みどころ

#292

鉄路でたどる おくのほそ道 絶景めぐり 鳥海山編(#292)

かつて松尾芭蕉が歩いた奥の細道を鉄路でたどる旅。
後編は鳥海山をお供に、山形から秋田へと向かいます。
芭蕉の時代から変わらぬ景色やすっかり変わってしまった絶景まで、その痕跡も様々…
最後は高原鉄道に乗り換え、また違った鳥海山の雄姿を満喫します!

初回放送日:2021年9月30日(木)

玉簾の滝
約1200年前に弘法大師が発見・命名したとされている。
山形県随一の高さ65m、幅5mの名瀑。

十六羅漢岩
かつて鳥海山が噴火した際に、
日本海に流れ出した安山岩に彫られた磨崖仏。

九十九島
松尾芭蕉が憧れた「おくのほそ道」最北の目的地。

道の駅象潟「ねむの丘」 レストラン眺海
九十九島を一望する道の駅「ねむの丘」にあるレストラン。
地元で上がった新鮮な魚を使った地魚丼は絶品。

前郷駅 タブレット交換
由利高原鉄道・前郷駅で行われているタブレット交換。
全国の旅客鉄道の中でも、見られるのはほんの数路線のみ。

鳥海高原花立牧場公園
鳥海山の北麓に広がる高原。
鳥海山を一望する絶景スポット。

撮影ポイント 羽越本線 遊佐駅~吹浦駅

撮影ポイント 由利高原鉄道 吉沢~川辺

この旅のベストショット!

旅人の独り言…

「おくのほそ道」をたどる鉄路の旅、鳥海山編のベストショットは象潟の九十九島。
松尾芭蕉が「期待に心が気負い立つ」というほど訪問を熱望した、最北の到達地が象潟だった。
しかし—、私が九十九島を初めて見たときは、正直あまりピンとこなかった。
田んぼの中に小ぶりな丘が点在する姿は、確かに珍しいには違いない、でも・・・。
そんな私の考えが一変したのは、近くの道の駅象潟「ねむの丘」の展望台で、
昔の九十九島を描いた風景画を見たときだ。
なんと、今の畑となっている部分は、かつては海。
それこそ松島のように入江の中に島々が点在している。
1804年の地震で地面が隆起し、陸になったのだった。
想像してみる。鳥海山の下に広がる入り江、そこに点在する無数の小島。
芭蕉の高ぶりが一気に腑に落ちた。
風景を一変させた自然の力を実感でき、芭蕉が見ていた当時の風景にも想いを馳せることができる。
なんて贅沢な絶景なのだろう。
そこで改めて、九十九島を上空から狙った今回のベストショット。
田んぼの部分を海だと思って眺めれば、ワンカットで2度楽しめるのでは。
 
担当ディレクター 関口準