういうような選択肢を増やす。それから抗体カクテル療法の外来の拠点を、もう少し増やしていただけませんと、なかなか患者さんが病院に行けないということもあります。公共交通機関を利用できませんので、そこをお考えいただけたらなと思っております。

山崎

田村さん、岡田さんはここまでとなります。どうもありがとうございました。

田村・岡田

ありがとうございました。

(2021年8月29日放送)