番組表

放送内容

あした、ハレの日 ~着付師の奮闘記~

石川県白山市の着付け教室「金澤和装塾」代表の本田久美子さん(67)。和裁士だった母の影響で着物に魅せられ着付師の道へ。44年のキャリアでこれまで1万人以上に着付けてきました。
着物文化を次の世代へつなぐため、本田さんが考案したのが、ドレスの上に着物をまとわせる独自の技術「和装ドレス」。タンスに眠る思い出の振り袖や、サイズの合わなくなった大切な着物を、ハサミを一切入れずにドレスへとよみがえらせる、歴史と思いをつなぐ新しいスタイルです。
 
令和6年能登半島地震以降は、復興応援の願いを込めて、結婚式ができていない夫婦へ和装ドレスの衣装提供や、被災した高校生や着物作家をモデルにしたドレスショーを開催。「私にできるのはお祝いの席に着せてあげることだけ」と、レンタル費やヘアメイク代などを自費で負担しており、教室が赤字になる月も少なくありません。
イベントとなれば、着付けの指示からスケジュール管理、不慣れなイベント全体の監督まで、すべてを一人でこなす本田さん。家族に心配されながらも深夜まで仕事に没頭し、翌朝の朝刊を読んでから眠るという、まさに身を削るような毎日を送っています。
 
これほどまで彼女ががむしゃらに走り続ける背景には、50歳の時にステージ4の乳がんと診断され、今も通院を続けている現実があります。さらに1年前には、同じ病で最愛の妹を亡くしました。
「誰だって、あしたの保証があるわけではない。だけどきょう笑っていれば、きっとあしたがくる」
着物の持つ力で誰かの晴れ舞台を笑顔に変えていく。ご縁を結ぶ着付師の奮闘記です。