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ダイアベティス(糖尿病)は、今や地球規模で急増する注意すべき病気のひとつです。2025年4月に国際糖尿病連合(IDF)が発表した『IDFアトラス第11版』によると、世界の成人(20~79歳)におけるダイアベティス(糖尿病)人口は5億8,900万人で、その約43%(2億5,000万人)が医療機関未受診とされ、糖尿病腎症や糖尿病網膜症などの合併症や併存症の発症リスクが高い状況にあるとされています。特に、日本を含む西太平洋地域はダイアベティスの増加が顕著で、その背景には日本人を含むアジア人が農耕民族として培ってきた菜食中心の食生活が、欧米の肉食中心の食生活に変化し、肥満が増えたことがその一因として挙げられます。日本人は欧米人に比べて内臓脂肪が蓄積しやすく、内臓脂肪が増えることによって、血糖値を下げるインスリンの働きを助ける「アディポネクチン」というホルモンが低下することなどが明らかになっています。番組では、肥満に対して医療が早期介入することによって、ダイアベティスの発症を予防する、またはダイアベティスの重症化や合併症、併存症の予防につながることをわかりやすく解説します。
また、「糖尿病」という呼称は「尿」という排泄物に起因した病気を想起させることなどから、スティグマ(偏見)を生じさせ、医療機関の受診などを妨げています。糖尿病という呼称は1907年(明治40年)、尿検査で尿に糖が漏れ出すことを調べ診断していたことから日本内科学会が命名しましたが、近年は血液中の血糖値を調べ診断することから、糖尿病という呼称は医学的に正しくないとしてJADEC(日本糖尿病協会)と日本糖尿病学会は「糖尿病」から「ダイアベティス」へ呼称変更することを提案しました。ダイアベティスとは食事などから摂取した栄養などが吸収されずに体外に排出され、様々な病態を呈することを意味します。糖尿病に代わる呼称として「高血糖症」や「インスリン分泌不全症」なども検討されましたが、糖尿病の多様な病態を示す言葉としてふさわしくないとして、世界共通語としての「ダイアベティス」とすることが提案されました。番組ではダイアベティス(糖尿病)という呼称の真意についてわかりやすく解説するとともに、北海道大学病院に開設された「ダイアベティスマネジメントセンター」の取組なども紹介し、ダイアベティス(糖尿病)の正しい理解につなげます。
<解説>
■JADEC(日本糖尿病協会)
理事長 清野裕 先生
アジア糖尿病学会理事長
京都大学名誉教授
■JADEC(日本糖尿病協会)肥満部会
委員長 窪田直人 先生
熊本大学大学院生命科学研究部 代謝内科学講座 教授
■JADEC(日本糖尿病協会)
理事 門脇孝 先生
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 院長
東京大学名誉教授
■JADEC(日本糖尿病協会)
理事 中村昭伸 先生
北海道大学病院 ダイアベティスマネジメントセンター部長