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#23

あの名曲に歌われた三つの名所

京都では、様々な名所が歌の舞台となっています。その中で最も有名な曲が、「♪京都 大原 三千院」の歌い出しで知られる「女ひとり」。大原はこの曲をきっかけに全国的に知られるようになり、観光客は急増したと言います。今回はこの歌に登場する3つの名所を、俳優・賀来千香子さんが訪ねます。
三千院では、早朝だからこそ味わえる特別拝観を体験します。「東洋の宝石箱」と絶賛される美しい庭園・有清園や作詞した永六輔さんが実際に眺めた庭園・聚碧園、女ひとりで歌われたと思われる弁天池を見学。そして三千院の中でも特別だというのが、往生極楽院。巨大な国宝・阿弥陀三尊像の姿に圧倒されます。さらにこの御堂の天井の秘密にも迫ります。実は永さん、女ひとりを作った後になかなか三千院を訪れることができなかったと言います。その意外な理由とは?
そして、女ひとりには、2番、3番があるのをご存知でしょうか。2番の歌詞の舞台となったのが、紅葉の名所で知られる栂尾に建つ世界遺産・高山寺。この寺で見せていただくのが、誰もが知っている有名な国宝・鳥獣人物戯画(複製)。なぜ、この有名な画が、人里離れたこのお寺に伝わるのか。それは、高山寺の中興の祖と呼ばれる高僧と深く関わっていました。実はこの高僧、今の私たちの生活に欠かせないあるものを日本で初めて栽培した人物でもあります。その驚きのものとは?
3番の舞台となったのは、観光客で賑わう嵐山。今でこそ京都屈指の観光地として知られていますが、平安時代は貴族の別荘地であり、安息の地だったのです。そんな嵐山で歌詞に登場するのが、もとは嵯峨天皇の離宮だった大覚寺。平安時代に造られた人工の池・大沢池で行われる『観月の夕べ』という催しは、嵯峨天皇が文化人や貴族と共に遊ばれたことが始まりと言われています。他にも嵯峨天皇と空海の関係を紐解くなど、至る所で平安の名残りを感じます。そして、女ひとりの歌詞に出てくる滝へ。
名曲の歌詞に込められた様々な想いに触れながら、京の名所を歩きます。


【専門家出演者】
●京都ジャーナリズム歴史文化研究所代表 歴史作家
丘眞奈美 さん

 


 

あの名曲に歌われた 三つの名所
京都の歌といえば真っ先に思い出すのが、昭和40年発売のデューク・エイセス「女ひとり」。当時の時代背景と「女ひとり」の大ヒットで、京都・大原の名は一躍全国に知れ渡った。
今回は、賀来千香子が「女ひとり」の歌詞に登場する三つの名所を訪ねる!

 

大原 早朝の特別拝観
最初にやって来たのは、大原を代表する古刹「三千院門跡」。特別に早朝拝観させていただいた。
凛と澄んだ空気に包まれた「有清園」では、青紅葉と苔のじゅうたんが織りなす絶景が見られた。
「往生極楽院」は、平安時代創建の三千院で最も古い建物。お堂の中には、平安時代に作られた国宝の迫力ある仏さまが!

 

<三千院門跡>
・住所:〒601-1242 京都市左京区大原来迎院町540
・電話:075-744-2531
・公式サイト:http://www.sanzenin.or.jp/

 

三千院 永六輔が眺めた庭
「女ひとり」の作詞を手がけた永六輔さんも、三千院を訪れたことがあるという。様々な緑を楽しめる庭園「聚碧園」で、永さんが庭を眺めていた際のエピソードを伺った。

 

三千院 「女ひとり」に登場する池
いよいよ、永さんが三千院で歌詞に選んだ場所へ。「女ひとり」で歌われた「弁天池」で、2種類の解釈ができるという歌詞について伺った。

 

「女ひとり」歌碑に込められた想い
三千院のふもとに、「女ひとり」の歌碑がある。この石碑は、土産店「和紙の店 もとしろ」の店主・山本定夫さんが自腹で建てられたという。山本さんが、歌碑に込めた想いについて語った。

 

<和紙の店 もとしろ>
・住所:〒601-1242 京都府京都市左京区大原来迎院町400

 

高山寺 「女ひとり」に登場する石畳
続いて訪れたのは、2番の歌詞の舞台となった「高山寺」。非常にたくさんの国宝や重要文化財があり、有名な国宝「鳥獣人物戯画」も所蔵されている。この寺に国宝が集まった理由とは!?
「女ひとり」に歌われた高山寺の石畳を歩き、歌詞に登場する女性に思いを馳せた。

 

<高山寺>
・住所:〒616-8295 京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
・電話:075-861-4204
・公式サイト:https://kosanji.com/

 

「女ひとり」3番の歌詞 その舞台
3番の歌詞に登場する名所「嵐山」。平安時代より貴族の別荘地・景勝地として知られた嵐山は、この歌ができた1960年代は、今よりも静かな景勝地だった。ところが70~80年代に、ショップなどが増え風景が変わったという。

 

大覚寺 嵯峨天皇と空海
続いて訪れたのは、3番の歌詞に歌われている「大覚寺」。
まずは、寺で最も大切な建物の一つ「心経前殿(御影堂)」へ。普通のお寺の本堂とは違い、真ん中に仏像が無く、向こう側の建物を拝んでいる。なぜ建物を拝むのか?その理由となった嵯峨天皇と弘法大師空海の関わりについて伺った。

 

<旧嵯峨御所 大本山大覚寺>
・住所:〒616-8411京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
・電話:075-871-0071
・公式サイト:https://www.daikakuji.or.jp/

 

大覚寺 平安時代の人工池
「大沢池」は、平安時代に唐の洞庭湖を模して造られた人工池。景色が1200年前からそのまま残っているという。
この池で、当時にならい今も催されるのが「観月の夕べ」。嵯峨天皇が、中秋の名月に舟を浮かべ遊んだことに始まるとされる。

 

大覚寺 「女ひとり」に登場する滝
「女ひとり」3番の歌詞に歌われた「名古曽の滝跡」へ。平安時代には枯れてしまったという名古曽の滝にあった石組みが置かれている。百人一首には、この滝を詠んだ有名な歌も!