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#11

右近・松也が迫る 日本人と刀

近年、女性からの人気が高まり注目を集める刀剣。実は京都は、古くから日本刀の代表的な産地の一つに数えられるほど、刀作りが盛んな場所でした。今回は、新作歌舞伎「刀剣乱舞」に出演する尾上右近さんと尾上松也さんが、日本刀とゆかりの深い京都で居合の達人・町井勲さんの案内のもと、日本人にとって刀がどのようなものなのかを紐解きます。
まずは、現在も刀を作り続けている亀岡市の「将大鍛刀場」へ。奥出雲で一年に一度のみ作られるという刀の原料・玉鋼からどのように日本刀が作られるのかを間近で見学。右近さんと松也さんは、熱した鉄を大槌で叩く「鍛錬」も体験します。暗闇の中、刀に魂を入れる「焼入れ」は必見です。まるで神事のような緊張感に2人が感じたこととは?
学問の神様・菅原道真公を祀ることで知られる「北野天満宮」は、多くの刀が奉納されている社でもあります。本殿の前に置かれた燈籠には、歌舞伎にも登場する名刀・髭切にまつわる物語が。そして実際に髭切を拝見します。美しい刀の姿に圧倒された右近さんと松也さん、歌舞伎と刀の関係を紐解くことで重要なことに気付きます。

今回の新作歌舞伎「刀剣乱舞」で松也さんが演じるのは「三日月宗近」、右近さんは「小狐丸」、どちらも名刀。その二振りの刀を作ったのが、平安時代に活躍した伝説の刀工・三条宗近です。
続いては、三条宗近ゆかりの場所で刀剣ファンの聖地として知られている「粟田神社」へ。なぜここが刀剣ファンの聖地となったのか?その理由に迫ります。さらに宗近が神様として祀られている末社の「鍛冶神社」にも足を運びます。
そして、右近さん演じる「小狐丸」に秘められた、魂が宿る日本刀だからこその考え方とは?さらに明治天皇が刀剣に込めた想いにも触れます。
この粟田神社をはじめ、建勲神社、豊国神社、藤森神社を回ると授与される人気の「京都刀剣御朱印めぐり」もご紹介。
神聖な刀剣の世界を思う存分堪能できる1時間です。


【専門家出演者】
●修心流居合術兵法 修心館 館長
美術刀剣「刀心」 町井 勲さん

 


 

右近・松也が迫る日本人と刀
古くから日本刀の代表的な産地の一つに数えられている京都。今回は、新作歌舞伎「刀剣乱舞」に出演する尾上右近とゲストの尾上松也さんが、刀剣とのつながりが深い京都を巡り、日本人と刀について探る!

 

京都に伝わる刀作りの現場へ
最初に訪れたのは、現在でも刀を作り続けている「将大鍛刀場」。刀の材料となる玉鋼と、一連の作刀作業を見せていただいた。刀匠の叩くリズムに合わせて槌を振るう「鍛錬」は、“相槌を打つ”の語源と言われ、刀匠の打つ槌の音で作業をコントロールする。
作刀作業で生まれる日本刀の鑑賞ポイントについて教えていただいた。

 

<将大鍛刀場>
・住所:〒621-0255 京都府亀岡市本梅町西加舎石敷32-1
・電話:0771-22-9800(一般社団法人 森の京都地域振興社(森の京都DMO))
・公式サイト:https://morinokyoto.jp/masahiro/

 

刀に魂が宿る瞬間
“刀に魂を入れる作業”とも言われる「焼入れ」。焼けた刀身の表面の色で温度を判断するため、暗闇の中で行う。
その光景を見た2人は「生命が生まれるようで、心揺さぶるものがある。魂としか言いようがない」と感慨に耽っていた。

 

北野天満宮 歌舞伎と名刀の関係
続いては、数多くの刀剣が奉納・所蔵されているという「北野天満宮」へ。
宝物殿で、「太刀 安綱 鬼切丸(別名 髭切)」とご対面!源頼朝をはじめ、歴代の源氏の武将に受け継がれ、鬼を斬った刀として信仰の対象にもなったという。
「髭切」の魅力について教えていただいた。歴代の持ち主が使いやすい長さや反りに変えてしまうことが多いため、作られた当時のままの姿というのは奇跡とのこと!

 

<北野天満宮>
・住所:〒602-8386 京都市上京区馬喰町 北野天満宮
・電話:075-461-0005
・公式サイト:https://kitanotenmangu.or.jp/

 

都で知る 歌舞伎と名刀の関係
「大本山大覚寺」には、土蜘蛛を退治したという「太刀 薄緑 (別名 膝丸)」が所蔵されている。
妖怪退治の伝説は、時の天皇や朝廷に対する反乱勢力を、妖怪に見立てて作られた勧善懲悪の物語だと考えられている。伝説では悪を倒す描写が多い刀は、歌舞伎において正義の象徴だという。
歌舞伎の世界でも、刀は神聖な存在だと改めて再確認できた。

 

<大本山大覚寺>
・住所:〒616-8411 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
・電話:075-871-0071
・公式サイト:https://www.daikakuji.or.jp/

 

京都刀剣御朱印巡り
「京都刀剣御朱印巡り」は、今回で第12弾。刀剣にゆかりの深い4社合同で行われる人気の催し。四社集めると記念品を贈呈される。(2023年9月3日まで)

 

<藤森神社>京都で生まれた名刀「鶴丸国永」が御朱印に!
・住所:〒612-0864 京都市伏見区深草鳥居崎町609
・電話:075-641-1045
・公式サイト:http://www.fujinomorijinjya.or.jp/

 

<建勲神社>織田信長の愛刀2振が御朱印に!
・住所:〒603-8227 京都市北区紫野北舟岡町49
・電話:075-451-0170 
・公式サイト:http://kenkun-jinja.org/

 

<豊国神社>豊臣秀吉の愛刀「骨喰藤四郎」が御朱印に!
・住所:〒605-0931京都市東山区大和大路正面茶屋町530
・電話:075-561-3802

 

<粟田神社>「小狐丸」と「三日月宗近」が御朱印に!
・住所:〒605-0051京都市東山区粟田口鍛冶町1
・電話:075-551-3154
・公式サイト:https://awatajinja.jp/

 

粟田神社 刀剣ファンの聖地
三条宗近ゆかりの地「粟田神社」へ。刀剣ファンの聖地と呼ばれる理由を教えていただいた。三条宗近は京都にゆかりがある刀工で、祇園祭の「山鉾巡行」で先頭を行く「長刀鉾」の初代を作ったという。
宝物殿に展示される「太刀 無銘」が他の刀と違う点とは?武器ではない日本刀の存在は、刀が神聖なものだと物語っていた!

 

鍛冶神社 三条宗近を祀る社
粟田神社の末社「鍛冶神社」には、三条宗近を含む3人の刀工が神として祀られている。
三条宗近の代表作「太刀 三条宗近(名物 三日月宗近)」の写真を見せていただいた。刀剣には、別の剣に魂を移して持っていく「依代」という考えがあるという。
鍛冶神社には明治天皇の歌碑も置かれている。果たして、明治天皇が刀剣に込めた思いとは?

 

<鍛冶神社>
・住所:〒605-0051 京都府京都市東山区粟田口鍛冶町1