番組表

広告

バックナンバー

#9

古都を見守る塔の謎

京都と言えば、八坂の塔や東寺の五重塔など……歴史ある街なみに馴染んだ「塔」のある風景を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
でもそもそも、塔はなぜ建てられたんでしょう? そしてなぜあれほど高く作られるようになったんでしょうか? 今回はそんな、知っているようで知らない塔の謎をひも解くため、中村雅俊さんが古都の塔をめぐります。
まずは新幹線からも見えることでお馴染みの京都のランドマーク、東寺の五重塔へ。そこで塔が作られるようになった理由が明らかに。さらに今回は特別に五重塔の内部へ。中に入ることで東寺の五重塔に込められた特別な意味も分かるんです。
東寺の五重塔はおよそ55メートルあり、現在、日本で最も高い木造の塔ですが、実は日本の長い歴史の中には、さらに高い塔が作られた事があったんです。中には100メートルを超える巨大なものも。しかもその塔は、それまで絶対に塔を作ってはならない「禁断の場所」に建てられたと言うのです。一体、誰がどんな目的でそんな塔を建てたのでしょうか? 中村さんが実際にその禁断の地に足を運び、秘密を探ります。

かつて盛んに作られた塔の多くは落雷や火災などにより失われてしまう事が多かったのですが、実は京都には作られてから1000年以上残る貴重な塔があります。それが、豊臣秀吉の開いた「醍醐の花見」で有名な醍醐寺にそびえる五重塔。京都にある木造の塔で最も古く、特に美しいと言われます。ここでは塔の美しさの秘密、そして塔で最も大切な部分とは一体どこなのかが明らかに。中村さんの想像を超える、意外な事実に衝撃を受けることに。
そして今回は特別に、京都を飛び出してもう一つの古都、奈良へ。
1300年前の姿を今に残す薬師寺、東塔。12年におよぶ大修理を終えたばかりで話題ですが、その修理中に驚くべきものが発見されました。それは塔が建てられた本来の意味とも深く関わる貴重なものだったんです。
京都、奈良の塔をめぐる旅……これを見れば今まで知らなかった塔の秘密が分かり、塔の見方が大きく変わるはず。ぜひお楽しみに。


【専門家出演者】
●らくたび代表
山村 純也さん

 


 

古都を見守る塔の謎
知っているようで知らない塔の秘密。そもそも塔はなぜ建てられ、なぜ高いのか?日本の歴史上最も高い幻の塔とは?塔の一番上にある物の正体とは?中村雅俊が、塔の秘密を探る旅へ!

 

日本一高い五重塔
最初に訪れたのは、京都市南区の教王護国寺「東寺」。国宝の五重塔は高さ55mで、日本一高い木造の塔。塔の起源は、お釈迦様の遺骨「仏舎利」を祀るインドのお墓「ストゥーパ」だという。中国では「卒塔婆」と呼ばれ、「塔」は最初ドーム型だったが、中国に伝わると楼閣のように高くなり、日本に入ると三重塔や五重塔が造られた。
塔に込められた特別な意味を知るため、特別に五重塔の中へ!内部には仏像が祀られ、壁や天井には色鮮やかな絵が描かれていた。五重塔を造った弘法大師・空海は、曼荼羅の世界を内部に再現し、大切な「心柱」を「大日如来」に見立てたという。
塔自体が仏さまそのものと考えられており、遠くからでも拝めるように高く造られていた!

 

<東寺>
・住所:〒601-8473 京都市南区九条町1
・電話:075-691-3325
・公式サイト:https://toji.or.jp/

 

実在した歴史上最も高い塔は?
実は平安時代には、五重塔よりも高い塔があった。「京都市平安京創生館」には、「法勝寺 八角九重塔」の模型が展示されている。
歴史上最も高い塔は、京都御所のすぐ北にかつて存在した「相国寺七重塔」だという。足利義満が自身の権力を誇示するため、掟を破って御所の近くに高さ109mにもなるこの塔を建てた。
信仰の対象だった塔は、いつしか権力の象徴となり、高さを競うようになっていた!

 

<京都市平安京創生館>
・住所:〒604-8401 京都市中京区丸太町通七本松西入 京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)1階
・電話:075-812-7222
・公式サイト:https://heiankyosouseikan.asny.ne.jp/

 

<相国寺>
・住所:〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町701
・電話:075-231-0301
・公式サイト:https://www.shokoku-ji.jp/

 

京都最古!千年の塔
1000年以上現存する塔があるという「醍醐寺」へ。数ある塔の中でも特に美しいとされる「醍醐寺五重塔」は、951年に創建された。京都の中心部から少し離れていたことから戦火を免れ、奇跡的にその姿を今もとどめるという。上にいくほど屋根の幅が小さくなる「逓減率」という割合は、最も美しく見える絶妙な比率になっている。古い時代の塔ほど上の屋根が小さいそう。
内部に祀られる位牌には、醍醐天皇の名前が刻まれている。この塔は、醍醐寺に帰依した醍醐天皇の供養に建てられたものだった!

 

<醍醐寺>
・住所:〒601-1325 京都市伏見区醍醐東大路町22
・電話:075-571-0002
・公式サイト:https://www.daigoji.or.jp/

 

奈良・薬師寺 塔の最上部を間近で!
仏舎利は、塔の最上部の「相輪」に一般的に納められているそうで、近年実際に見つかったという。
相輪を間近で見るため、奈良県西ノ京町の「薬師寺」へ。塔の数や配置は、時代により変化してきたとのこと。実は三重塔だという「東塔」は、12年かけた史上初の全面解体修理を終えたばかり。相輪は新しい物に作り変えたそうで、創建当時の物を特別に拝見させていただいた。
相輪の一部である「東塔 水煙」の高さは1m90cmで、400kgにもなる。昔は金色に輝いていたそうで、24人の天人の透かし彫りがある。水煙が被せられていた心柱の最頂部に仏舎利が納められていたという。

 

<薬師寺>
・住所:〒630-8563 奈良県奈良市西ノ京町457
・電話:0742-33-6001
・公式サイト:https://yakushiji.or.jp/