放送内容

#26

華道家 池坊専宗

仏様に花を供えた習慣が始まりとされるいけばなの歴史。飛鳥時代にその原型となる文化が存在していたと言われ、室町時代に成立した。その後、社会の変化に応じた花形を創出しつつ、多くの人々に受け入れられてきた。
いけばなには多くの流派があるが、いけばなの根源とされるのが、華道家元池坊だ。
池のほとりに居住していたことから「池坊」と呼ばれるようになり、室町時代には京都六角堂の僧侶が生けた花が京都中の人々の間で評判になった。
そんな560年の歴史をもつ「池坊」に生まれたのが、池坊専宗、30歳。
将来的には池坊を背負って立つ人物だ。
東大法学部を卒業後、池坊の後継者として本格的に華道を学び始めた専宗。今では、若い世代へのさらなる華道の普及にも注力している。
 
11月、江戸時代から続く最大最古のいけばな展が開催された。「旧七夕会池坊全国華道展」。専宗のいけばなが、華道家元四十五世・池坊専永家元、池坊専好次期家元と並んで展示される年に一度の機会。この花展に向け、専宗は花壺の敷板にする古木を探し歩いていた。
果たして「池坊」のプリンスが目指す「いけばな」とは何なのか。
華道家として彼の歩む道にカメラは密着した。