番組表

広告

バックナンバー

#15

古都に息づく利休を訪ねよ

大陸より伝わって以来、茶の文化が深く根付く京都。その長い歴史の中でも特に大きな存在が、安土桃山時代、「茶の湯」を完成させた千利休。この街には、今なお利休の面影の残る場所が数多くあるのです。
まず訪れたのは、京都の茶といえば誰もが思い浮かべる「宇治」。室町時代より茶の名産地として知られ、この地で育まれたお茶は「宇治茶」として親しまれてきました。そんなこの地で、茶の伝統を守り続けてきたのが老舗茶舗「上林春松(かんばやししゅんしょう)本店」。初代、上林春松は天下人、豊臣秀吉に仕え、千利休とも親交があったといいます。この店に伝わる、利休ゆかりのものとは。そして11月は「茶の正月」と言われる季節。今年摘んだ新茶を壺から開ける茶人の儀式「口切の茶事」を特別に見せて頂きます。
室町時代、3代将軍足利義満が建てた「相国寺(しょうこくじ)」は、茶の文化と深い関わりのある禅寺。実はこの寺ではあの織田信長による茶会が開かれ、そこには千利休が列席していたと伝わります。利休が「茶の湯」を広めるよりも前の、今とは全く違う茶会の様子とは? そして鎌倉時代の終わりに開かれ、のちに利休も深く関わった寺が大徳寺。その中にある「瑞峯院(ずいほういん)」には、特別な茶室があります。それは、千利休が作った茶室「待庵」を、現代の技術で忠実に復元した「平成の待庵」と呼ばれる場所。特別に中へ入らせて頂き、実際にお茶を頂きながら、茶室の原型とも言われる様々な工夫を見せてもらいます。現在の茶道の礎となった利休のおもてなしの心とは…。
また、茶の心は茶室だけでなく、使う道具にも宿っていました。中でも茶釜の伝統を今に伝えるのが現在16代目を数える大西清右衛門さん。中でも利休好みと言われる貴重な茶釜を見せて頂きます。そこに施された意外な工夫とは。
さらに江戸時代より生麩を作り続ける老舗「麸嘉(ふうか)」へ。利休の茶会で度々出されたという茶菓子を特別に食べさせて頂きます。
そして、織田信長と豊臣秀吉ゆかりの寺「黄梅院(おうばいいん)」には、利休が手掛けたという美しい庭が今も大切に受け継がれていました。
この街に残る利休ゆかりの地を訪ね、奥深い茶の心を感じます。