番組表

放送内容

ウイッグ・刺繍ししゅう・医療支援~看護師の不思議な生き方~

「助かる病気』となって久しい、がん。抗がん剤の影響で頭髪が抜けるためウイッグは必要不可欠なものですが、高価すぎたり質が思わしくないなど、患者にとっては大きな悩みの一つ。その脱毛期をサポートしたいと一念発起、資金5万円で専門美容室「ディピア」を開業した
 
佐藤真琴さん(48)。アメリカ留学後、一般企業に就職。しかし母が寝たきりになったことをきっかけに看護学校へ通い看護師の資格を取得。実習で白血病の患者と出会い、ウイッグとケアの必要性を知ったことが起業の始まりです。
 
美容室ではシャンプー、ブロウ、パーマ、カラーリングなどオシャレの楽しみも見出せる仕組みを作りました。力を入れているのは「アピアランスケア」というがん患者の外見上の悩み(髪・爪など)をサポートする取り組み。美容室は完全予約制、それぞれの悩みを打ち明けられるため、ウイッグと過ごす人々の寄合い場所となっています。佐藤さんの口癖は「買わなくていいから」。他社製品のケアも好んで行い、補修やお直しは佐藤さんが自ら針仕事、その商売っ気のなさ、人柄が好きでやってくるお客さんも多くいるといいます。
 
また、毎週水曜日・木曜日に佐藤さんが向かうのはふるさと「静岡」。その目的は、海外発のプロジェクトのサポート。病気の予測や新しい治療法の開発につながる研究のサポートをすることで医療の知識を得ています。
 
そのバイタリティーあふれる佐藤さんの得意分野は、産学協同の地域連携の組み立て。現在は地方創生を目指す福岡県みやこ町と、西南女学院大学とともに活動を進めています。
 
働いていない時間はないという佐藤さん。趣味は布巾に刺繍をすること。ウイッグの補修の針仕事のトレーニングも兼ねているといいます。ほっと一息つきたいときに刺繍、新幹線の移動中も刺繍…その静かな時間が唯一の癒やし…。医療支援に町おこし、刺繍を愛する佐藤さん。そのバイタリティあふれる魅力に迫ります。