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『BS朝日 日曜スクープ』放送内容を動画公開します。 生放送でお伝えするニュース解説を放送終了後、ネットで動画公開します。 もう一度、ご覧になりたい方、見逃してしまった方、是非ともご利用ください。
■『BS朝日 日曜スクープ』1月18日の放送内容は現在、公開中です。 【冒頭解散と重鎮引退】新年度内の予算成立困難“雪対応と超短期決戦”決断の舞台裏 次期衆議院選挙を前に、与野党を代表する重鎮政治家が相次いで不出馬を表明した。長年、日本政治の権力で政策の中枢を担ってきた顔ぶれの決断は、政界に時代の区切りを印象づけた。出馬を見送る意向を明らかにしたのは、菅義偉元総理(77)。2020年9月から2021年10月まで内閣総理大臣を務め、その前には、官房長官として7年8か月在任し、その日数は歴代最長を記録した。官房長官時代には、「令和」への改元を発表したほか、「ふるさと納税」制度の創設を主導。総理在任中は、新型コロナウイルス対応の陣頭指揮を執った。政権中枢を支え続けた実力者の不出馬は、自民党内外に波紋を広げている。自民党の重鎮、遠藤利明元総務会長(76)も、次期衆院選に立候補しない意向を示した。当選10回を数えるベテランで、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣を務めたほか、自民党総務会長として党運営の要を担ってきた。野党側でも、長年の顔が一線を退く。日本共産党の志位和夫議長(71)は、次期衆院選への不出馬を表明した。志位氏は2000年11月から2024年1月まで同党委員長を務め、在任中、国会で17人の総理大臣と論戦を交わしてきた。長期政権下でも政権批判の論客として存在感を放ち、共産党の「顔」として国内外に知られてきた。 高市総理が衆議院解散に踏み切れば、その政治判断は戦後日本政治の中でも、際立って異例なものとなる。最大の特徴は、通常国会の冒頭で解散が行われる可能性にあり、これは1966年、佐藤栄作政権下で行われた、いわゆる「黒い霧解散」以来、60年ぶりとなる。さらに、仮に2月投開票となれば、いわゆる「真冬の総選挙」となる。これは1990年2月、海部俊樹政権下で行われた「消費税解散」以来36年ぶりとなる。豪雪地帯を中心に、選挙運動や投票行動への影響が懸念される。1月23日解散となれば、衆議院議員の在職日数は454日で、憲法7条に基づく解散としては戦後最短水準となる。戦後、短期間で解散に踏み切った例としては、1953年の「バカヤロー解散」(吉田茂総理・在職165日)、1980年の「ハプニング解散」(大平正芳総理・在職226日)が知られている。 高市総理が23日召集の通常国会での衆院解散を与党幹部に伝達する中、超短期決戦になる見通しの総選挙に向けて、全国の選挙管理委員会では、急ピッチに準備が進められている。選挙の最前線ではすでに深刻な混乱が生じており、「真冬の選挙」「超短期決戦」という二重の異例が、自治体の選挙事務を直撃している。朝日新聞によると、豪雪地帯では、選挙準備そのものが困難な状況。新潟県魚沼市では、ポスター掲示場が雪に埋まる恐れがあり、市の選挙管理委員会では、市内223カ所すべての設置場所について、積雪状況の確認作業に追われている。市選管では、「道路状況も心配で、厳しいとしか言いようがない。雪が山積みになっているため、街頭演説が成り立たない」と悲鳴を上げる。1月10日、総務省は全国の都道府県選挙管理委員会に対し、「至急の連絡です」として、選挙準備を進めるよう通達した。文書では、「衆議院議員総選挙については、報道以上の情報はありませんが、準備を進めておく必要があります」と記されており、正式な解散表明がないまま、現場は事実上の“臨戦態勢”に入った。福島県選挙管理委員会では、担当者が「尋常じゃない忙しさだ」と語り、3種類の投票用紙を県内59市区町村に配布しなければならない差し迫った状況となった。 高市総理による電撃解散の動きを受け、野党各党からは一斉に厳しい批判の声が上がった。立憲の野田佳彦代表は1月16日、「党の幹部と相談した節もなく、自己中心的にしか見えない」と批判。公明の斉藤鉄夫代表は14日、「国民生活をないがしろにした大義なき解散だ」と指摘。国民民主の玉木雄一郎代表は13日、「経済を後回し解散と言わざるを得ない」と述べ、選挙を優先した点を問題視した。れいわ新選組の山本太郎代表は15日、国民生活を無視した解散、強い言葉で政権の姿勢を非難した。日本共産党の田村智子委員長は15日、「国民の参政権を侵害するものだ」と述べ、参政党の神谷宗幣代表は14日、「急すぎる解散だと受け止めている」と語った。日本保守党の百田尚樹代表は14日、「今やれば自民党が勝てる、それだけではないか」と述べ、解散の動機が選挙事情にあるとの見方を示した。社会民主党の福島瑞穂党首は14日、「支持率が高いうちに行う自己都合の解散」と批判。チームみらいの安野貴博党首は14日、「率直に、なぜ今なのかという点に疑問を持つ」と述べ、解散の必然性に疑義を呈した。 高市政権が衆議院解散に踏み切った場合、日本は1年4カ月で3度目となる国政選挙に突入することになる。直近では、2024年10月27日に衆議院選挙、2025年7月20日に参議院選挙が実施された。一方で、電撃解散による影響に対する懸念も指摘されており、2026年度予算の年度内成立が困難になるとの見方も強まっている。政府・与党内で想定されている最短シナリオでは、2026年1月23日(金)に通常国会を召集し、その冒頭で衆議院を解散。2月上中旬に衆院選の投開票が行われる可能性がある。選挙後、新たな衆議院で予算案の審議に入ったとしても、参議院での審議日程を含めると、3月31日までに予算を成立させるのは極めて厳しいとの指摘が相次ぐ。本予算が年度開始前に成立しない場合、政府は暫定予算を組むことになる。社会保障費や公務員の人件費など、最低限の支出は確保される一方、政策は大きく制約される可能性がある。こうした事態となれば、政府が掲げる国民負担軽減策にも影響が及ぶ。木原官房長官は1月15日の会見で、「すでに昨年末に成立した令和7年度補正予算を早期に執行することで、国民生活や経済への影響が出ないよう対応してきた。今後も影響が出ないようにしたい」と述べ、影響回避に万全を期す考えを強調した。 高市総理が衆議院を解散する意向を固め舞台裏には、周到な情勢判断と限られた側近による意思決定があった。一方で、党内には不満も燻っている。昨年12月17日、高市総理は、「目の前でやらなければいけないことが山ほど控えている。(解散を)考えている暇がございません」と述べ、解散観測を明確に否定していた。年が明けた1月5日の年頭記者会見で、記者団から解散について問われた際も、「補正予算の早期執行を各大臣に指示している。目の前の課題に懸命に取り組んでいるところだ」と語り、解散には言及しなかった。1月9日には、解散を視野に入れた読売新聞が放った政局報道が一斉に広がり、政界に緊張が走った。しかし、その裏側では、政局をにらんだ動きが静かに進んでいた。1月13日午後、自民党本部では、鈴木俊一幹事長と古屋圭司選対委員長が、各選挙区の情勢分析を進めていた。そこに木原稔官房長官が加わり、「短期決戦の方が良い」との認識で3人の意見は一致したという。1月14日、高市総理は自民党の鈴木幹事長、日本維新の会の吉村洋文代表らと相次いで会談し、通常国会の早い段階で衆議院を解散する意向を正式に伝えた。一方で、党内の重鎮への根回しは十分とは言えなかった。時事通信によると、麻生太郎党副総裁や鈴木幹事長に対し、総理から事前の相談がなかったとの見方も伝えられている。 ★ゲスト:林尚行(朝日新聞コンテンツ政策担当補佐役)、佐藤千矢子(毎日新聞専門編集委員) ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
【立憲と公明が新党】衆院選の構図変化は?“食料品消費税ゼロ”自維が時限的で検討 立憲民主と公明が、新党「中道改革連合」を結成するという異例の決断に踏み切り、解散総選挙の構図は一変しつつある。野田佳彦・立憲民主党代表と斉藤鉄夫・公明党代表は1月16日に記者会見を開き、中道勢力の結集を掲げて、新党「中道改革連合」の結党を発表した。新党の枠組みは、衆議院議員は両党を離党し、新党に参加。参議院議員および地方議員は当面、各党に残留する。公明は小選挙区から撤退し、比例代表に専念、新党候補を支援する。綱領および基本政策は19日に公表を予定している。野田代表は会見で、「中道改革とは、生活者の視点に立ち、「生活者ファースト」で現実的な政策を打ち出すことと強調。斉藤代表も「日本経済の安定と平和を守ることこそが中道」と述べた。会見では消費税にも踏み込んだ言及があった。野田代表は、「政策の一つとして消費税減税を入れたい。立憲は食料品のゼロ税率を主張してきた。公明党も消費税減税を訴えてきた。赤字国債に頼らず、新たな財源も提示する」と述べており、食料品消費税ゼロを政策として盛り込む。政権幹部によると、高市総理が衆院選公約に、食料品の消費税を時限的に0%とする案を盛り込むことを検討しているという。 次期衆議院選挙に向け、各党が消費税のあり方について相次いで見解を示し、各党のスタンスの相違が鮮明となった。国民民主党は消費税について、「一律5%への引き下げ」を掲げる。れいわ新選組は、「消費税廃止」を訴える。日本共産党は、「一律5%減税そして廃止」。参政党は、「消費税廃止を訴える」と主張する。日本保守党は、「食料品の消費税を恒久的にゼロ」にすべきだと訴える。社会民主党は、「消費税はゼロ」との立場を示した。また、チームみらいは、昨年7月の参院選においては、「消費税減税に慎重になるべき」と掲げていた。 新党結成が選挙結果に与える影響は小さくない。時事通信が2024年衆院選の結果を基に行った試算では、「各選挙区で公明支持層の約1万票が自民党候補から立憲候補に流れた場合、35選挙区で当落が逆転し、自民97議席、立憲139議席となる」とされ、比例を含めて、立憲民主が比較第1党となる可能性が示された。自民党内からは警戒感が広がる。同党の小野寺五典税制調査会長は、「これまで公明党と協力して選挙を戦ってきた。逆の形の対応になれば、激戦区・接戦区で少なからず影響はある」と語った。党中堅議員からは「公明票が流れれば、焼け野原になるかもしれない」との声も漏れる。自民党内の不安に対して、麻生太郎副総裁は、「選挙に弱いやつは色々言う。『どっかとどっかが一緒になったからどっかが減る』とかは、かすみを食っているような話で、選挙に強いやつはそういうことをあてにしないで選挙している」と語った。 一方、新党結成には立憲民主党内からも反発が出ている。原口一博衆院議員はXで、「党員資格を一方的に剥奪できるのか。そんな党に誰が入るのか」と批判。また、党創設者であり、元代表の枝野幸男衆院議員も、「立憲民主党という名前にも、これまでの歩みに愛着と誇りがある」と複雑な思いを綴りつつ、「政治家としての責任を果たすため、最大限の挑戦に向き合う」と新党に前向きに参加する胸中を明かした。合流を呼びかけられた国民民主の玉木雄一郎代表は、「与党と野党に分かれていた政党が一緒になるが、その結集軸が極めてあいまいだ」と疑問を呈し、新党には参加しない方針を示した。 安全保障政策では、立憲が「違憲部分の廃止」を掲げる一方、2026年春に新たな見解を示す方針を示しており、主張の修正を視野に入れている。これに対し、公明は2015年の安保法制成立を推進した立場だった。原発政策でも、立憲は「原発ゼロ社会」を掲げる一方、公明は「地元理解を前提に再稼働を容認」としており、政策の隔たりは小さくない。新党がどこまで整合性を保てるかが問われる。新党結成をめぐっては、1994年の新進党との類似性も指摘されている。当時、公明党は「分党・二段階方式」を採り、新進党合流と独自活動に分かれた経緯がある。一方、斉藤代表は、「自民党と全面対決する党を作るつもりはない。第2新進党を目指すものではない」と強調した。
各党の目標も明らかになっている。自民は「与党で最低限、過半数確保」を掲げる。新党「中道改革連合」は約200人を擁立し、比較第1党を目指す。日本維新の会は前回(38議席)より議席増を狙い、国民民主は100人擁立で51議席を目標とした。れいわ新選組は前回並みの35人を擁立を目指す。共産党は全ての比例ブロックの議席獲得と議席増を掲げている。参政党は100人以上の擁立で30議席を目標、日本保守党は最低でも6議席、社民は「複数の衆院議員をつくる」と訴え、チームみらいは5議席以上を掲げる。ANNの世論調査では内閣支持率63.0%に対し、自民党支持率は36.7%と乖離が目立つ。 ★ゲスト:林尚行(朝日新聞コンテンツ政策担当補佐役)、佐藤千矢子(毎日新聞専門編集委員) ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
■『BS朝日 日曜スクープ』1月11日の放送内容は現在、公開中です。 【中国レアアース規制か】軍民両用品7品目で“輸出管理の厳格化”産業に打撃懸念は 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は1月8日、中国が日本向けのレアアース輸出規制を強化した可能性を報じた。中国の輸出業者や中国政府の決定に詳しい関係者の話として、日本に対し一部のレアアースや強力な磁石の輸出規制がすでに始まったと伝えている。同紙によると、中国当局は日本向け輸出について、必要とされる許可申請の審査を停止したという。この措置は日本産業全体に及んでいると関係者は説明している。規制強化の対象とみられているのは、いわゆる「ヘビーレアアース」と称される7品目。具体的には、サマリウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、テルビウム、ルテチウム、イットリウム、スカンジウムが含まれるとされる。医療用MRI、航空機の翼の制御システム、映画や印刷向けの光源、特殊ガラスやセラミックスの製造など、工業、医療、電子機器分野に幅広く使用されている。この7品目は、中国商務省の2026年度版「軍民両用品リスト」に掲載されている。これらの品目は、昨年4月、トランプ政権による関税措置への報復として、中国が輸出管理を強化した対象のものとされている。 中国商務省は1月6日、日本への輸出管理を厳格化すると発表した。その理由について「国家の安全と利益を守り、拡散防止などの国際的義務を果たすため」と説明、中国側はあわせて、今回の措置の背景として、日本の指導者が台湾情勢を巡り「誤った発言」を公然と行い、台湾海峡問題への武力介入の可能性を暗に示したと主張した。さらに1月8日、商務省の何亜東報道官は、規制強化の狙いについて「日本の再軍事化や核保有の企みを阻止することにある」と述べた。その上で、「民生利用に関するものは影響を受けない。正常な民生貿易を行う関係者は全く心配する必要はない」と強調した。 中国による軍民両用品やレアアースを巡る輸出規制強化は、日本経済に無視できない影響を及ぼす可能性がある。野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏は、中国が輸出している軍民両用品目を幅広く捉えた場合、日本経済への影響は年間で約10.7兆円規模に達するとの試算を示している。2024年の日本の貿易統計を基に算出。さらに、レアアースに限定した影響については、2010年の経験を踏まえた試算で、輸出規制が3カ月続いた場合の経済損失は約6600億円に上り、日本の国内総生産(GDP)を0.11%押し下げる可能性がある。規制が1年間継続した場合には、損失は約2.6兆円に拡大し、GDPを0.43%程度押し下げるとの見通しだ。 規制の網は直接取引だけでなく「迂回輸出」にも及んだ。中国商務省は1月6日の声明で、「いかなる国・地域の団体および個人も、本規定に違反し、中国産の関連軍民両用物資を日本の団体および個人に移転または提供した場合、法に基づき法的責任を追及される」と明記した。第三国経由による供給にも牽制をかけた形で、企業の調達に制約が生じる可能性があるとみられる。こうした状況を受け、片山さつき財務大臣は、1月12日に米ワシントンで開催される方向で調整が進むG7(主要7カ国)に加え、重要鉱物財務相会合の協議に出席する予定。会合では、レアアースを含む重要鉱物の供給網強化が主要議題となる見通しで、産出国の参加も想定されている。片山財務大臣は、重要鉱物の供給網の安定化について「各国の経済安全保障や世界経済の安定にとって非常に重要な課題だ」との認識を示している。 ★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) ★アンカー: 杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
【移民捜査官が女性射殺】全米史上最大の抗議活動“分断加速”過剰な捜査と政権非難 米ミネソタ州ミネアポリス市で1月7日、移民・税関捜査局(ICE)の職員が不法移民の摘発中に発砲し、抗議に参加していた市民の女性が死亡する事件が発生した。連邦政府は「正当防衛」を主張する一方、州および市当局は権力乱用だとして強く反発しており、事件を巡る対立は深まっている。米AP通信によると、死亡したのはレニー・ニコル・グッドさん(37)。コロラド州生まれの米国市民で、15歳、12歳、6歳の3人の子どもを育てる母親。事件当日、グッドさんは6歳の子どもを学校に送り届けた後、帰宅途中にICEの摘発現場に遭遇したという。事件発生後、地元だけでなくニューヨークや首都ワシントン、ペンシルベニア州フィラデルフィアなど主要都市でも大規模なデモや追悼集会が相次いでいる。米日刊紙「USAトゥデイ」は1月10日、今週末にかけて全米で1000件を超える反対デモや集会が計画されていると報じた。 トランプ政権は、ICE職員による発砲は正当防衛だったとの立場を崩していない。トランプ大統領は1月7日、SNS上で「彼女は暴力的に、意図的に、そして残忍にICE捜査官をはねた。捜査官は正当防衛で撃ったようだ」と投稿し、職員の行動を擁護した。国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官も同日の声明で、死亡した女性について「終日、職員らの後をつけて妨害していた」「自分の車を武器として使い、職員をひき殺そうとした」と主張し、行為を「国内テロ」だと非難した。これに対して、地元当局は連邦政府の説明を否定している。ミネソタ州のティム・ウォルズ知事は1月7日、「これは防げたはずだ。全く不必要なことだった。全く理由もなく車の中で人が死んでいる」と述べた。また、ミネアポリス市のジェイコブ・フレイ市長は同日、「正当防衛としてごまかそうとしている。私自身も映像を確認したが、でたらめもいいところだ。捜査官の見境ない権力乱用によって市民が殺された」と述べ、ICEを厳しく批判した。 捜査を巡っても混乱が広がった。ミネソタ州犯罪捜査当局(BCA)は1月8日、当初は合同捜査を行うことで合意していた連邦捜査局(FBI)が、現場の証拠や事件資料、関係者への聴取記録へのアクセスを拒否したとして、やむを得ず捜査から撤退したと発表した。ウォルズ州知事は同日、「州が捜査に参加できなければ、公正な結果を得ることは非常に難しい。大統領から副大統領、国土安全保障長官に至るまで、明らかに虚偽で不正確なことを述べている」と連邦政府の対応を非難した。米ミネソタ州での射殺事件に続き、オレゴン州ポートランドでも連邦当局による発砲事案が発生した。1月8日、税関・国境警備局(CBP)の職員が発砲し、男女2人が負傷した。国土安全保障省は、発砲に至った経緯について説明した。それによると、ベネズエラ系ギャング組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーとみられる2人が、CBP職員に対して車を武器として使用し、危害を加えようとしたという。職員は差し迫った危険に直面し、自衛のため即座に発砲したとして、対応の正当性を強調した。一方、ポートランドのウィルソン市長(民主)は英ロイター通信に対し、「彼らの言葉をそのまま信じることができた時代もあったが、そんな時代はとうに終わった」と述べた。 スティーブン・ミラー大統領次席補佐官は、2025年5月28日に出演した米FOXニュースの番組で、ICEによる身柄拘束の目標を、それまでの1日当たり1000人から少なくとも3000人に引き上げたと明らかにしていた。ノーム国土安全保障長官も同年7月11日、英ロイター通信に寄せた声明で、「スティーブンの情熱と愛国心、そして粘り強さが、米国史上最大規模の不法移民の強制送還を実施する原動力になっている」と評価している。ICEを巡っては、発砲を伴う事案が相次いでいる。2025年7月10日にはカリフォルニア州カマリロで、農場への強制捜査中にデモ隊に対して催涙ガスや発煙筒が使用され、捜索中に建物から落下した男性が翌日死亡した。2025年10月4日にはイリノイ州シカゴで、移民取り締まり中に女性に向けて発砲し、女性は病院に搬送された。さらに1月8日には、オレゴン州ポートランドでICE職員が発砲し、男女2人が負傷して病院に運ばれた。AP通信によると、ミネアポリスでは2020年5月、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を圧迫されて死亡する事件が起きており、全米50州すべてに広がる米国史上最大規模の抗議運動に発展した。 ★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) ★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
【原油管理でベネズエラ再建】巨額投資に現実の溝“北極圏に緊張”米国領有に反発は トランプ政権によるベネズエラへの軍事作戦と政権転換は、西半球全体に大きな波紋を広げている。米国はベネズエラでマドゥロ大統領を拘束し、暫定政権の発足を主導したが、その後の国家再建をどのように進めるのかが国際社会の注目を集めている。こうした中、ルビオ米国務長官は1月7日、ベネズエラ再建に向けた「3段階計画」を明らかにした。第1段階は「安定化」で、ベネズエラ産原油を米国が販売し、その収益を管理する。将来的には、この収益をベネズエラ国民に分配する考えだとしている。第2段階は「復興」と位置づけられ、米国企業の市場参入を進めるとともに、反体制派の釈放を通じて市民社会の再建を開始するとしている。そして、第3段階が「政権移行」で、ルビオ国務長官は「最終的に国を変革するのはベネズエラ国民だ」と強調した。 この3段階計画の出発点となるのが原油の扱いであるが、政権内部からは一段と踏み込んだ発言も出ている。米エネルギー省のライト長官は、ベネズエラ産石油の販売について「米国が無期限に管理する」と明らかにした。さらに、トランプ大統領は自身のSNSで、米国との新たな原油取引で得た資金は「米国製品のみの購入に充てる」と投稿。購入対象として、米国産の農産物や医薬品のほか、ベネズエラのエネルギーインフラ再建に用いる設備などを挙げている。ベネズエラの石油事業再建を巡る協議の場では、トランプ大統領が、石油企業による投資額が少なくとも1000億ドル、日本円で約15兆8000億円に上るとの見通しを示し、「参入する企業には莫大な利益がもたらされる」と強調した。しかし、協議に参加したエクソンモービルの最高経営責任者(CEO)は、現在のベネズエラの状況では「投資は不可能だ」と指摘しており、民間企業側には慎重な姿勢も目立つ。一方、ベネズエラの石油を巡っては、海上での強硬措置も相次いでいる。 トランプ政権によると、大西洋やカリブ海で、ベネズエラ暫定政権と連携する形で石油タンカーの拿捕を進めており、9日までに計5隻を拿捕した。その中には、ロシアと関係があるとされる不審な動きを見せたタンカーも含まれている。米政府は1月7日、北大西洋上で、制裁対象となっていたロシア船籍の石油タンカー「マリネラ」を含む2隻を拿捕したと発表した。「マリネラ」はもともとガイアナ船籍の「ベラ1号」で、2025年12月に船名を変更。制裁下の石油を秘密裏に輸送する、いわゆる「影の船団」の一角として米国の制裁対象に加えられていた。英紙テレグラフによると、「ベラ1号」は2025年8月、イランを出港し、ベネズエラに向けて航行していたとされる。その後、同年12月17日に米国沿岸警備隊が拿捕を試みたが、船舶は位置信号を遮断して北東方向へ逃走。消息を絶っていた。米当局は1月1日、船名を「マリネラ」に変更した同一船舶を大西洋上で再び追跡し、1月6日には米軍がアイルランド沖で監視活動を実施。翌7日、正式な拿捕に踏み切った。米ホワイトハウスのレビット報道官は7日の記者会見で、「この船舶は制裁対象の石油を輸送していたベネズエラの影の船団の一部であり、現政権下では容認しない」と述べ、強硬姿勢を鮮明にした。これに対し、ロシア外務省は8日、「民間船舶を事実上乗っ取り、乗組員を拘束した行為は国際海事法の重大な違反だ」と反発し、深刻な懸念を表明した。米国側はその後、拘束していたロシア人船員2人を解放する方針を決定している。 ベネズエラで大統領拘束に成功したことを受け、トランプ政権は対外的圧力を盾に主導権を確保する姿勢を強めている。その矛先は西半球に位置するグリーンランドにも及び、不安と緊張が広がっている。ベネズエラで軍事作戦が行われたのと同じ1月3日、Xに星条旗で塗りつぶされたグリーンランドの地図が投稿された。投稿したのは、トランプ大統領の側近で、スティーブン・ミラー次席補佐官の妻、ケイティ・ミラー氏で、第1次トランプ政権で大統領顧問を務めた人物。投稿には「まもなく」との短い言葉が添えられていた。これに対し、デンマークは即座に反発した。4日、フレデリクセン首相は声明で、「米国に対し、歴史的に緊密な同盟国とその国民に対する脅しをやめるよう強く求める。グリーンランドの人々は、自分たちは売り物ではないと表明している」と述べた。 一方、トランプ大統領自身も、グリーンランド領有への意欲を改めて示した。9日、記者団に対し、「米国が行動しなければ、ロシアか中国にグリーンランドを支配されてしまう。デンマークとは穏便な方法で合意したいが、できなければ強硬な手段に出る」と語った。政権中枢からも強い発言が相次いでいた。5日、ミラー次席補佐官は米CNNの番組で、「グリーンランドは米国の一部であるべきだというのは、この政権の発足以来、実際にはトランプ1期目に遡る米政府の公式の立場だ」と主張し、「グリーンランドの将来をめぐって、米国と軍事的に戦おうとする国など存在しない」と言い切った。6日には、ホワイトハウスのレビット報道官が声明で、「トランプ大統領は、グリーンランドの取得が国家安全保障上の優先事項で、北極圏での敵対勢力の抑止に不可欠だと明言している」と説明した。その上で、米軍の最高指揮官である大統領にとって「軍の活用は常に選択肢の一つ」だと述べ、軍事力行使の可能性にも言及した。8日には、バンス副大統領が、「欧州の指導者に伝えたいのは、米国大統領の発言を真剣に受け止めるべきだということだ」と述べ、欧州がグリーンランドの安全保障を重視しないのであれば、「米国が何らかの対応を取らざるを得なくなる」と警告した。 こうした発言の連鎖に、デンマーク側の警戒感は一段と強まっている。フレデリクセン首相は、「米国がNATO加盟国を軍事的に攻撃することを選ぶなら、NATOを含め、第2次世界大戦終結以降に築かれてきた安全保障体制のすべてが停止することになる」と強い表現で警鐘を鳴らした。緊張の高まりを受け、マルコ・ルビオ国務長官はデンマーク側との協議に乗り出す姿勢を示している。7日、ルビオ氏は「誰が大統領であっても、国家安全保障への脅威があると判断すれば、軍事的手段で対処する選択肢を持っている。ただし、外交官として私は常に別の方法で解決することを望んでいる」と述べ、12日からの週にグリーンランドを巡ってデンマークと協議する考えを明らかにした。さらに、ホワイトハウス内部で、グリーンランド住民への一時金支給案が検討されていたことを、ロイター通信が報じた。1人当たり1万ドルから10万ドル、日本円で約158万円から約1580万円を支給する案について、政府関係者や補佐官らが協議したという。支払い総額は約60億ドル、約9470億円に達する可能性があり、デンマークからの分離を促し、将来的な米国編入を目指す狙いがあるとみられている。 ★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) ★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
■『BS朝日 日曜スクープ』1月4日の放送内容は現在、公開中です。 【光通信と次世代半導体】IOWNが変える“遠隔医療の未来”2026ニッポンの逆襲は? 2025年12月、東京ビッグサイトで開かれた世界最大級の半導体国際展示会。北海道で次世代半導体の量産を目指す「ラピダス」をはじめ、国内外の有力企業が一堂に会する中、ひときわ人だかりを集めるブースがあった。NTTが開発を進める次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」。現在の通信ネットワークは、光で送られた信号を途中で電気に変換しながら処理する仕組みが主流となる。一方、IOWNは光を電気に変換することなく、光だけで通信と処理を完結させる。この技術により、通信遅延は従来の約200分の1にまで短縮され、データ容量は125倍に拡大。さらに消費電力は100分の1に抑えられることが可能となる。膨大なデータ処理が不可欠となる次の時代のインフラとして、世界が強い関心を寄せている。 IOWNがもたらす変革の一つが医療分野。遠隔医療やリハビリへの応用が現実味を帯びる。東京と福岡をIOWNで接続し、トレーナーの動きを遠隔地に伝える装置を用いたリハビリの実証では、福岡側の担当者が腕を動かすと、東京にいる体験者の腕が、まるで隣で直接サポートを受けているかのように自然に動かされた。低遅延・大容量という特性が、距離の壁を限りなく小さくしている。NTTの担当者は「遠隔地からでもリハビリやサポートが可能になれば、地方の過疎化問題の解決や、移動時間の削減によって新たな労働力の創出にもつながる」と語る。人口減少と過疎化が進む日本にとって、医療インフラの在り方を根底から変え、社会的課題の解決に寄与する可能性を秘めている。 もう一つ、IOWNが持つ大きな強みが「省電力」。生成AIの急速な普及により、世界的に深刻化しているのが電力不足の問題。国の試算では、デジタル化の拡大によって、2050年には日本国内のデータセンターだけで約1万2000テラワット時もの電力が必要となり、現在の総発電量の12倍に達するとされる。消費電力を100分の1に抑えるというIOWNの構想には、インテルやソニーなど、世界を代表する約180社が参画している。NTT・IOWN推進室の荒金陽助室長は、「世界でモノを売り、サービスを展開することが前提。NTTグループ単独で完結するとは考えていない。グローバルな企業と連携しながらも、その中で日本企業が重要なポジションを担うことを実現したい」と語る。 一方、通信と並び次世代技術のもう一つの柱となるのが半導体。仙台市に本部を置く東北大学では、消費電力を劇的に抑える次世代半導体の研究が進んでいる。カギとなるのは「スピントロニクス半導体」。電子が持つ「電気」と「磁石」という二つの性質を活用する新しい技術。研究を率いる同大国際集積エレクトロニクス研究開発センター長の遠藤哲郎教授は、「スピントロニクス半導体が社会のあらゆる場面に導入されれば、スマートフォンは一度の充電で2~3週間使えるようになる」と語る。従来のシリコン半導体では、AI処理時に約2000ミリワットの電力を消費し続けるのに対し、スピントロニクス半導体を用いたAI処理では、ピーク時でも40ミリワットに抑えられる。消費電力は実に50分の1。さらに、この半導体は電源を切ってもデータを保持できるという特性を持つ。 遠藤教授がこの研究に情熱を注ぐ背景には、東日本大震災の経験がある。「家族や学生の安否を確認したくても電話がつながらず、かけるたびにバッテリーが減っていく。災害時に、通信機器がいかに脆弱かを痛感した。性能を向上させるだけでなく、少ない電力で本当に役に立つ技術が必要だと強く思った」。かつて、電機大手「東芝」で半導体開発の最前線で従事した経験があり、日本の盛衰を見つめてきた遠藤教授は、半導体技術の向上を踏まえた日本の進むべき道をこう指摘する。「半導体を持たざる国は、経済安全保障を守れない。基礎研究から、企業が世界で勝ち抜く段階まで、国が支援することが大事」。光でつながる通信、磁石で記憶する半導体。エネルギー制約という世界共通の課題を前に、日本発の技術が挑もうとしている。2026年、日本の逆襲は静かに、確実に加速しつつある。 ★ゲスト:永濱利廣(第一生命経済研究所)、ジョセフ・クラフト(経済・政治アナリスト) ★アンカー: 末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
■『BS朝日 日曜スクープ』2025年3月23日の放送内容は現在、公開中です。 【中国に対峙する台湾・金門島】戦跡が物語る“砲撃の記憶”防衛拠点の現実と島民生活 中国福建省の廈門(アモイ)から約5キロの距離に位置する台湾・金門島。人口は約14万人、面積は150平方キロメートルの小さな島で、基幹産業の観光と漁業で発展を遂げてきた。金門島は長年、中国との緊張関係の中で、重要な軍事拠点として機能してきた。最盛期には、約14万人が駐留していたとされる軍隊は、約3000人まで縮小されたが、現在も、島の重要な防衛を担っている。 かつては、砲撃戦が繰り広げられた歴史がある。金門島は1949年の古寧頭戦役、1958年の金門砲戦という2つの戦いの舞台となった。古寧頭戦役では、中国・人民解放軍が金門島に上陸し、蒋介石が率いる国民党軍と激しい戦闘を繰り広げた。この戦いで、国民党軍が防衛の成功を収めた。金門砲戦では、人民解放軍は、金門島に44日間で47万発超の砲弾を撃ち込んだ。島内には、防空壕、砲弾の残骸などの軍事遺構が数多く残されており、戦争の記憶を今に伝えている。 ★ナレーター:佐分千恵 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH
■『BS朝日 日曜スクープ』2024年11月17日の放送内容は現在、公開中です。 【熊谷6人殺害その後】遺族が警察の対応を問う裁判“最高裁も上告棄却”不受理の決定 「熊谷6人殺害その後」司法はまたも遺族の訴えを退けた。家族3人の命を奪われた加藤裕希さんは、当時の警察の対応を問題視して裁判を起こしていたが、最高裁が加藤さんの上告を棄却した。 事件が起きたのは2015年9月。ペルー人の男が埼玉県警の熊谷警察署から逃走し、その翌日、熊谷市内で50代の夫婦を殺害した。さらにその後の2日間で、80代の女性を殺害した後、加藤さん宅に侵入し、妻と2人の娘を殺害した。男は一審の裁判員裁判で死刑を言い渡されたものの、控訴審で減刑され無期懲役が確定している。 加藤さんが自ら起こした裁判では、最初の殺人事件が起きたときの埼玉県警の対応を問題にした。県警は熊谷署から逃走中だったペルー人の男を「参考人」として全国に手配していた。しかし、県警は男の逃走を公にせず、防災無線などを用いての注意の呼びかけもないまま、連続殺人に至った。 加藤さんは「最初の殺人事件が起きたとき、埼玉県警が『逃走犯による無差別殺人の可能性がある』と広報していれば、私も妻も警戒を強めて、犯行を防ぐことができた」と訴えた。しかし、1審、控訴審ともに、加藤さんの訴えを退けた。そして今回、最高裁も加藤さんの上告を受理せず、棄却した。 加藤さんは、最高裁が上告を受理しなかったことについて「闘う土俵にも上れず、悔しい」と話している。ご家族の3人には、「気持ちの整理がつかず、裁判の結果を報告できない」という。 ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH
■『BS朝日 日曜スクープ』2023年9月10日の放送内容は現在、公開中です。 【熊谷6人殺害国賠訴訟】上告理由書を提出“警察裁量”不当性の存否◆日曜スクープ◆ 2015年に埼玉県熊谷市で男女6人が殺害された事件で、妻と娘2人の殺害は県警の近隣住民への注意喚起が不十分として、遺族の加藤裕希さん(50)が5日、最高裁判所に上告審として受理することを求める理由書を提出した。今年6月、加藤さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求は、控訴審で棄却されていた。最高裁で上告が受理されて審理の対象となるのは2022年の場合、1.3%の狭き門だった。 訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その「予見可能性」に基づく「結果回避義務」の存否が争点となったが、東京高裁は今年6月、危険の切迫性を認めながらも、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示し、控訴を棄却していた。 加藤さん側が提出した理由書によると、埼玉県警幹部は「屋外の通り魔事件であれば1件発生しただけで連続発生を想定すべきであり、屋内事件であれば2件続けて発生しない限り連続発生を想定できない」とする、いわゆる「1件2件論」を主張する。しかし、加藤さん側は「1件2件論」は警察庁が否定しており、また、裁判例や法律文献もなく、その主張の信用性を吟味することなく、埼玉県警幹部の証言を鵜呑みにした控訴審の判決理由に不備があると訴えている。今回の理由書の提出を受けて、加藤さんは「どうにか公正な判断を司法に求めて、勝訴に向けて頑張っていければとは思います」と現在の心境を語った。 ▽埼玉・熊谷6人殺害事件 2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
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■『BS朝日 日曜スクープ』2023年8月13日の放送内容は現在、公開中です。 【玉本英子ルポ破壊された街】砲撃の連続で“民間人犠牲”戦禍の現実◆日曜スクープ◆ 遠方から砲声が鳴り響き、砲弾が降り注ぐ街で、殺戮と破壊の連鎖が続く。ジャーナリスト・玉本英子氏(アジアプレス)は、今年5月初旬にウクライナに入った。ザポリージャ州南部の戦闘地域から約7キロ離れたオリヒウ市内は、ロシア軍による砲撃と大型爆弾の投下で、住宅や学校などが無残に破壊されていた。約9割の住民が避難で街を離れたが、約200人が避難する学校を取材した玉本氏は、戦争の理不尽に耐えながら生活を余儀なくされる住民の苦難を目撃する。玉本氏が取材した翌月、ウクライナ軍は、このオリヒウを拠点に、大規模反転攻勢に着手した。また、昨年8月、玉本氏は南部ヘルソン州での取材で、ウクライナ軍の隊長と出会った。だが、今回の取材中、玉本氏に悲報が届く。激戦地バフムトに転戦した隊長は、塹壕で砲弾を受け亡くなった。ジャーナリスト・玉本英子氏は今回の取材を通じて、戦禍の日常と現実にどう向き合ったのか。ロシアの侵略により、市民が受けた痛苦と不条理を伝える。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ①】南部“最前線の街”激化するロシア砲撃◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。南部ザポリージャ州のオリヒウでは今年5月、ロシア軍による砲撃が絶え間なく続いていた。戦闘地域から7キロの“最前線の街”だ。取材の翌月には、ウクライナ軍がこのオリヒウを拠点に、反転攻勢に着手している。玉本氏が取材した時点でも、学校や住宅など、至るところに砲撃の跡があり、高齢者ら、避難できなかった住民が、数少ない残った建物に身を寄せていた。そこで住民たちが祈っていたことは…。さらに玉本氏は、複数のウクライナ軍の検問所を通過し、戦闘地域により近いマラ・トクマチカにも向かった。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ②】ヘルソン州“奪還”後も苦難…庭に砲弾◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ヘルソン州のドニプロ川西岸からロシア軍が撤退したのは去年11月。玉本氏は今年5月にヘルソン市内を訪れたが、ロシア軍からの砲撃が続き、市内の人影は少ない。玉本氏は、ロシア軍撤退前の去年8月、ヘルソン市郊外の集落を取材しており、今年6月に再訪すると、避難していた住民の一部が帰還していた。しかし、庭先には砲弾が残り、電気や水道などのインフラも復旧はこれからだ。さらに、取材中の玉本氏に悲報が届いた。去年8月の取材を受け入れたウクライナ軍の隊長が激戦地バフムトに転戦し、戦死したのだ…。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ③】集合住宅まで崩壊…起きなかった奇跡◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ウクライナ中部の都市ウマニは今年4月末、集合住宅がロシア軍のミサイル攻撃を受けて崩落した。午前4時の攻撃で、子ども6人を含む23人が命を奪われている。その翌月、玉本氏が現地を訪れると、犠牲者23人の写真が掲げられ、多くの子どもたちが友達の写真を見つめていた。6階に住んでいたヘレナさん(53)は、娘夫婦と暮らしていたと言う。ヘレナさんは、別の部屋で寝ていた娘夫婦の無事を祈り、奇跡を願ったのだが…。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝NEWS ⇒ ANNnewsCH
『BS朝日 日曜スクープ』放送内容を動画公開します。
生放送でお伝えするニュース解説を放送終了後、ネットで動画公開します。
もう一度、ご覧になりたい方、見逃してしまった方、是非ともご利用ください。
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【冒頭解散と重鎮引退】新年度内の予算成立困難“雪対応と超短期決戦”決断の舞台裏
次期衆議院選挙を前に、与野党を代表する重鎮政治家が相次いで不出馬を表明した。長年、日本政治の権力で政策の中枢を担ってきた顔ぶれの決断は、政界に時代の区切りを印象づけた。出馬を見送る意向を明らかにしたのは、菅義偉元総理(77)。2020年9月から2021年10月まで内閣総理大臣を務め、その前には、官房長官として7年8か月在任し、その日数は歴代最長を記録した。官房長官時代には、「令和」への改元を発表したほか、「ふるさと納税」制度の創設を主導。総理在任中は、新型コロナウイルス対応の陣頭指揮を執った。政権中枢を支え続けた実力者の不出馬は、自民党内外に波紋を広げている。自民党の重鎮、遠藤利明元総務会長(76)も、次期衆院選に立候補しない意向を示した。当選10回を数えるベテランで、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣を務めたほか、自民党総務会長として党運営の要を担ってきた。野党側でも、長年の顔が一線を退く。日本共産党の志位和夫議長(71)は、次期衆院選への不出馬を表明した。志位氏は2000年11月から2024年1月まで同党委員長を務め、在任中、国会で17人の総理大臣と論戦を交わしてきた。長期政権下でも政権批判の論客として存在感を放ち、共産党の「顔」として国内外に知られてきた。
高市総理が衆議院解散に踏み切れば、その政治判断は戦後日本政治の中でも、際立って異例なものとなる。最大の特徴は、通常国会の冒頭で解散が行われる可能性にあり、これは1966年、佐藤栄作政権下で行われた、いわゆる「黒い霧解散」以来、60年ぶりとなる。さらに、仮に2月投開票となれば、いわゆる「真冬の総選挙」となる。これは1990年2月、海部俊樹政権下で行われた「消費税解散」以来36年ぶりとなる。豪雪地帯を中心に、選挙運動や投票行動への影響が懸念される。1月23日解散となれば、衆議院議員の在職日数は454日で、憲法7条に基づく解散としては戦後最短水準となる。戦後、短期間で解散に踏み切った例としては、1953年の「バカヤロー解散」(吉田茂総理・在職165日)、1980年の「ハプニング解散」(大平正芳総理・在職226日)が知られている。
高市総理が23日召集の通常国会での衆院解散を与党幹部に伝達する中、超短期決戦になる見通しの総選挙に向けて、全国の選挙管理委員会では、急ピッチに準備が進められている。選挙の最前線ではすでに深刻な混乱が生じており、「真冬の選挙」「超短期決戦」という二重の異例が、自治体の選挙事務を直撃している。朝日新聞によると、豪雪地帯では、選挙準備そのものが困難な状況。新潟県魚沼市では、ポスター掲示場が雪に埋まる恐れがあり、市の選挙管理委員会では、市内223カ所すべての設置場所について、積雪状況の確認作業に追われている。市選管では、「道路状況も心配で、厳しいとしか言いようがない。雪が山積みになっているため、街頭演説が成り立たない」と悲鳴を上げる。1月10日、総務省は全国の都道府県選挙管理委員会に対し、「至急の連絡です」として、選挙準備を進めるよう通達した。文書では、「衆議院議員総選挙については、報道以上の情報はありませんが、準備を進めておく必要があります」と記されており、正式な解散表明がないまま、現場は事実上の“臨戦態勢”に入った。福島県選挙管理委員会では、担当者が「尋常じゃない忙しさだ」と語り、3種類の投票用紙を県内59市区町村に配布しなければならない差し迫った状況となった。
高市総理による電撃解散の動きを受け、野党各党からは一斉に厳しい批判の声が上がった。立憲の野田佳彦代表は1月16日、「党の幹部と相談した節もなく、自己中心的にしか見えない」と批判。公明の斉藤鉄夫代表は14日、「国民生活をないがしろにした大義なき解散だ」と指摘。国民民主の玉木雄一郎代表は13日、「経済を後回し解散と言わざるを得ない」と述べ、選挙を優先した点を問題視した。れいわ新選組の山本太郎代表は15日、国民生活を無視した解散、強い言葉で政権の姿勢を非難した。日本共産党の田村智子委員長は15日、「国民の参政権を侵害するものだ」と述べ、参政党の神谷宗幣代表は14日、「急すぎる解散だと受け止めている」と語った。日本保守党の百田尚樹代表は14日、「今やれば自民党が勝てる、それだけではないか」と述べ、解散の動機が選挙事情にあるとの見方を示した。社会民主党の福島瑞穂党首は14日、「支持率が高いうちに行う自己都合の解散」と批判。チームみらいの安野貴博党首は14日、「率直に、なぜ今なのかという点に疑問を持つ」と述べ、解散の必然性に疑義を呈した。
高市政権が衆議院解散に踏み切った場合、日本は1年4カ月で3度目となる国政選挙に突入することになる。直近では、2024年10月27日に衆議院選挙、2025年7月20日に参議院選挙が実施された。一方で、電撃解散による影響に対する懸念も指摘されており、2026年度予算の年度内成立が困難になるとの見方も強まっている。政府・与党内で想定されている最短シナリオでは、2026年1月23日(金)に通常国会を召集し、その冒頭で衆議院を解散。2月上中旬に衆院選の投開票が行われる可能性がある。選挙後、新たな衆議院で予算案の審議に入ったとしても、参議院での審議日程を含めると、3月31日までに予算を成立させるのは極めて厳しいとの指摘が相次ぐ。本予算が年度開始前に成立しない場合、政府は暫定予算を組むことになる。社会保障費や公務員の人件費など、最低限の支出は確保される一方、政策は大きく制約される可能性がある。こうした事態となれば、政府が掲げる国民負担軽減策にも影響が及ぶ。木原官房長官は1月15日の会見で、「すでに昨年末に成立した令和7年度補正予算を早期に執行することで、国民生活や経済への影響が出ないよう対応してきた。今後も影響が出ないようにしたい」と述べ、影響回避に万全を期す考えを強調した。
高市総理が衆議院を解散する意向を固め舞台裏には、周到な情勢判断と限られた側近による意思決定があった。一方で、党内には不満も燻っている。昨年12月17日、高市総理は、「目の前でやらなければいけないことが山ほど控えている。(解散を)考えている暇がございません」と述べ、解散観測を明確に否定していた。年が明けた1月5日の年頭記者会見で、記者団から解散について問われた際も、「補正予算の早期執行を各大臣に指示している。目の前の課題に懸命に取り組んでいるところだ」と語り、解散には言及しなかった。1月9日には、解散を視野に入れた読売新聞が放った政局報道が一斉に広がり、政界に緊張が走った。しかし、その裏側では、政局をにらんだ動きが静かに進んでいた。1月13日午後、自民党本部では、鈴木俊一幹事長と古屋圭司選対委員長が、各選挙区の情勢分析を進めていた。そこに木原稔官房長官が加わり、「短期決戦の方が良い」との認識で3人の意見は一致したという。1月14日、高市総理は自民党の鈴木幹事長、日本維新の会の吉村洋文代表らと相次いで会談し、通常国会の早い段階で衆議院を解散する意向を正式に伝えた。一方で、党内の重鎮への根回しは十分とは言えなかった。時事通信によると、麻生太郎党副総裁や鈴木幹事長に対し、総理から事前の相談がなかったとの見方も伝えられている。
★ゲスト:林尚行(朝日新聞コンテンツ政策担当補佐役)、佐藤千矢子(毎日新聞専門編集委員)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/テレビ朝日政治部長)
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【立憲と公明が新党】衆院選の構図変化は?“食料品消費税ゼロ”自維が時限的で検討
立憲民主と公明が、新党「中道改革連合」を結成するという異例の決断に踏み切り、解散総選挙の構図は一変しつつある。野田佳彦・立憲民主党代表と斉藤鉄夫・公明党代表は1月16日に記者会見を開き、中道勢力の結集を掲げて、新党「中道改革連合」の結党を発表した。新党の枠組みは、衆議院議員は両党を離党し、新党に参加。参議院議員および地方議員は当面、各党に残留する。公明は小選挙区から撤退し、比例代表に専念、新党候補を支援する。綱領および基本政策は19日に公表を予定している。野田代表は会見で、「中道改革とは、生活者の視点に立ち、「生活者ファースト」で現実的な政策を打ち出すことと強調。斉藤代表も「日本経済の安定と平和を守ることこそが中道」と述べた。会見では消費税にも踏み込んだ言及があった。野田代表は、「政策の一つとして消費税減税を入れたい。立憲は食料品のゼロ税率を主張してきた。公明党も消費税減税を訴えてきた。赤字国債に頼らず、新たな財源も提示する」と述べており、食料品消費税ゼロを政策として盛り込む。政権幹部によると、高市総理が衆院選公約に、食料品の消費税を時限的に0%とする案を盛り込むことを検討しているという。
次期衆議院選挙に向け、各党が消費税のあり方について相次いで見解を示し、各党のスタンスの相違が鮮明となった。国民民主党は消費税について、「一律5%への引き下げ」を掲げる。れいわ新選組は、「消費税廃止」を訴える。日本共産党は、「一律5%減税そして廃止」。参政党は、「消費税廃止を訴える」と主張する。日本保守党は、「食料品の消費税を恒久的にゼロ」にすべきだと訴える。社会民主党は、「消費税はゼロ」との立場を示した。また、チームみらいは、昨年7月の参院選においては、「消費税減税に慎重になるべき」と掲げていた。
新党結成が選挙結果に与える影響は小さくない。時事通信が2024年衆院選の結果を基に行った試算では、「各選挙区で公明支持層の約1万票が自民党候補から立憲候補に流れた場合、35選挙区で当落が逆転し、自民97議席、立憲139議席となる」とされ、比例を含めて、立憲民主が比較第1党となる可能性が示された。自民党内からは警戒感が広がる。同党の小野寺五典税制調査会長は、「これまで公明党と協力して選挙を戦ってきた。逆の形の対応になれば、激戦区・接戦区で少なからず影響はある」と語った。党中堅議員からは「公明票が流れれば、焼け野原になるかもしれない」との声も漏れる。自民党内の不安に対して、麻生太郎副総裁は、「選挙に弱いやつは色々言う。『どっかとどっかが一緒になったからどっかが減る』とかは、かすみを食っているような話で、選挙に強いやつはそういうことをあてにしないで選挙している」と語った。
一方、新党結成には立憲民主党内からも反発が出ている。原口一博衆院議員はXで、「党員資格を一方的に剥奪できるのか。そんな党に誰が入るのか」と批判。また、党創設者であり、元代表の枝野幸男衆院議員も、「立憲民主党という名前にも、これまでの歩みに愛着と誇りがある」と複雑な思いを綴りつつ、「政治家としての責任を果たすため、最大限の挑戦に向き合う」と新党に前向きに参加する胸中を明かした。合流を呼びかけられた国民民主の玉木雄一郎代表は、「与党と野党に分かれていた政党が一緒になるが、その結集軸が極めてあいまいだ」と疑問を呈し、新党には参加しない方針を示した。
安全保障政策では、立憲が「違憲部分の廃止」を掲げる一方、2026年春に新たな見解を示す方針を示しており、主張の修正を視野に入れている。これに対し、公明は2015年の安保法制成立を推進した立場だった。原発政策でも、立憲は「原発ゼロ社会」を掲げる一方、公明は「地元理解を前提に再稼働を容認」としており、政策の隔たりは小さくない。新党がどこまで整合性を保てるかが問われる。新党結成をめぐっては、1994年の新進党との類似性も指摘されている。当時、公明党は「分党・二段階方式」を採り、新進党合流と独自活動に分かれた経緯がある。一方、斉藤代表は、「自民党と全面対決する党を作るつもりはない。第2新進党を目指すものではない」と強調した。
各党の目標も明らかになっている。自民は「与党で最低限、過半数確保」を掲げる。新党「中道改革連合」は約200人を擁立し、比較第1党を目指す。日本維新の会は前回(38議席)より議席増を狙い、国民民主は100人擁立で51議席を目標とした。れいわ新選組は前回並みの35人を擁立を目指す。共産党は全ての比例ブロックの議席獲得と議席増を掲げている。参政党は100人以上の擁立で30議席を目標、日本保守党は最低でも6議席、社民は「複数の衆院議員をつくる」と訴え、チームみらいは5議席以上を掲げる。ANNの世論調査では内閣支持率63.0%に対し、自民党支持率は36.7%と乖離が目立つ。
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【中国レアアース規制か】軍民両用品7品目で“輸出管理の厳格化”産業に打撃懸念は
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は1月8日、中国が日本向けのレアアース輸出規制を強化した可能性を報じた。中国の輸出業者や中国政府の決定に詳しい関係者の話として、日本に対し一部のレアアースや強力な磁石の輸出規制がすでに始まったと伝えている。同紙によると、中国当局は日本向け輸出について、必要とされる許可申請の審査を停止したという。この措置は日本産業全体に及んでいると関係者は説明している。規制強化の対象とみられているのは、いわゆる「ヘビーレアアース」と称される7品目。具体的には、サマリウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、テルビウム、ルテチウム、イットリウム、スカンジウムが含まれるとされる。医療用MRI、航空機の翼の制御システム、映画や印刷向けの光源、特殊ガラスやセラミックスの製造など、工業、医療、電子機器分野に幅広く使用されている。この7品目は、中国商務省の2026年度版「軍民両用品リスト」に掲載されている。これらの品目は、昨年4月、トランプ政権による関税措置への報復として、中国が輸出管理を強化した対象のものとされている。
中国商務省は1月6日、日本への輸出管理を厳格化すると発表した。その理由について「国家の安全と利益を守り、拡散防止などの国際的義務を果たすため」と説明、中国側はあわせて、今回の措置の背景として、日本の指導者が台湾情勢を巡り「誤った発言」を公然と行い、台湾海峡問題への武力介入の可能性を暗に示したと主張した。さらに1月8日、商務省の何亜東報道官は、規制強化の狙いについて「日本の再軍事化や核保有の企みを阻止することにある」と述べた。その上で、「民生利用に関するものは影響を受けない。正常な民生貿易を行う関係者は全く心配する必要はない」と強調した。
中国による軍民両用品やレアアースを巡る輸出規制強化は、日本経済に無視できない影響を及ぼす可能性がある。野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストである木内登英氏は、中国が輸出している軍民両用品目を幅広く捉えた場合、日本経済への影響は年間で約10.7兆円規模に達するとの試算を示している。2024年の日本の貿易統計を基に算出。さらに、レアアースに限定した影響については、2010年の経験を踏まえた試算で、輸出規制が3カ月続いた場合の経済損失は約6600億円に上り、日本の国内総生産(GDP)を0.11%押し下げる可能性がある。規制が1年間継続した場合には、損失は約2.6兆円に拡大し、GDPを0.43%程度押し下げるとの見通しだ。
規制の網は直接取引だけでなく「迂回輸出」にも及んだ。中国商務省は1月6日の声明で、「いかなる国・地域の団体および個人も、本規定に違反し、中国産の関連軍民両用物資を日本の団体および個人に移転または提供した場合、法に基づき法的責任を追及される」と明記した。第三国経由による供給にも牽制をかけた形で、企業の調達に制約が生じる可能性があるとみられる。こうした状況を受け、片山さつき財務大臣は、1月12日に米ワシントンで開催される方向で調整が進むG7(主要7カ国)に加え、重要鉱物財務相会合の協議に出席する予定。会合では、レアアースを含む重要鉱物の供給網強化が主要議題となる見通しで、産出国の参加も想定されている。片山財務大臣は、重要鉱物の供給網の安定化について「各国の経済安全保障や世界経済の安定にとって非常に重要な課題だ」との認識を示している。
★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)
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【移民捜査官が女性射殺】全米史上最大の抗議活動“分断加速”過剰な捜査と政権非難
米ミネソタ州ミネアポリス市で1月7日、移民・税関捜査局(ICE)の職員が不法移民の摘発中に発砲し、抗議に参加していた市民の女性が死亡する事件が発生した。連邦政府は「正当防衛」を主張する一方、州および市当局は権力乱用だとして強く反発しており、事件を巡る対立は深まっている。米AP通信によると、死亡したのはレニー・ニコル・グッドさん(37)。コロラド州生まれの米国市民で、15歳、12歳、6歳の3人の子どもを育てる母親。事件当日、グッドさんは6歳の子どもを学校に送り届けた後、帰宅途中にICEの摘発現場に遭遇したという。事件発生後、地元だけでなくニューヨークや首都ワシントン、ペンシルベニア州フィラデルフィアなど主要都市でも大規模なデモや追悼集会が相次いでいる。米日刊紙「USAトゥデイ」は1月10日、今週末にかけて全米で1000件を超える反対デモや集会が計画されていると報じた。
トランプ政権は、ICE職員による発砲は正当防衛だったとの立場を崩していない。トランプ大統領は1月7日、SNS上で「彼女は暴力的に、意図的に、そして残忍にICE捜査官をはねた。捜査官は正当防衛で撃ったようだ」と投稿し、職員の行動を擁護した。国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官も同日の声明で、死亡した女性について「終日、職員らの後をつけて妨害していた」「自分の車を武器として使い、職員をひき殺そうとした」と主張し、行為を「国内テロ」だと非難した。これに対して、地元当局は連邦政府の説明を否定している。ミネソタ州のティム・ウォルズ知事は1月7日、「これは防げたはずだ。全く不必要なことだった。全く理由もなく車の中で人が死んでいる」と述べた。また、ミネアポリス市のジェイコブ・フレイ市長は同日、「正当防衛としてごまかそうとしている。私自身も映像を確認したが、でたらめもいいところだ。捜査官の見境ない権力乱用によって市民が殺された」と述べ、ICEを厳しく批判した。
捜査を巡っても混乱が広がった。ミネソタ州犯罪捜査当局(BCA)は1月8日、当初は合同捜査を行うことで合意していた連邦捜査局(FBI)が、現場の証拠や事件資料、関係者への聴取記録へのアクセスを拒否したとして、やむを得ず捜査から撤退したと発表した。ウォルズ州知事は同日、「州が捜査に参加できなければ、公正な結果を得ることは非常に難しい。大統領から副大統領、国土安全保障長官に至るまで、明らかに虚偽で不正確なことを述べている」と連邦政府の対応を非難した。米ミネソタ州での射殺事件に続き、オレゴン州ポートランドでも連邦当局による発砲事案が発生した。1月8日、税関・国境警備局(CBP)の職員が発砲し、男女2人が負傷した。国土安全保障省は、発砲に至った経緯について説明した。それによると、ベネズエラ系ギャング組織「トレン・デ・アラグア」のメンバーとみられる2人が、CBP職員に対して車を武器として使用し、危害を加えようとしたという。職員は差し迫った危険に直面し、自衛のため即座に発砲したとして、対応の正当性を強調した。一方、ポートランドのウィルソン市長(民主)は英ロイター通信に対し、「彼らの言葉をそのまま信じることができた時代もあったが、そんな時代はとうに終わった」と述べた。
スティーブン・ミラー大統領次席補佐官は、2025年5月28日に出演した米FOXニュースの番組で、ICEによる身柄拘束の目標を、それまでの1日当たり1000人から少なくとも3000人に引き上げたと明らかにしていた。ノーム国土安全保障長官も同年7月11日、英ロイター通信に寄せた声明で、「スティーブンの情熱と愛国心、そして粘り強さが、米国史上最大規模の不法移民の強制送還を実施する原動力になっている」と評価している。ICEを巡っては、発砲を伴う事案が相次いでいる。2025年7月10日にはカリフォルニア州カマリロで、農場への強制捜査中にデモ隊に対して催涙ガスや発煙筒が使用され、捜索中に建物から落下した男性が翌日死亡した。2025年10月4日にはイリノイ州シカゴで、移民取り締まり中に女性に向けて発砲し、女性は病院に搬送された。さらに1月8日には、オレゴン州ポートランドでICE職員が発砲し、男女2人が負傷して病院に運ばれた。AP通信によると、ミネアポリスでは2020年5月、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を圧迫されて死亡する事件が起きており、全米50州すべてに広がる米国史上最大規模の抗議運動に発展した。
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【原油管理でベネズエラ再建】巨額投資に現実の溝“北極圏に緊張”米国領有に反発は
トランプ政権によるベネズエラへの軍事作戦と政権転換は、西半球全体に大きな波紋を広げている。米国はベネズエラでマドゥロ大統領を拘束し、暫定政権の発足を主導したが、その後の国家再建をどのように進めるのかが国際社会の注目を集めている。こうした中、ルビオ米国務長官は1月7日、ベネズエラ再建に向けた「3段階計画」を明らかにした。第1段階は「安定化」で、ベネズエラ産原油を米国が販売し、その収益を管理する。将来的には、この収益をベネズエラ国民に分配する考えだとしている。第2段階は「復興」と位置づけられ、米国企業の市場参入を進めるとともに、反体制派の釈放を通じて市民社会の再建を開始するとしている。そして、第3段階が「政権移行」で、ルビオ国務長官は「最終的に国を変革するのはベネズエラ国民だ」と強調した。
この3段階計画の出発点となるのが原油の扱いであるが、政権内部からは一段と踏み込んだ発言も出ている。米エネルギー省のライト長官は、ベネズエラ産石油の販売について「米国が無期限に管理する」と明らかにした。さらに、トランプ大統領は自身のSNSで、米国との新たな原油取引で得た資金は「米国製品のみの購入に充てる」と投稿。購入対象として、米国産の農産物や医薬品のほか、ベネズエラのエネルギーインフラ再建に用いる設備などを挙げている。ベネズエラの石油事業再建を巡る協議の場では、トランプ大統領が、石油企業による投資額が少なくとも1000億ドル、日本円で約15兆8000億円に上るとの見通しを示し、「参入する企業には莫大な利益がもたらされる」と強調した。しかし、協議に参加したエクソンモービルの最高経営責任者(CEO)は、現在のベネズエラの状況では「投資は不可能だ」と指摘しており、民間企業側には慎重な姿勢も目立つ。一方、ベネズエラの石油を巡っては、海上での強硬措置も相次いでいる。
トランプ政権によると、大西洋やカリブ海で、ベネズエラ暫定政権と連携する形で石油タンカーの拿捕を進めており、9日までに計5隻を拿捕した。その中には、ロシアと関係があるとされる不審な動きを見せたタンカーも含まれている。米政府は1月7日、北大西洋上で、制裁対象となっていたロシア船籍の石油タンカー「マリネラ」を含む2隻を拿捕したと発表した。「マリネラ」はもともとガイアナ船籍の「ベラ1号」で、2025年12月に船名を変更。制裁下の石油を秘密裏に輸送する、いわゆる「影の船団」の一角として米国の制裁対象に加えられていた。英紙テレグラフによると、「ベラ1号」は2025年8月、イランを出港し、ベネズエラに向けて航行していたとされる。その後、同年12月17日に米国沿岸警備隊が拿捕を試みたが、船舶は位置信号を遮断して北東方向へ逃走。消息を絶っていた。米当局は1月1日、船名を「マリネラ」に変更した同一船舶を大西洋上で再び追跡し、1月6日には米軍がアイルランド沖で監視活動を実施。翌7日、正式な拿捕に踏み切った。米ホワイトハウスのレビット報道官は7日の記者会見で、「この船舶は制裁対象の石油を輸送していたベネズエラの影の船団の一部であり、現政権下では容認しない」と述べ、強硬姿勢を鮮明にした。これに対し、ロシア外務省は8日、「民間船舶を事実上乗っ取り、乗組員を拘束した行為は国際海事法の重大な違反だ」と反発し、深刻な懸念を表明した。米国側はその後、拘束していたロシア人船員2人を解放する方針を決定している。
ベネズエラで大統領拘束に成功したことを受け、トランプ政権は対外的圧力を盾に主導権を確保する姿勢を強めている。その矛先は西半球に位置するグリーンランドにも及び、不安と緊張が広がっている。ベネズエラで軍事作戦が行われたのと同じ1月3日、Xに星条旗で塗りつぶされたグリーンランドの地図が投稿された。投稿したのは、トランプ大統領の側近で、スティーブン・ミラー次席補佐官の妻、ケイティ・ミラー氏で、第1次トランプ政権で大統領顧問を務めた人物。投稿には「まもなく」との短い言葉が添えられていた。これに対し、デンマークは即座に反発した。4日、フレデリクセン首相は声明で、「米国に対し、歴史的に緊密な同盟国とその国民に対する脅しをやめるよう強く求める。グリーンランドの人々は、自分たちは売り物ではないと表明している」と述べた。
一方、トランプ大統領自身も、グリーンランド領有への意欲を改めて示した。9日、記者団に対し、「米国が行動しなければ、ロシアか中国にグリーンランドを支配されてしまう。デンマークとは穏便な方法で合意したいが、できなければ強硬な手段に出る」と語った。政権中枢からも強い発言が相次いでいた。5日、ミラー次席補佐官は米CNNの番組で、「グリーンランドは米国の一部であるべきだというのは、この政権の発足以来、実際にはトランプ1期目に遡る米政府の公式の立場だ」と主張し、「グリーンランドの将来をめぐって、米国と軍事的に戦おうとする国など存在しない」と言い切った。6日には、ホワイトハウスのレビット報道官が声明で、「トランプ大統領は、グリーンランドの取得が国家安全保障上の優先事項で、北極圏での敵対勢力の抑止に不可欠だと明言している」と説明した。その上で、米軍の最高指揮官である大統領にとって「軍の活用は常に選択肢の一つ」だと述べ、軍事力行使の可能性にも言及した。8日には、バンス副大統領が、「欧州の指導者に伝えたいのは、米国大統領の発言を真剣に受け止めるべきだということだ」と述べ、欧州がグリーンランドの安全保障を重視しないのであれば、「米国が何らかの対応を取らざるを得なくなる」と警告した。
こうした発言の連鎖に、デンマーク側の警戒感は一段と強まっている。フレデリクセン首相は、「米国がNATO加盟国を軍事的に攻撃することを選ぶなら、NATOを含め、第2次世界大戦終結以降に築かれてきた安全保障体制のすべてが停止することになる」と強い表現で警鐘を鳴らした。緊張の高まりを受け、マルコ・ルビオ国務長官はデンマーク側との協議に乗り出す姿勢を示している。7日、ルビオ氏は「誰が大統領であっても、国家安全保障への脅威があると判断すれば、軍事的手段で対処する選択肢を持っている。ただし、外交官として私は常に別の方法で解決することを望んでいる」と述べ、12日からの週にグリーンランドを巡ってデンマークと協議する考えを明らかにした。さらに、ホワイトハウス内部で、グリーンランド住民への一時金支給案が検討されていたことを、ロイター通信が報じた。1人当たり1万ドルから10万ドル、日本円で約158万円から約1580万円を支給する案について、政府関係者や補佐官らが協議したという。支払い総額は約60億ドル、約9470億円に達する可能性があり、デンマークからの分離を促し、将来的な米国編入を目指す狙いがあるとみられている。
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【光通信と次世代半導体】IOWNが変える“遠隔医療の未来”2026ニッポンの逆襲は?
2025年12月、東京ビッグサイトで開かれた世界最大級の半導体国際展示会。北海道で次世代半導体の量産を目指す「ラピダス」をはじめ、国内外の有力企業が一堂に会する中、ひときわ人だかりを集めるブースがあった。NTTが開発を進める次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」。現在の通信ネットワークは、光で送られた信号を途中で電気に変換しながら処理する仕組みが主流となる。一方、IOWNは光を電気に変換することなく、光だけで通信と処理を完結させる。この技術により、通信遅延は従来の約200分の1にまで短縮され、データ容量は125倍に拡大。さらに消費電力は100分の1に抑えられることが可能となる。膨大なデータ処理が不可欠となる次の時代のインフラとして、世界が強い関心を寄せている。
IOWNがもたらす変革の一つが医療分野。遠隔医療やリハビリへの応用が現実味を帯びる。東京と福岡をIOWNで接続し、トレーナーの動きを遠隔地に伝える装置を用いたリハビリの実証では、福岡側の担当者が腕を動かすと、東京にいる体験者の腕が、まるで隣で直接サポートを受けているかのように自然に動かされた。低遅延・大容量という特性が、距離の壁を限りなく小さくしている。NTTの担当者は「遠隔地からでもリハビリやサポートが可能になれば、地方の過疎化問題の解決や、移動時間の削減によって新たな労働力の創出にもつながる」と語る。人口減少と過疎化が進む日本にとって、医療インフラの在り方を根底から変え、社会的課題の解決に寄与する可能性を秘めている。
もう一つ、IOWNが持つ大きな強みが「省電力」。生成AIの急速な普及により、世界的に深刻化しているのが電力不足の問題。国の試算では、デジタル化の拡大によって、2050年には日本国内のデータセンターだけで約1万2000テラワット時もの電力が必要となり、現在の総発電量の12倍に達するとされる。消費電力を100分の1に抑えるというIOWNの構想には、インテルやソニーなど、世界を代表する約180社が参画している。NTT・IOWN推進室の荒金陽助室長は、「世界でモノを売り、サービスを展開することが前提。NTTグループ単独で完結するとは考えていない。グローバルな企業と連携しながらも、その中で日本企業が重要なポジションを担うことを実現したい」と語る。
一方、通信と並び次世代技術のもう一つの柱となるのが半導体。仙台市に本部を置く東北大学では、消費電力を劇的に抑える次世代半導体の研究が進んでいる。カギとなるのは「スピントロニクス半導体」。電子が持つ「電気」と「磁石」という二つの性質を活用する新しい技術。研究を率いる同大国際集積エレクトロニクス研究開発センター長の遠藤哲郎教授は、「スピントロニクス半導体が社会のあらゆる場面に導入されれば、スマートフォンは一度の充電で2~3週間使えるようになる」と語る。従来のシリコン半導体では、AI処理時に約2000ミリワットの電力を消費し続けるのに対し、スピントロニクス半導体を用いたAI処理では、ピーク時でも40ミリワットに抑えられる。消費電力は実に50分の1。さらに、この半導体は電源を切ってもデータを保持できるという特性を持つ。
遠藤教授がこの研究に情熱を注ぐ背景には、東日本大震災の経験がある。「家族や学生の安否を確認したくても電話がつながらず、かけるたびにバッテリーが減っていく。災害時に、通信機器がいかに脆弱かを痛感した。性能を向上させるだけでなく、少ない電力で本当に役に立つ技術が必要だと強く思った」。かつて、電機大手「東芝」で半導体開発の最前線で従事した経験があり、日本の盛衰を見つめてきた遠藤教授は、半導体技術の向上を踏まえた日本の進むべき道をこう指摘する。「半導体を持たざる国は、経済安全保障を守れない。基礎研究から、企業が世界で勝ち抜く段階まで、国が支援することが大事」。光でつながる通信、磁石で記憶する半導体。エネルギー制約という世界共通の課題を前に、日本発の技術が挑もうとしている。2026年、日本の逆襲は静かに、確実に加速しつつある。
★ゲスト:永濱利廣(第一生命経済研究所)、ジョセフ・クラフト(経済・政治アナリスト)
★アンカー: 末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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■『BS朝日 日曜スクープ』2025年3月23日の放送内容は現在、公開中です。
【中国に対峙する台湾・金門島】戦跡が物語る“砲撃の記憶”防衛拠点の現実と島民生活
中国福建省の廈門(アモイ)から約5キロの距離に位置する台湾・金門島。人口は約14万人、面積は150平方キロメートルの小さな島で、基幹産業の観光と漁業で発展を遂げてきた。金門島は長年、中国との緊張関係の中で、重要な軍事拠点として機能してきた。最盛期には、約14万人が駐留していたとされる軍隊は、約3000人まで縮小されたが、現在も、島の重要な防衛を担っている。
かつては、砲撃戦が繰り広げられた歴史がある。金門島は1949年の古寧頭戦役、1958年の金門砲戦という2つの戦いの舞台となった。古寧頭戦役では、中国・人民解放軍が金門島に上陸し、蒋介石が率いる国民党軍と激しい戦闘を繰り広げた。この戦いで、国民党軍が防衛の成功を収めた。金門砲戦では、人民解放軍は、金門島に44日間で47万発超の砲弾を撃ち込んだ。島内には、防空壕、砲弾の残骸などの軍事遺構が数多く残されており、戦争の記憶を今に伝えている。
★ナレーター:佐分千恵
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■『BS朝日 日曜スクープ』2024年11月17日の放送内容は現在、公開中です。
【熊谷6人殺害その後】遺族が警察の対応を問う裁判“最高裁も上告棄却”不受理の決定
「熊谷6人殺害その後」司法はまたも遺族の訴えを退けた。家族3人の命を奪われた加藤裕希さんは、当時の警察の対応を問題視して裁判を起こしていたが、最高裁が加藤さんの上告を棄却した。
事件が起きたのは2015年9月。ペルー人の男が埼玉県警の熊谷警察署から逃走し、その翌日、熊谷市内で50代の夫婦を殺害した。さらにその後の2日間で、80代の女性を殺害した後、加藤さん宅に侵入し、妻と2人の娘を殺害した。男は一審の裁判員裁判で死刑を言い渡されたものの、控訴審で減刑され無期懲役が確定している。
加藤さんが自ら起こした裁判では、最初の殺人事件が起きたときの埼玉県警の対応を問題にした。県警は熊谷署から逃走中だったペルー人の男を「参考人」として全国に手配していた。しかし、県警は男の逃走を公にせず、防災無線などを用いての注意の呼びかけもないまま、連続殺人に至った。
加藤さんは「最初の殺人事件が起きたとき、埼玉県警が『逃走犯による無差別殺人の可能性がある』と広報していれば、私も妻も警戒を強めて、犯行を防ぐことができた」と訴えた。しかし、1審、控訴審ともに、加藤さんの訴えを退けた。そして今回、最高裁も加藤さんの上告を受理せず、棄却した。
加藤さんは、最高裁が上告を受理しなかったことについて「闘う土俵にも上れず、悔しい」と話している。ご家族の3人には、「気持ちの整理がつかず、裁判の結果を報告できない」という。
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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■『BS朝日 日曜スクープ』2023年9月10日の放送内容は現在、公開中です。
【熊谷6人殺害国賠訴訟】上告理由書を提出“警察裁量”不当性の存否◆日曜スクープ◆
2015年に埼玉県熊谷市で男女6人が殺害された事件で、妻と娘2人の殺害は県警の近隣住民への注意喚起が不十分として、遺族の加藤裕希さん(50)が5日、最高裁判所に上告審として受理することを求める理由書を提出した。今年6月、加藤さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求は、控訴審で棄却されていた。最高裁で上告が受理されて審理の対象となるのは2022年の場合、1.3%の狭き門だった。
訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その「予見可能性」に基づく「結果回避義務」の存否が争点となったが、東京高裁は今年6月、危険の切迫性を認めながらも、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示し、控訴を棄却していた。
加藤さん側が提出した理由書によると、埼玉県警幹部は「屋外の通り魔事件であれば1件発生しただけで連続発生を想定すべきであり、屋内事件であれば2件続けて発生しない限り連続発生を想定できない」とする、いわゆる「1件2件論」を主張する。しかし、加藤さん側は「1件2件論」は警察庁が否定しており、また、裁判例や法律文献もなく、その主張の信用性を吟味することなく、埼玉県警幹部の証言を鵜呑みにした控訴審の判決理由に不備があると訴えている。今回の理由書の提出を受けて、加藤さんは「どうにか公正な判断を司法に求めて、勝訴に向けて頑張っていければとは思います」と現在の心境を語った。
▽埼玉・熊谷6人殺害事件
2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
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■『BS朝日 日曜スクープ』2023年8月13日の放送内容は現在、公開中です。
【玉本英子ルポ破壊された街】砲撃の連続で“民間人犠牲”戦禍の現実◆日曜スクープ◆
遠方から砲声が鳴り響き、砲弾が降り注ぐ街で、殺戮と破壊の連鎖が続く。ジャーナリスト・玉本英子氏(アジアプレス)は、今年5月初旬にウクライナに入った。ザポリージャ州南部の戦闘地域から約7キロ離れたオリヒウ市内は、ロシア軍による砲撃と大型爆弾の投下で、住宅や学校などが無残に破壊されていた。約9割の住民が避難で街を離れたが、約200人が避難する学校を取材した玉本氏は、戦争の理不尽に耐えながら生活を余儀なくされる住民の苦難を目撃する。玉本氏が取材した翌月、ウクライナ軍は、このオリヒウを拠点に、大規模反転攻勢に着手した。また、昨年8月、玉本氏は南部ヘルソン州での取材で、ウクライナ軍の隊長と出会った。だが、今回の取材中、玉本氏に悲報が届く。激戦地バフムトに転戦した隊長は、塹壕で砲弾を受け亡くなった。ジャーナリスト・玉本英子氏は今回の取材を通じて、戦禍の日常と現実にどう向き合ったのか。ロシアの侵略により、市民が受けた痛苦と不条理を伝える。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ①】南部“最前線の街”激化するロシア砲撃◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。南部ザポリージャ州のオリヒウでは今年5月、ロシア軍による砲撃が絶え間なく続いていた。戦闘地域から7キロの“最前線の街”だ。取材の翌月には、ウクライナ軍がこのオリヒウを拠点に、反転攻勢に着手している。玉本氏が取材した時点でも、学校や住宅など、至るところに砲撃の跡があり、高齢者ら、避難できなかった住民が、数少ない残った建物に身を寄せていた。そこで住民たちが祈っていたことは…。さらに玉本氏は、複数のウクライナ軍の検問所を通過し、戦闘地域により近いマラ・トクマチカにも向かった。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ②】ヘルソン州“奪還”後も苦難…庭に砲弾◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ヘルソン州のドニプロ川西岸からロシア軍が撤退したのは去年11月。玉本氏は今年5月にヘルソン市内を訪れたが、ロシア軍からの砲撃が続き、市内の人影は少ない。玉本氏は、ロシア軍撤退前の去年8月、ヘルソン市郊外の集落を取材しており、今年6月に再訪すると、避難していた住民の一部が帰還していた。しかし、庭先には砲弾が残り、電気や水道などのインフラも復旧はこれからだ。さらに、取材中の玉本氏に悲報が届いた。去年8月の取材を受け入れたウクライナ軍の隊長が激戦地バフムトに転戦し、戦死したのだ…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ③】集合住宅まで崩壊…起きなかった奇跡◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ウクライナ中部の都市ウマニは今年4月末、集合住宅がロシア軍のミサイル攻撃を受けて崩落した。午前4時の攻撃で、子ども6人を含む23人が命を奪われている。その翌月、玉本氏が現地を訪れると、犠牲者23人の写真が掲げられ、多くの子どもたちが友達の写真を見つめていた。6階に住んでいたヘレナさん(53)は、娘夫婦と暮らしていたと言う。ヘレナさんは、別の部屋で寝ていた娘夫婦の無事を祈り、奇跡を願ったのだが…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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