番組表

放送内容

どっこい生きてる ~高岡銅器の異端児~

伝統工芸・高岡銅器。富山県高岡市は、国内シェア90%以上といわれ、400年の歴史を持つ銅器製造の町です。しかしバブル崩壊以降、銅器の売り上げは低下を続け、衰退の一途…。その窮地に、ひとりの男が立ち上がりました。銅器製造の最終工程「着色」を担当する工場の3代目、折井宏司さん(56)です。
 
一度は東京でサラリーマン生活を送っていた折井さんですが、廃業寸前の家業を救うために帰郷。しかし待っていたのは、下請け仕事の減少とどん底の経営状況でした。そこで彼が選んだのは、高岡銅器の世界では「異端」とされた、自社での企画・製造・販売というイノベーションでした。問屋や職人たちからの風当たり、幾多の困難に直面しながらも試行錯誤を重ねた折井さん。そして奇跡的に誕生したのが、銅を薬品と熱で発色する「折井ブルー」と呼ばれる色です。この複雑で鮮やかな青色は、今や国内外で高く評価され、高級ホテルや建築資材にも採用されるなど世界中を魅了しています。
 
社名も「折井着色所」から「モメンタムファクトリー・Orii」に改めました。現在、従業員は19人。平均年齢は35歳で大半は女性。この業界では異例の若さと男女比です。富山県内に限らず、全国いろいろな場所から折井製品に魅せられた職人が集まります。「今の社内は良い雰囲気になった」と語る折井さん。休みの日には社員同士でキャンプに出かけることもあり、会社の雰囲気は朗らかで楽しそうです。
 
多難な人生を「どっこい生きとるがよ!」と笑顔で語り、ど根性で業界を変えてきた折井さんの奮闘劇。高岡銅器の異端児の思いに迫ります。