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#187

床面積を削り自然を味方につけた まるで温室のような家

 東京は東急大井町線の九品仏駅。駅前から参道が続く浄真寺は「九品仏」として長年親しまれてきました。「九品仏」の名前の由来は浄真寺にある九体の阿弥陀如来像から名付けられたそうです。
 今回はそんな浄真寺のすぐそばに建つ築50年の木造2階建てを購入し、リモデルされたA邸。ロンドンで暮らした経験から、元の家が持つ個性に魅力を感じ、リノベーションして暮らすことにしました。
 以前は3世帯が住んでいたので部屋数が多く壁などで仕切られていた為、部屋の中には光が入らず、全体に寒くて暗い印象でした。
 ご夫婦共寒がりだったのもあり、光と風が入る、冬は暖かく夏は涼しい家にしたいと、この番組のH.Pで見つけた建築家に依頼しました。実は、番組で2011年にリモデルされたご自宅を取材。暗くなりがちな住宅密集地で明るさを得るため、建物を二つに切り、真ん中をガラスで繋げるという斬新な設計でしたが、冬は暖気が部屋中に巡らないことが気になっていました。そこで、今回のAさんの依頼で建築家が考えたアイデアは、空気を調整する部屋を作ったこと。
 思い切って2階の床を抜いて吹き抜けにし、アクリル板で仕切り、2階に大きな空気の部屋を作ったんです。
アクリル板で仕切ることで、一年中光が入り、冬は暖気が逃げずに暖かさを保てるようになりました。また夏は天井に設けた扉を開けることで、家全体に風が通るように。そのせいか夏はエアコンをほとんど使っていないそうです。
 ファサードは、元からあった梅の木を囲むようイタリア製のエキスパンドメタルに。奥様が出産で里帰りしていた時に見ていたご実家の梅の木。そんな梅の木への想いが、ここではA邸のシンボル・ツリーになっていました。
 
設計担当: 今村水紀+篠原勲
株式会社miCo.:http://micomico.co.jp/

【平面図】

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