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『BS朝日 日曜スクープ』放送内容を動画公開します。 生放送でお伝えするニュース解説を放送終了後、ネットで動画公開します。 もう一度、ご覧になりたい方、見逃してしまった方、是非ともご利用ください。
■『BS朝日 日曜スクープ』1月11日の放送内容は現在、公開中です。 【中国レアアース規制か】軍民両用品7品目で“輸出管理の厳格化”産業に打撃懸念は 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は1月8日、中国が日本向けのレアアース輸出規制を強化した可能性を報じた。中国の輸出業者や中国政府の決定に詳しい関係者の話として、日本に対し一部のレアアースや強力な磁石の輸出規制がすでに始まったと伝えている。同紙によると、中国当局は日本向け輸出について、必要とされる許可申請の審査を停止したという。この措置は日本産業全体に及んでいると関係者は説明している。規制強化の対象とみられているのは、いわゆる「ヘビーレアアース」と称される7品目。具体的には、サマリウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、テルビウム、ルテチウム、イットリウム、スカンジウムが含まれるとされる。医療用MRI、航空機の翼の制御システム、映画や印刷向けの光源、特殊ガラスやセラミックスの製造など、工業、医療、電子機器分野に幅広く使用されている。この7品目は、中国商務省の2026年度版「軍民両用品リスト」に掲載されている。これらの品目は、昨年4月、トランプ政権による関税措置への報復として、中国が輸出管理を強化した対象のものとされている。 中国商務省は1月6日、日本への輸出管理を厳格化すると発表した。その理由について「国家の安全と利益を守り、拡散防止などの国際的義務を果たすため」と説明、中国側はあわせて、今回の措置の背景として、日本の指導者が台湾情勢を巡り「誤った発言」を公然と行い、台湾海峡問題への武力介入の可能性を暗に示したと主張した。さらに1月8日、商務省の何亜東報道官は、規制強化の狙いについて「日本の再軍事化や核保有の企みを阻止することにある」と述べた。その上で、「民生利用に関するものは影響を受けない。正常な民生貿易を行う関係者は全く心配する必要はない」と強調した。 中国による軍民両用品やレアアースを巡る輸出規制強化は、日本経済に無視できない影響を及ぼす可能性がある。野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏は、中国が輸出している軍民両用品目を幅広く捉えた場合、日本経済への影響は年間で約10.7兆円規模に達するとの試算を示している。2024年の日本の貿易統計を基に算出。さらに、レアアースに限定した影響については、2010年の経験を踏まえた試算で、輸出規制が3カ月続いた場合の経済損失は約6600億円に上り、日本の国内総生産(GDP)を0.11%押し下げる可能性がある。規制が1年間継続した場合には、損失は約2.6兆円に拡大し、GDPを0.43%程度押し下げるとの見通しだ。 規制の網は直接取引だけでなく「迂回輸出」にも及んだ。中国商務省は1月6日の声明で、「いかなる国・地域の団体および個人も、本規定に違反し、中国産の関連軍民両用物資を日本の団体および個人に移転または提供した場合、法に基づき法的責任を追及される」と明記した。第三国経由による供給にも牽制をかけた形で、企業の調達に制約が生じる可能性があるとみられる。こうした状況を受け、片山さつき財務大臣は、1月12日に米ワシントンで開催される方向で調整が進むG7(主要7カ国)に加え、重要鉱物財務相会合の協議に出席する予定。会合では、レアアースを含む重要鉱物の供給網強化が主要議題となる見通しで、産出国の参加も想定されている。片山財務大臣は、重要鉱物の供給網の安定化について「各国の経済安全保障や世界経済の安定にとって非常に重要な課題だ」との認識を示している。 ★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) ★アンカー: 杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
【移民捜査官が女性射殺】全米史上最大の抗議活動“分断加速”過剰な捜査と政権非難 米ミネソタ州ミネアポリス市で1月7日、移民・税関捜査局(ICE)の職員が不法移民の摘発中に発砲し、抗議に参加していた市民の女性が死亡する事件が発生した。連邦政府は「正当防衛」を主張する一方、州および市当局は権力乱用だとして強く反発しており、事件を巡る対立は深まっている。米AP通信によると、死亡したのはレニー・ニコル・グッドさん(37)。コロラド州生まれの米国市民で、15歳、12歳、6歳の3人の子どもを育てる母親。事件当日、グッドさんは6歳の子どもを学校に送り届けた後、帰宅途中にICEの摘発現場に遭遇したという。事件発生後、地元だけでなくニューヨークや首都ワシントン、ペンシルベニア州フィラデルフィアなど主要都市でも大規模なデモや追悼集会が相次いでいる。米日刊紙「USAトゥデイ」は1月10日、今週末にかけて全米で1000件を超える反対デモや集会が計画されていると報じた。 トランプ政権は、ICE職員による発砲は正当防衛だったとの立場を崩していない。トランプ大統領は1月7日、SNS上で「彼女は暴力的に、意図的に、そして残忍にICE捜査官をはねた。捜査官は正当防衛で撃ったようだ」と投稿し、職員の行動を擁護した。国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官も同日の声明で、死亡した女性について「終日、職員らの後をつけて妨害していた」「自分の車を武器として使い、職員をひき殺そうとした」と主張し、行為を「国内テロ」だと非難した。これに対して、地元当局は連邦政府の説明を否定している。ミネソタ州のティム・ウォルズ知事は1月7日、「これは防げたはずだ。全く不必要なことだった。全く理由もなく車の中で人が死んでいる」と述べた。また、ミネアポリス市のジェイコブ・フレイ市長は同日、「正当防衛としてごまかそうとしている。私自身も映像を確認したが、でたらめもいいところだ。捜査官の見境ない権力乱用によって市民が殺された」と述べ、ICEを厳しく批判した。 捜査を巡っても混乱が広がった。ミネソタ州犯罪捜査当局(BCA)は1月8日、当初は合同捜査を行うことで合意していた連邦捜査局(FBI)が、現場の証拠や事件資料、関係者への聴取記録へのアクセスを拒否したとして、やむを得ず捜査から撤退したと発表した。ウォルズ州知事は同日、「州が捜査に参加できなければ、公正な結果を得ることは非常に難しい。大統領から副大統領、国土安全保障長官に至るまで、明らかに虚偽で不正確なことを述べている」と連邦政府の対応を非難した。米ミネソタ州での射殺事件に続き、オレゴン州ポートランドでも連邦当局による発砲事案が発生した。1月8日、税関・国境警備局(CBP)の職員が発砲し、男女2人が負傷した。国土安全保障省は、発砲に至った経緯について説明した。それによると、ベネズエラ系ギャング組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーとみられる2人が、CBP職員に対して車を武器として使用し、危害を加えようとしたという。職員は差し迫った危険に直面し、自衛のため即座に発砲したとして、対応の正当性を強調した。一方、ポートランドのウィルソン市長(民主)は英ロイター通信に対し、「彼らの言葉をそのまま信じることができた時代もあったが、そんな時代はとうに終わった」と述べた。 スティーブン・ミラー大統領次席補佐官は、2025年5月28日に出演した米FOXニュースの番組で、ICEによる身柄拘束の目標を、それまでの1日当たり1000人から少なくとも3000人に引き上げたと明らかにしていた。ノーム国土安全保障長官も同年7月11日、英ロイター通信に寄せた声明で、「スティーブンの情熱と愛国心、そして粘り強さが、米国史上最大規模の不法移民の強制送還を実施する原動力になっている」と評価している。ICEを巡っては、発砲を伴う事案が相次いでいる。2025年7月10日にはカリフォルニア州カマリロで、農場への強制捜査中にデモ隊に対して催涙ガスや発煙筒が使用され、捜索中に建物から落下した男性が翌日死亡した。2025年10月4日にはイリノイ州シカゴで、移民取り締まり中に女性に向けて発砲し、女性は病院に搬送された。さらに1月8日には、オレゴン州ポートランドでICE職員が発砲し、男女2人が負傷して病院に運ばれた。AP通信によると、ミネアポリスでは2020年5月、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を圧迫されて死亡する事件が起きており、全米50州すべてに広がる米国史上最大規模の抗議運動に発展した。 ★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) ★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
【原油管理でベネズエラ再建】巨額投資に現実の溝“北極圏に緊張”米国領有に反発は トランプ政権によるベネズエラへの軍事作戦と政権転換は、西半球全体に大きな波紋を広げている。米国はベネズエラでマドゥロ大統領を拘束し、暫定政権の発足を主導したが、その後の国家再建をどのように進めるのかが国際社会の注目を集めている。こうした中、ルビオ米国務長官は1月7日、ベネズエラ再建に向けた「3段階計画」を明らかにした。第1段階は「安定化」で、ベネズエラ産原油を米国が販売し、その収益を管理する。将来的には、この収益をベネズエラ国民に分配する考えだとしている。第2段階は「復興」と位置づけられ、米国企業の市場参入を進めるとともに、反体制派の釈放を通じて市民社会の再建を開始するとしている。そして、第3段階が「政権移行」で、ルビオ国務長官は「最終的に国を変革するのはベネズエラ国民だ」と強調した。 この3段階計画の出発点となるのが原油の扱いであるが、政権内部からは一段と踏み込んだ発言も出ている。米エネルギー省のライト長官は、ベネズエラ産石油の販売について「米国が無期限に管理する」と明らかにした。さらに、トランプ大統領は自身のSNSで、米国との新たな原油取引で得た資金は「米国製品のみの購入に充てる」と投稿。購入対象として、米国産の農産物や医薬品のほか、ベネズエラのエネルギーインフラ再建に用いる設備などを挙げている。ベネズエラの石油事業再建を巡る協議の場では、トランプ大統領が、石油企業による投資額が少なくとも1000億ドル、日本円で約15兆8000億円に上るとの見通しを示し、「参入する企業には莫大な利益がもたらされる」と強調した。しかし、協議に参加したエクソンモービルの最高経営責任者(CEO)は、現在のベネズエラの状況では「投資は不可能だ」と指摘しており、民間企業側には慎重な姿勢も目立つ。一方、ベネズエラの石油を巡っては、海上での強硬措置も相次いでいる。 トランプ政権によると、大西洋やカリブ海で、ベネズエラ暫定政権と連携する形で石油タンカーの拿捕を進めており、9日までに計5隻を拿捕した。その中には、ロシアと関係があるとされる不審な動きを見せたタンカーも含まれている。米政府は1月7日、北大西洋上で、制裁対象となっていたロシア船籍の石油タンカー「マリネラ」を含む2隻を拿捕したと発表した。「マリネラ」はもともとガイアナ船籍の「ベラ1号」で、2025年12月に船名を変更。制裁下の石油を秘密裏に輸送する、いわゆる「影の船団」の一角として米国の制裁対象に加えられていた。英紙テレグラフによると、「ベラ1号」は2025年8月、イランを出港し、ベネズエラに向けて航行していたとされる。その後、同年12月17日に米国沿岸警備隊が拿捕を試みたが、船舶は位置信号を遮断して北東方向へ逃走。消息を絶っていた。米当局は1月1日、船名を「マリネラ」に変更した同一船舶を大西洋上で再び追跡し、1月6日には米軍がアイルランド沖で監視活動を実施。翌7日、正式な拿捕に踏み切った。米ホワイトハウスのレビット報道官は7日の記者会見で、「この船舶は制裁対象の石油を輸送していたベネズエラの影の船団の一部であり、現政権下では容認しない」と述べ、強硬姿勢を鮮明にした。これに対し、ロシア外務省は8日、「民間船舶を事実上乗っ取り、乗組員を拘束した行為は国際海事法の重大な違反だ」と反発し、深刻な懸念を表明した。米国側はその後、拘束していたロシア人船員2人を解放する方針を決定している。 ベネズエラで大統領拘束に成功したことを受け、トランプ政権は対外的圧力を盾に主導権を確保する姿勢を強めている。その矛先は西半球に位置するグリーンランドにも及び、不安と緊張が広がっている。ベネズエラで軍事作戦が行われたのと同じ1月3日、Xに星条旗で塗りつぶされたグリーンランドの地図が投稿された。投稿したのは、トランプ大統領の側近で、スティーブン・ミラー次席補佐官の妻、ケイティ・ミラー氏で、第1次トランプ政権で大統領顧問を務めた人物。投稿には「まもなく」との短い言葉が添えられていた。これに対し、デンマークは即座に反発した。4日、フレデリクセン首相は声明で、「米国に対し、歴史的に緊密な同盟国とその国民に対する脅しをやめるよう強く求める。グリーンランドの人々は、自分たちは売り物ではないと表明している」と述べた。 一方、トランプ大統領自身も、グリーンランド領有への意欲を改めて示した。9日、記者団に対し、「米国が行動しなければ、ロシアか中国にグリーンランドを支配されてしまう。デンマークとは穏便な方法で合意したいが、できなければ強硬な手段に出る」と語った。政権中枢からも強い発言が相次いでいた。5日、ミラー次席補佐官は米CNNの番組で、「グリーンランドは米国の一部であるべきだというのは、この政権の発足以来、実際にはトランプ1期目に遡る米政府の公式の立場だ」と主張し、「グリーンランドの将来をめぐって、米国と軍事的に戦おうとする国など存在しない」と言い切った。6日には、ホワイトハウスのレビット報道官が声明で、「トランプ大統領は、グリーンランドの取得が国家安全保障上の優先事項で、北極圏での敵対勢力の抑止に不可欠だと明言している」と説明した。その上で、米軍の最高指揮官である大統領にとって「軍の活用は常に選択肢の一つ」だと述べ、軍事力行使の可能性にも言及した。8日には、バンス副大統領が、「欧州の指導者に伝えたいのは、米国大統領の発言を真剣に受け止めるべきだということだ」と述べ、欧州がグリーンランドの安全保障を重視しないのであれば、「米国が何らかの対応を取らざるを得なくなる」と警告した。 こうした発言の連鎖に、デンマーク側の警戒感は一段と強まっている。フレデリクセン首相は、「米国がNATO加盟国を軍事的に攻撃することを選ぶなら、NATOを含め、第2次世界大戦終結以降に築かれてきた安全保障体制のすべてが停止することになる」と強い表現で警鐘を鳴らした。緊張の高まりを受け、マルコ・ルビオ国務長官はデンマーク側との協議に乗り出す姿勢を示している。7日、ルビオ氏は「誰が大統領であっても、国家安全保障への脅威があると判断すれば、軍事的手段で対処する選択肢を持っている。ただし、外交官として私は常に別の方法で解決することを望んでいる」と述べ、12日からの週にグリーンランドを巡ってデンマークと協議する考えを明らかにした。さらに、ホワイトハウス内部で、グリーンランド住民への一時金支給案が検討されていたことを、ロイター通信が報じた。1人当たり1万ドルから10万ドル、日本円で約158万円から約1580万円を支給する案について、政府関係者や補佐官らが協議したという。支払い総額は約60億ドル、約9470億円に達する可能性があり、デンマークからの分離を促し、将来的な米国編入を目指す狙いがあるとみられている。 ★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) ★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
■『BS朝日 日曜スクープ』2025年3月23日の放送内容は現在、公開中です。 【中国に対峙する台湾・金門島】戦跡が物語る“砲撃の記憶”防衛拠点の現実と島民生活 中国福建省の廈門(アモイ)から約5キロの距離に位置する台湾・金門島。人口は約14万人、面積は150平方キロメートルの小さな島で、基幹産業の観光と漁業で発展を遂げてきた。金門島は長年、中国との緊張関係の中で、重要な軍事拠点として機能してきた。最盛期には、約14万人が駐留していたとされる軍隊は、約3000人まで縮小されたが、現在も、島の重要な防衛を担っている。 かつては、砲撃戦が繰り広げられた歴史がある。金門島は1949年の古寧頭戦役、1958年の金門砲戦という2つの戦いの舞台となった。古寧頭戦役では、中国・人民解放軍が金門島に上陸し、蒋介石が率いる国民党軍と激しい戦闘を繰り広げた。この戦いで、国民党軍が防衛の成功を収めた。金門砲戦では、人民解放軍は、金門島に44日間で47万発超の砲弾を撃ち込んだ。島内には、防空壕、砲弾の残骸などの軍事遺構が数多く残されており、戦争の記憶を今に伝えている。 ★ナレーター:佐分千恵 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH
■『BS朝日 日曜スクープ』2024年11月17日の放送内容は現在、公開中です。 【熊谷6人殺害その後】遺族が警察の対応を問う裁判“最高裁も上告棄却”不受理の決定 「熊谷6人殺害その後」司法はまたも遺族の訴えを退けた。家族3人の命を奪われた加藤裕希さんは、当時の警察の対応を問題視して裁判を起こしていたが、最高裁が加藤さんの上告を棄却した。 事件が起きたのは2015年9月。ペルー人の男が埼玉県警の熊谷警察署から逃走し、その翌日、熊谷市内で50代の夫婦を殺害した。さらにその後の2日間で、80代の女性を殺害した後、加藤さん宅に侵入し、妻と2人の娘を殺害した。男は一審の裁判員裁判で死刑を言い渡されたものの、控訴審で減刑され無期懲役が確定している。 加藤さんが自ら起こした裁判では、最初の殺人事件が起きたときの埼玉県警の対応を問題にした。県警は熊谷署から逃走中だったペルー人の男を「参考人」として全国に手配していた。しかし、県警は男の逃走を公にせず、防災無線などを用いての注意の呼びかけもないまま、連続殺人に至った。 加藤さんは「最初の殺人事件が起きたとき、埼玉県警が『逃走犯による無差別殺人の可能性がある』と広報していれば、私も妻も警戒を強めて、犯行を防ぐことができた」と訴えた。しかし、1審、控訴審ともに、加藤さんの訴えを退けた。そして今回、最高裁も加藤さんの上告を受理せず、棄却した。 加藤さんは、最高裁が上告を受理しなかったことについて「闘う土俵にも上れず、悔しい」と話している。ご家族の3人には、「気持ちの整理がつかず、裁判の結果を報告できない」という。 ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH
■『BS朝日 日曜スクープ』2023年9月10日の放送内容は現在、公開中です。 【熊谷6人殺害国賠訴訟】上告理由書を提出“警察裁量”不当性の存否◆日曜スクープ◆ 2015年に埼玉県熊谷市で男女6人が殺害された事件で、妻と娘2人の殺害は県警の近隣住民への注意喚起が不十分として、遺族の加藤裕希さん(50)が5日、最高裁判所に上告審として受理することを求める理由書を提出した。今年6月、加藤さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求は、控訴審で棄却されていた。最高裁で上告が受理されて審理の対象となるのは2022年の場合、1.3%の狭き門だった。 訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その「予見可能性」に基づく「結果回避義務」の存否が争点となったが、東京高裁は今年6月、危険の切迫性を認めながらも、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示し、控訴を棄却していた。 加藤さん側が提出した理由書によると、埼玉県警幹部は「屋外の通り魔事件であれば1件発生しただけで連続発生を想定すべきであり、屋内事件であれば2件続けて発生しない限り連続発生を想定できない」とする、いわゆる「1件2件論」を主張する。しかし、加藤さん側は「1件2件論」は警察庁が否定しており、また、裁判例や法律文献もなく、その主張の信用性を吟味することなく、埼玉県警幹部の証言を鵜呑みにした控訴審の判決理由に不備があると訴えている。今回の理由書の提出を受けて、加藤さんは「どうにか公正な判断を司法に求めて、勝訴に向けて頑張っていければとは思います」と現在の心境を語った。 ▽埼玉・熊谷6人殺害事件 2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
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■『BS朝日 日曜スクープ』2023年8月13日の放送内容は現在、公開中です。 【玉本英子ルポ破壊された街】砲撃の連続で“民間人犠牲”戦禍の現実◆日曜スクープ◆ 遠方から砲声が鳴り響き、砲弾が降り注ぐ街で、殺戮と破壊の連鎖が続く。ジャーナリスト・玉本英子氏(アジアプレス)は、今年5月初旬にウクライナに入った。ザポリージャ州南部の戦闘地域から約7キロ離れたオリヒウ市内は、ロシア軍による砲撃と大型爆弾の投下で、住宅や学校などが無残に破壊されていた。約9割の住民が避難で街を離れたが、約200人が避難する学校を取材した玉本氏は、戦争の理不尽に耐えながら生活を余儀なくされる住民の苦難を目撃する。玉本氏が取材した翌月、ウクライナ軍は、このオリヒウを拠点に、大規模反転攻勢に着手した。また、昨年8月、玉本氏は南部ヘルソン州での取材で、ウクライナ軍の隊長と出会った。だが、今回の取材中、玉本氏に悲報が届く。激戦地バフムトに転戦した隊長は、塹壕で砲弾を受け亡くなった。ジャーナリスト・玉本英子氏は今回の取材を通じて、戦禍の日常と現実にどう向き合ったのか。ロシアの侵略により、市民が受けた痛苦と不条理を伝える。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ①】南部“最前線の街”激化するロシア砲撃◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。南部ザポリージャ州のオリヒウでは今年5月、ロシア軍による砲撃が絶え間なく続いていた。戦闘地域から7キロの“最前線の街”だ。取材の翌月には、ウクライナ軍がこのオリヒウを拠点に、反転攻勢に着手している。玉本氏が取材した時点でも、学校や住宅など、至るところに砲撃の跡があり、高齢者ら、避難できなかった住民が、数少ない残った建物に身を寄せていた。そこで住民たちが祈っていたことは…。さらに玉本氏は、複数のウクライナ軍の検問所を通過し、戦闘地域により近いマラ・トクマチカにも向かった。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ②】ヘルソン州“奪還”後も苦難…庭に砲弾◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ヘルソン州のドニプロ川西岸からロシア軍が撤退したのは去年11月。玉本氏は今年5月にヘルソン市内を訪れたが、ロシア軍からの砲撃が続き、市内の人影は少ない。玉本氏は、ロシア軍撤退前の去年8月、ヘルソン市郊外の集落を取材しており、今年6月に再訪すると、避難していた住民の一部が帰還していた。しかし、庭先には砲弾が残り、電気や水道などのインフラも復旧はこれからだ。さらに、取材中の玉本氏に悲報が届いた。去年8月の取材を受け入れたウクライナ軍の隊長が激戦地バフムトに転戦し、戦死したのだ…。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ③】集合住宅まで崩壊…起きなかった奇跡◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ウクライナ中部の都市ウマニは今年4月末、集合住宅がロシア軍のミサイル攻撃を受けて崩落した。午前4時の攻撃で、子ども6人を含む23人が命を奪われている。その翌月、玉本氏が現地を訪れると、犠牲者23人の写真が掲げられ、多くの子どもたちが友達の写真を見つめていた。6階に住んでいたヘレナさん(53)は、娘夫婦と暮らしていたと言う。ヘレナさんは、別の部屋で寝ていた娘夫婦の無事を祈り、奇跡を願ったのだが…。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH
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【中国レアアース規制か】軍民両用品7品目で“輸出管理の厳格化”産業に打撃懸念は
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は1月8日、中国が日本向けのレアアース輸出規制を強化した可能性を報じた。中国の輸出業者や中国政府の決定に詳しい関係者の話として、日本に対し一部のレアアースや強力な磁石の輸出規制がすでに始まったと伝えている。同紙によると、中国当局は日本向け輸出について、必要とされる許可申請の審査を停止したという。この措置は日本産業全体に及んでいると関係者は説明している。規制強化の対象とみられているのは、いわゆる「ヘビーレアアース」と称される7品目。具体的には、サマリウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、テルビウム、ルテチウム、イットリウム、スカンジウムが含まれるとされる。医療用MRI、航空機の翼の制御システム、映画や印刷向けの光源、特殊ガラスやセラミックスの製造など、工業、医療、電子機器分野に幅広く使用されている。この7品目は、中国商務省の2026年度版「軍民両用品リスト」に掲載されている。これらの品目は、昨年4月、トランプ政権による関税措置への報復として、中国が輸出管理を強化した対象のものとされている。
中国商務省は1月6日、日本への輸出管理を厳格化すると発表した。その理由について「国家の安全と利益を守り、拡散防止などの国際的義務を果たすため」と説明、中国側はあわせて、今回の措置の背景として、日本の指導者が台湾情勢を巡り「誤った発言」を公然と行い、台湾海峡問題への武力介入の可能性を暗に示したと主張した。さらに1月8日、商務省の何亜東報道官は、規制強化の狙いについて「日本の再軍事化や核保有の企みを阻止することにある」と述べた。その上で、「民生利用に関するものは影響を受けない。正常な民生貿易を行う関係者は全く心配する必要はない」と強調した。
中国による軍民両用品やレアアースを巡る輸出規制強化は、日本経済に無視できない影響を及ぼす可能性がある。野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏は、中国が輸出している軍民両用品目を幅広く捉えた場合、日本経済への影響は年間で約10.7兆円規模に達するとの試算を示している。2024年の日本の貿易統計を基に算出。さらに、レアアースに限定した影響については、2010年の経験を踏まえた試算で、輸出規制が3カ月続いた場合の経済損失は約6600億円に上り、日本の国内総生産(GDP)を0.11%押し下げる可能性がある。規制が1年間継続した場合には、損失は約2.6兆円に拡大し、GDPを0.43%程度押し下げるとの見通しだ。
規制の網は直接取引だけでなく「迂回輸出」にも及んだ。中国商務省は1月6日の声明で、「いかなる国・地域の団体および個人も、本規定に違反し、中国産の関連軍民両用物資を日本の団体および個人に移転または提供した場合、法に基づき法的責任を追及される」と明記した。第三国経由による供給にも牽制をかけた形で、企業の調達に制約が生じる可能性があるとみられる。こうした状況を受け、片山さつき財務大臣は、1月12日に米ワシントンで開催される方向で調整が進むG7(主要7カ国)に加え、重要鉱物財務相会合の協議に出席する予定。会合では、レアアースを含む重要鉱物の供給網強化が主要議題となる見通しで、産出国の参加も想定されている。片山財務大臣は、重要鉱物の供給網の安定化について「各国の経済安全保障や世界経済の安定にとって非常に重要な課題だ」との認識を示している。
★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)
★アンカー: 杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)
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【移民捜査官が女性射殺】全米史上最大の抗議活動“分断加速”過剰な捜査と政権非難
米ミネソタ州ミネアポリス市で1月7日、移民・税関捜査局(ICE)の職員が不法移民の摘発中に発砲し、抗議に参加していた市民の女性が死亡する事件が発生した。連邦政府は「正当防衛」を主張する一方、州および市当局は権力乱用だとして強く反発しており、事件を巡る対立は深まっている。米AP通信によると、死亡したのはレニー・ニコル・グッドさん(37)。コロラド州生まれの米国市民で、15歳、12歳、6歳の3人の子どもを育てる母親。事件当日、グッドさんは6歳の子どもを学校に送り届けた後、帰宅途中にICEの摘発現場に遭遇したという。事件発生後、地元だけでなくニューヨークや首都ワシントン、ペンシルベニア州フィラデルフィアなど主要都市でも大規模なデモや追悼集会が相次いでいる。米日刊紙「USAトゥデイ」は1月10日、今週末にかけて全米で1000件を超える反対デモや集会が計画されていると報じた。
トランプ政権は、ICE職員による発砲は正当防衛だったとの立場を崩していない。トランプ大統領は1月7日、SNS上で「彼女は暴力的に、意図的に、そして残忍にICE捜査官をはねた。捜査官は正当防衛で撃ったようだ」と投稿し、職員の行動を擁護した。国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官も同日の声明で、死亡した女性について「終日、職員らの後をつけて妨害していた」「自分の車を武器として使い、職員をひき殺そうとした」と主張し、行為を「国内テロ」だと非難した。これに対して、地元当局は連邦政府の説明を否定している。ミネソタ州のティム・ウォルズ知事は1月7日、「これは防げたはずだ。全く不必要なことだった。全く理由もなく車の中で人が死んでいる」と述べた。また、ミネアポリス市のジェイコブ・フレイ市長は同日、「正当防衛としてごまかそうとしている。私自身も映像を確認したが、でたらめもいいところだ。捜査官の見境ない権力乱用によって市民が殺された」と述べ、ICEを厳しく批判した。
捜査を巡っても混乱が広がった。ミネソタ州犯罪捜査当局(BCA)は1月8日、当初は合同捜査を行うことで合意していた連邦捜査局(FBI)が、現場の証拠や事件資料、関係者への聴取記録へのアクセスを拒否したとして、やむを得ず捜査から撤退したと発表した。ウォルズ州知事は同日、「州が捜査に参加できなければ、公正な結果を得ることは非常に難しい。大統領から副大統領、国土安全保障長官に至るまで、明らかに虚偽で不正確なことを述べている」と連邦政府の対応を非難した。米ミネソタ州での射殺事件に続き、オレゴン州ポートランドでも連邦当局による発砲事案が発生した。1月8日、税関・国境警備局(CBP)の職員が発砲し、男女2人が負傷した。国土安全保障省は、発砲に至った経緯について説明した。それによると、ベネズエラ系ギャング組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーとみられる2人が、CBP職員に対して車を武器として使用し、危害を加えようとしたという。職員は差し迫った危険に直面し、自衛のため即座に発砲したとして、対応の正当性を強調した。一方、ポートランドのウィルソン市長(民主)は英ロイター通信に対し、「彼らの言葉をそのまま信じることができた時代もあったが、そんな時代はとうに終わった」と述べた。
スティーブン・ミラー大統領次席補佐官は、2025年5月28日に出演した米FOXニュースの番組で、ICEによる身柄拘束の目標を、それまでの1日当たり1000人から少なくとも3000人に引き上げたと明らかにしていた。ノーム国土安全保障長官も同年7月11日、英ロイター通信に寄せた声明で、「スティーブンの情熱と愛国心、そして粘り強さが、米国史上最大規模の不法移民の強制送還を実施する原動力になっている」と評価している。ICEを巡っては、発砲を伴う事案が相次いでいる。2025年7月10日にはカリフォルニア州カマリロで、農場への強制捜査中にデモ隊に対して催涙ガスや発煙筒が使用され、捜索中に建物から落下した男性が翌日死亡した。2025年10月4日にはイリノイ州シカゴで、移民取り締まり中に女性に向けて発砲し、女性は病院に搬送された。さらに1月8日には、オレゴン州ポートランドでICE職員が発砲し、男女2人が負傷して病院に運ばれた。AP通信によると、ミネアポリスでは2020年5月、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を圧迫されて死亡する事件が起きており、全米50州すべてに広がる米国史上最大規模の抗議運動に発展した。
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【原油管理でベネズエラ再建】巨額投資に現実の溝“北極圏に緊張”米国領有に反発は
トランプ政権によるベネズエラへの軍事作戦と政権転換は、西半球全体に大きな波紋を広げている。米国はベネズエラでマドゥロ大統領を拘束し、暫定政権の発足を主導したが、その後の国家再建をどのように進めるのかが国際社会の注目を集めている。こうした中、ルビオ米国務長官は1月7日、ベネズエラ再建に向けた「3段階計画」を明らかにした。第1段階は「安定化」で、ベネズエラ産原油を米国が販売し、その収益を管理する。将来的には、この収益をベネズエラ国民に分配する考えだとしている。第2段階は「復興」と位置づけられ、米国企業の市場参入を進めるとともに、反体制派の釈放を通じて市民社会の再建を開始するとしている。そして、第3段階が「政権移行」で、ルビオ国務長官は「最終的に国を変革するのはベネズエラ国民だ」と強調した。
この3段階計画の出発点となるのが原油の扱いであるが、政権内部からは一段と踏み込んだ発言も出ている。米エネルギー省のライト長官は、ベネズエラ産石油の販売について「米国が無期限に管理する」と明らかにした。さらに、トランプ大統領は自身のSNSで、米国との新たな原油取引で得た資金は「米国製品のみの購入に充てる」と投稿。購入対象として、米国産の農産物や医薬品のほか、ベネズエラのエネルギーインフラ再建に用いる設備などを挙げている。ベネズエラの石油事業再建を巡る協議の場では、トランプ大統領が、石油企業による投資額が少なくとも1000億ドル、日本円で約15兆8000億円に上るとの見通しを示し、「参入する企業には莫大な利益がもたらされる」と強調した。しかし、協議に参加したエクソンモービルの最高経営責任者(CEO)は、現在のベネズエラの状況では「投資は不可能だ」と指摘しており、民間企業側には慎重な姿勢も目立つ。一方、ベネズエラの石油を巡っては、海上での強硬措置も相次いでいる。
トランプ政権によると、大西洋やカリブ海で、ベネズエラ暫定政権と連携する形で石油タンカーの拿捕を進めており、9日までに計5隻を拿捕した。その中には、ロシアと関係があるとされる不審な動きを見せたタンカーも含まれている。米政府は1月7日、北大西洋上で、制裁対象となっていたロシア船籍の石油タンカー「マリネラ」を含む2隻を拿捕したと発表した。「マリネラ」はもともとガイアナ船籍の「ベラ1号」で、2025年12月に船名を変更。制裁下の石油を秘密裏に輸送する、いわゆる「影の船団」の一角として米国の制裁対象に加えられていた。英紙テレグラフによると、「ベラ1号」は2025年8月、イランを出港し、ベネズエラに向けて航行していたとされる。その後、同年12月17日に米国沿岸警備隊が拿捕を試みたが、船舶は位置信号を遮断して北東方向へ逃走。消息を絶っていた。米当局は1月1日、船名を「マリネラ」に変更した同一船舶を大西洋上で再び追跡し、1月6日には米軍がアイルランド沖で監視活動を実施。翌7日、正式な拿捕に踏み切った。米ホワイトハウスのレビット報道官は7日の記者会見で、「この船舶は制裁対象の石油を輸送していたベネズエラの影の船団の一部であり、現政権下では容認しない」と述べ、強硬姿勢を鮮明にした。これに対し、ロシア外務省は8日、「民間船舶を事実上乗っ取り、乗組員を拘束した行為は国際海事法の重大な違反だ」と反発し、深刻な懸念を表明した。米国側はその後、拘束していたロシア人船員2人を解放する方針を決定している。
ベネズエラで大統領拘束に成功したことを受け、トランプ政権は対外的圧力を盾に主導権を確保する姿勢を強めている。その矛先は西半球に位置するグリーンランドにも及び、不安と緊張が広がっている。ベネズエラで軍事作戦が行われたのと同じ1月3日、Xに星条旗で塗りつぶされたグリーンランドの地図が投稿された。投稿したのは、トランプ大統領の側近で、スティーブン・ミラー次席補佐官の妻、ケイティ・ミラー氏で、第1次トランプ政権で大統領顧問を務めた人物。投稿には「まもなく」との短い言葉が添えられていた。これに対し、デンマークは即座に反発した。4日、フレデリクセン首相は声明で、「米国に対し、歴史的に緊密な同盟国とその国民に対する脅しをやめるよう強く求める。グリーンランドの人々は、自分たちは売り物ではないと表明している」と述べた。
一方、トランプ大統領自身も、グリーンランド領有への意欲を改めて示した。9日、記者団に対し、「米国が行動しなければ、ロシアか中国にグリーンランドを支配されてしまう。デンマークとは穏便な方法で合意したいが、できなければ強硬な手段に出る」と語った。政権中枢からも強い発言が相次いでいた。5日、ミラー次席補佐官は米CNNの番組で、「グリーンランドは米国の一部であるべきだというのは、この政権の発足以来、実際にはトランプ1期目に遡る米政府の公式の立場だ」と主張し、「グリーンランドの将来をめぐって、米国と軍事的に戦おうとする国など存在しない」と言い切った。6日には、ホワイトハウスのレビット報道官が声明で、「トランプ大統領は、グリーンランドの取得が国家安全保障上の優先事項で、北極圏での敵対勢力の抑止に不可欠だと明言している」と説明した。その上で、米軍の最高指揮官である大統領にとって「軍の活用は常に選択肢の一つ」だと述べ、軍事力行使の可能性にも言及した。8日には、バンス副大統領が、「欧州の指導者に伝えたいのは、米国大統領の発言を真剣に受け止めるべきだということだ」と述べ、欧州がグリーンランドの安全保障を重視しないのであれば、「米国が何らかの対応を取らざるを得なくなる」と警告した。
こうした発言の連鎖に、デンマーク側の警戒感は一段と強まっている。フレデリクセン首相は、「米国がNATO加盟国を軍事的に攻撃することを選ぶなら、NATOを含め、第2次世界大戦終結以降に築かれてきた安全保障体制のすべてが停止することになる」と強い表現で警鐘を鳴らした。緊張の高まりを受け、マルコ・ルビオ国務長官はデンマーク側との協議に乗り出す姿勢を示している。7日、ルビオ氏は「誰が大統領であっても、国家安全保障への脅威があると判断すれば、軍事的手段で対処する選択肢を持っている。ただし、外交官として私は常に別の方法で解決することを望んでいる」と述べ、12日からの週にグリーンランドを巡ってデンマークと協議する考えを明らかにした。さらに、ホワイトハウス内部で、グリーンランド住民への一時金支給案が検討されていたことを、ロイター通信が報じた。1人当たり1万ドルから10万ドル、日本円で約158万円から約1580万円を支給する案について、政府関係者や補佐官らが協議したという。支払い総額は約60億ドル、約9470億円に達する可能性があり、デンマークからの分離を促し、将来的な米国編入を目指す狙いがあるとみられている。
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【中国に対峙する台湾・金門島】戦跡が物語る“砲撃の記憶”防衛拠点の現実と島民生活
中国福建省の廈門(アモイ)から約5キロの距離に位置する台湾・金門島。人口は約14万人、面積は150平方キロメートルの小さな島で、基幹産業の観光と漁業で発展を遂げてきた。金門島は長年、中国との緊張関係の中で、重要な軍事拠点として機能してきた。最盛期には、約14万人が駐留していたとされる軍隊は、約3000人まで縮小されたが、現在も、島の重要な防衛を担っている。
かつては、砲撃戦が繰り広げられた歴史がある。金門島は1949年の古寧頭戦役、1958年の金門砲戦という2つの戦いの舞台となった。古寧頭戦役では、中国・人民解放軍が金門島に上陸し、蒋介石が率いる国民党軍と激しい戦闘を繰り広げた。この戦いで、国民党軍が防衛の成功を収めた。金門砲戦では、人民解放軍は、金門島に44日間で47万発超の砲弾を撃ち込んだ。島内には、防空壕、砲弾の残骸などの軍事遺構が数多く残されており、戦争の記憶を今に伝えている。
★ナレーター:佐分千恵
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【熊谷6人殺害その後】遺族が警察の対応を問う裁判“最高裁も上告棄却”不受理の決定
「熊谷6人殺害その後」司法はまたも遺族の訴えを退けた。家族3人の命を奪われた加藤裕希さんは、当時の警察の対応を問題視して裁判を起こしていたが、最高裁が加藤さんの上告を棄却した。
事件が起きたのは2015年9月。ペルー人の男が埼玉県警の熊谷警察署から逃走し、その翌日、熊谷市内で50代の夫婦を殺害した。さらにその後の2日間で、80代の女性を殺害した後、加藤さん宅に侵入し、妻と2人の娘を殺害した。男は一審の裁判員裁判で死刑を言い渡されたものの、控訴審で減刑され無期懲役が確定している。
加藤さんが自ら起こした裁判では、最初の殺人事件が起きたときの埼玉県警の対応を問題にした。県警は熊谷署から逃走中だったペルー人の男を「参考人」として全国に手配していた。しかし、県警は男の逃走を公にせず、防災無線などを用いての注意の呼びかけもないまま、連続殺人に至った。
加藤さんは「最初の殺人事件が起きたとき、埼玉県警が『逃走犯による無差別殺人の可能性がある』と広報していれば、私も妻も警戒を強めて、犯行を防ぐことができた」と訴えた。しかし、1審、控訴審ともに、加藤さんの訴えを退けた。そして今回、最高裁も加藤さんの上告を受理せず、棄却した。
加藤さんは、最高裁が上告を受理しなかったことについて「闘う土俵にも上れず、悔しい」と話している。ご家族の3人には、「気持ちの整理がつかず、裁判の結果を報告できない」という。
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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【熊谷6人殺害国賠訴訟】上告理由書を提出“警察裁量”不当性の存否◆日曜スクープ◆
2015年に埼玉県熊谷市で男女6人が殺害された事件で、妻と娘2人の殺害は県警の近隣住民への注意喚起が不十分として、遺族の加藤裕希さん(50)が5日、最高裁判所に上告審として受理することを求める理由書を提出した。今年6月、加藤さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求は、控訴審で棄却されていた。最高裁で上告が受理されて審理の対象となるのは2022年の場合、1.3%の狭き門だった。
訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その「予見可能性」に基づく「結果回避義務」の存否が争点となったが、東京高裁は今年6月、危険の切迫性を認めながらも、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示し、控訴を棄却していた。
加藤さん側が提出した理由書によると、埼玉県警幹部は「屋外の通り魔事件であれば1件発生しただけで連続発生を想定すべきであり、屋内事件であれば2件続けて発生しない限り連続発生を想定できない」とする、いわゆる「1件2件論」を主張する。しかし、加藤さん側は「1件2件論」は警察庁が否定しており、また、裁判例や法律文献もなく、その主張の信用性を吟味することなく、埼玉県警幹部の証言を鵜呑みにした控訴審の判決理由に不備があると訴えている。今回の理由書の提出を受けて、加藤さんは「どうにか公正な判断を司法に求めて、勝訴に向けて頑張っていければとは思います」と現在の心境を語った。
▽埼玉・熊谷6人殺害事件
2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
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【玉本英子ルポ破壊された街】砲撃の連続で“民間人犠牲”戦禍の現実◆日曜スクープ◆
遠方から砲声が鳴り響き、砲弾が降り注ぐ街で、殺戮と破壊の連鎖が続く。ジャーナリスト・玉本英子氏(アジアプレス)は、今年5月初旬にウクライナに入った。ザポリージャ州南部の戦闘地域から約7キロ離れたオリヒウ市内は、ロシア軍による砲撃と大型爆弾の投下で、住宅や学校などが無残に破壊されていた。約9割の住民が避難で街を離れたが、約200人が避難する学校を取材した玉本氏は、戦争の理不尽に耐えながら生活を余儀なくされる住民の苦難を目撃する。玉本氏が取材した翌月、ウクライナ軍は、このオリヒウを拠点に、大規模反転攻勢に着手した。また、昨年8月、玉本氏は南部ヘルソン州での取材で、ウクライナ軍の隊長と出会った。だが、今回の取材中、玉本氏に悲報が届く。激戦地バフムトに転戦した隊長は、塹壕で砲弾を受け亡くなった。ジャーナリスト・玉本英子氏は今回の取材を通じて、戦禍の日常と現実にどう向き合ったのか。ロシアの侵略により、市民が受けた痛苦と不条理を伝える。
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【ウクライナ玉本英子ルポ①】南部“最前線の街”激化するロシア砲撃◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。南部ザポリージャ州のオリヒウでは今年5月、ロシア軍による砲撃が絶え間なく続いていた。戦闘地域から7キロの“最前線の街”だ。取材の翌月には、ウクライナ軍がこのオリヒウを拠点に、反転攻勢に着手している。玉本氏が取材した時点でも、学校や住宅など、至るところに砲撃の跡があり、高齢者ら、避難できなかった住民が、数少ない残った建物に身を寄せていた。そこで住民たちが祈っていたことは…。さらに玉本氏は、複数のウクライナ軍の検問所を通過し、戦闘地域により近いマラ・トクマチカにも向かった。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
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【ウクライナ玉本英子ルポ②】ヘルソン州“奪還”後も苦難…庭に砲弾◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ヘルソン州のドニプロ川西岸からロシア軍が撤退したのは去年11月。玉本氏は今年5月にヘルソン市内を訪れたが、ロシア軍からの砲撃が続き、市内の人影は少ない。玉本氏は、ロシア軍撤退前の去年8月、ヘルソン市郊外の集落を取材しており、今年6月に再訪すると、避難していた住民の一部が帰還していた。しかし、庭先には砲弾が残り、電気や水道などのインフラも復旧はこれからだ。さらに、取材中の玉本氏に悲報が届いた。去年8月の取材を受け入れたウクライナ軍の隊長が激戦地バフムトに転戦し、戦死したのだ…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ③】集合住宅まで崩壊…起きなかった奇跡◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ウクライナ中部の都市ウマニは今年4月末、集合住宅がロシア軍のミサイル攻撃を受けて崩落した。午前4時の攻撃で、子ども6人を含む23人が命を奪われている。その翌月、玉本氏が現地を訪れると、犠牲者23人の写真が掲げられ、多くの子どもたちが友達の写真を見つめていた。6階に住んでいたヘレナさん(53)は、娘夫婦と暮らしていたと言う。ヘレナさんは、別の部屋で寝ていた娘夫婦の無事を祈り、奇跡を願ったのだが…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
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