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#34

人気歌舞伎俳優が巡る
なぜ都で名刀が生まれたのか

京都の長い歴史の中で生み出された名品の数々。その中で今回、深掘りするのは、刀。京都では古くから多くの名刀が生まれてきました。それはいったい何故なのか?その謎を紐解くのは、大好評を博した新作歌舞伎「刀剣乱舞」で“小狐丸”を演じた尾上右近さんと“膝丸”を演じた上村吉太朗さん。尾上松也さんからの指令を受けて、“名刀と京都との意外な関係”を探ります。
旅の始まりは東山エリアにある「刀剣ファンの聖地」粟田神社。2人は武運を祈願し、謎解きのスタート。
まずは、京都の中心に位置する寺町通りへ。そこで意外なものが待ち受けていました。「とり市老舗」にズラリと並ぶ、秋の味覚の王様・マツタケ。実はこのマツタケが刀作りに欠かせないというのですが、それは何故?

続いて紐解くのは、またも意外な“京料理と名刀の関係”。訪ねたのは京都市役所の近くにある人気店「麩屋町103」。おでんとだし巻き卵を味わいながら、京料理の要とも言えるものが刀作りとどう関わるのか?を探ります。
京都の名水は名刀につながる…。その証となるものが残されるのが八幡市の相槌神社。ここには、吉太朗さんが演じた“源氏の宝刀”膝丸の誕生に関わる井戸が。1000年の時を超え湧き続ける清らかな水と、この社で蘇った名刀誕生の秘話に触れ、2人は大感動。
さらに、松也さんの指令を受け、嵯峨野にある門跡寺院 大覚寺へ。今回特別に案内されたのが「正寝殿」。ここで行われた三種の神器にまつわる歴史的な大場面とは?さらに吉太朗さんは膝丸と念願だったご対面を果たします。
京都にゆかりの深い名刀も随所に登場!今回の旅から感じられるのは、“京都の奥深さ”。そして、松也さんからの無茶振りを2人がどうこなすのか?…にも注目です!


【専門家出演者】
●修心流居合術兵法 修心館館長
町井勲さん

 


 

人気歌舞伎俳優が巡る なぜ都で名刀が生まれたのか
京都は日本刀の主要な産地のひとつで、数多くの名刀が生まれてきた。今回は、新作歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」に出演した尾上右近と、ゲストの上村吉太朗さんが刀剣ゆかりの場所を巡り、都で多くの名刀が生まれた理由を探る!

 

刀剣ファンの聖地 粟田神社
まず訪れたのは、「粟田神社」の末社である「鍛冶神社」。この辺りは平安~鎌倉期に多くの刀鍛冶が活躍した地なのだとか。
鍛冶神社に、三条小鍛冶宗近と粟田口藤四郎吉光が祀られるようになった経緯を伺った。粟田口藤四郎吉光が手がけた「骨喰藤四郎」は、「豊国神社」に所蔵されている。

 

<粟田神社>
・住所:〒605-0051 京都市東山区粟田口鍛冶町1
・電話:075-551-3154
・公式サイト:https://awatajinja.jp/

 

<鍛冶神社>
・住所:〒605-0051 京都市東山区粟田口鍛冶町

 

<豊国神社>
・住所:〒605-0931 京都市東山区大和大路正面茶屋町530
・電話:075-561-3802

 

マツタケと刀の意外な関係
次に訪れたのは、「寺町通」に店を構える「とり市老舗」。四季折々の京都の名産品を取りそろえており、この日入荷したばかりだという見事なマツタケを拝見。
以前、「将大鍛刀場」に伺った際に教わったように、マツタケが生えるアカマツは作刀用の炭に適しているという。豊臣秀吉接待のためマツタケ狩りが行われたほど、東山にはかつてアカマツが群生していたのだとか。
刀作りに必要な炭の材料・アカマツが豊富だったことから、京都で名刀が生まれていた!

 

<寺町通>
・住所:京都市中京区

 

<とり市老舗>
・住所:〒604-8081 京都市中京区寺町通三条上ル天性寺前町523
・電話:075-231-1508
・公式サイト:https://www.toriichi.com/

 

<将大鍛刀場>
・住所:〒621-0255 京都府亀岡市本梅町西加舎石敷32-1
・電話:0771-22-9800(一般社団法人 森の京都地域振興社(森の京都DMO))
・公式サイト:https://morinokyoto.jp/masahiro/

 

京料理の要と刀作り
続いては「麸屋町一〇三」へ。看板メニューのおでんと、優しい味のだし巻き卵をいただいた。
京料理の命とも言える出汁を作るにあたって水にこだわっており、京都の地下水脈の水質に合う利尻の昆布や枕崎のカツオ節を使用しているという。
名刀を作るにあたっても、地下の名水は大切であるとのこと。

 

<麸屋町一〇三>
・住所:〒604-0934 京都府京都市中京区麩屋町通押小路上ル尾張町225 第二ふや町ビル 103
・電話:075-213-8080

 

千年続く名水を守る社
刀工・安綱が「髭切膝丸」作刀の際に使用した井戸がある「相槌神社」へ。1000年経った今も湧き続ける清らかな水は、地上の気候の影響を受けにくく水温が一定だという。綺麗な水が豊富で、水温が一定であることが作刀に向いていたことから、京都で名刀が生まれたとのこと!
この水が作刀に使われていたことが発覚した経緯を伺った。

 

<相槌神社>
・住所:〒614-8091 京都府八幡市平谷10
・公式サイト:https://aitsuchi-jinja.or.jp/

 

北野天満宮が伝える宝刀「髭切」
「北野天満宮」には、安綱が打った「髭切」が所蔵されている。名刀によく見られるという、刃紋の上に浮かぶ「乱れ映り」が見所で、今なお輝きを放ち続けている。

 

<北野天満宮>
・住所:〒602-8386 京都市上京区馬喰町
・電話:075-461-0005
・公式サイト:https://kitanotenmangu.or.jp/

 

大覚寺 天皇と刀のつながり
次に訪れたのは門跡寺院である「大覚寺」。京都で名刀が生まれる理由には、刀剣とゆかりの深い天皇の存在があるという。
通常非公開の正寝殿を案内していただき、後宇多法皇が院政を執った御冠の間にも入らせていただいた。この場所で行われた三種の神器が関係する歴史的な出来事とは?!
天皇の式典のために華麗な太刀や拵が作られ、贅を尽くした京ならではの日本刀文化が栄えたとのこと!
皇室とのつながりが深い「藤森神社」では、「太刀 鶴丸国永 写し」が宝物殿に展示されている。

 

<大覚寺>
・住所:〒616-8411京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
・電話:075-871-0071
・公式サイト:https://www.daikakuji.or.jp/

 

<藤森神社>
・住所:〒612-0864 京都市伏見区深草鳥居崎町609
・電話:075-641-1045
・公式サイト:http://www.fujinomorijinjya.or.jp/

 

大覚寺“源氏の宝刀”膝丸と対面
上村さん念願の膝丸とご対面!「腰反り」と呼ばれる手元から反る姿は独特で、「映り」があることから折れにくいという。現在伝わる作刀方法は江戸時代のもので、平安鎌倉時代の作刀方法は失伝していて解明されていないのだとか。
尾上は「ずっと見てて心が落ち着く。自然を見てるのと同じ気持ちになる」と感慨に耽った。