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#1718

中央アジア探検隊 シトロエンの功績

1932(昭和7)年の日本といえば、ハワイで真珠湾攻撃を僅か9年後に控えた、いまでは想像もつかない“キナ臭い時期”であった。そんな年に、プジョーやルノーよりも後発のメーカーであるシトロエンは、世界の探検家が夢見る中央アジアに“史上初の自動車探検隊”による一大調査旅行を完結させた。
1919年創業のシトロエン(昨年は100周年だった)は当初から“道なき道も走れるキャタピラ駆動”を開発しており、1923年には世界で初めてのクルマによるサハラ砂漠横断に挑戦していたのだ。“クルマ以上に多くのカルチャーを生み出すメーカー”と呼ばれるシトロエンの功績の中でも、これは別格だろう。