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#86

千利休と二人の天下人

今、ある歴史小説が注目を集めています。日本史上で最も有名な茶人・千利休が、天下人・豊臣秀吉の元で暗躍する様子を描く『茶聖』。今回は中村芝翫さんが、京都に残る利休ゆかりの地を巡りながら、その知られざる真実と、意外な素顔を探る旅に出ます。そして千利休という文化人と深く関わった秀吉と織田信長の思いを明らかにします。
旅のはじまりは、多くの塔頭を抱える禅寺、大徳寺。秀吉の怒りを買い、詫びを入れること無く切腹した千利休。彼はなぜ死を選んだのか?その謎を解く鍵を握るのが三門・金毛閣。ここから利休の人物像を探る旅へ出発。
 大徳寺塔頭、総見院で分かるのは、この寺を菩提寺とする織田信長と利休の関係。堺の商人・利休を茶頭として召し抱えた信長。その狙いとは?また出身地 堺の重要性も明らかに。
 京都五山の一つだった相国寺は、信長が茶会を2回開き、その両方に利休も列席していたという場所。信長はなぜ、茶の湯を武士のたしなみとしたのか?やがて迎えた「本能寺の変」。実は明智光秀は秀吉ではなく利休に負けた?
 大徳寺塔頭、瑞峯院では、利休が考案した究極の茶室・待庵を忠実に再現した「平成待庵」へ。利休のもてなし、一汁三菜を再現。しつらえや茶器など、そこに込められた深い意味とは?
 さらに歴史の定説で「秀吉と利休の確執の元」とされるのが、秀吉が造った黄金の茶室。それは果たしてどんな茶室だったのか?京都最古の能楽堂、大江能楽堂でそのイメージを再現。仕掛け人は意外にも、利休だった!?
北野天満宮で探るのは、利休が手がけた一大茶の湯イベント「北野大茶湯」。貴重な絵図から、茶の湯に込めた利休の思いが浮き彫りになります。
利休は真の芸術家か、それとも戦国最大のフィクサーか。その人物像を探ることで、京都の新たな魅力と出会います。
 
【専門家出演者】
●小説家
伊東潤さん

●茶道家
木村宗慎さん