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#35

南禅寺 都で一番の禅寺に迫る

JR東海のCMでも取り上げられるなど、紅葉の名所として名高い南禅寺。実は禅寺の格付けの制度において「京都五山」が決められ、南禅寺は時の将軍や公家が創建した寺を上回り頂点に君臨しています。南禅寺は一体何が凄いのか?旅人・賀来千香子さんがその理由を探ります。
まずは南禅寺はじまりの場所である南禅院へ。中に祀られているのは、この地で出家され法皇となられた亀山上皇。この上皇こそ、南禅寺を五山の一位へと押し上げたキーパーソンです。上皇は、のちに朝廷が南北に分裂する皇位争いや、天皇時代も含め2度も元に侵攻されるなど、かつてない国難に直面します。その危機を乗り越え世の安寧を求めるため、勅願寺として南禅寺を創建し、出家されます。これこそが南禅寺が禅寺の頂点に選ばれた証。さらに足利義満の時代になると、南禅寺は五山の一位の上、「五山之上」に置かれます。その意外な選出理由とは? 義満の時代以降も、南禅寺は禅寺の頂点であり続けますが、そこにも亀山上皇のあるルールが関わっていました。

南禅寺の象徴・三門の楼上内陣には、「南禅寺中興の祖」と呼ばれた住持、以心崇伝の姿が。崇伝は37歳という若さで南禅寺の住持に抜擢されます。さらに家康のブレーンにも登用され、江戸幕府をも動かす存在に。
そんな崇伝が御所から移築させた国宝の方丈には、信長や秀吉に仕えた狩野派の絵師・狩野永徳の幻とも言える障壁画が。賀来さんは間近でその作品を鑑賞。なぜ永徳の作品が幻と言われるのか?その理由を教えていただきます。さらに永徳の孫、狩野探幽の最高傑作とも言われる障壁画も拝見します。
境内でひときわ存在感を放つ水路閣。最高峰の禅寺には不釣り合いなこの近代的な橋は、なぜ建てられたのか? そしてこの建設に関して異議を唱えた人物とは?
参道では、南禅寺の名物・湯豆腐をいただきながら、豆腐と南禅寺の関係も紐解きます。
長きにわたり京都の禅寺の中で最も高い格式を誇ってきた南禅寺。その凄さを実感できる1時間です。


【専門家出演者】
●同志社女子大学 教授
天野太郎さん

 


 

南禅寺 都で一番の禅寺に迫る
鎌倉時代から700年以上にわたり、東山の麓に門を構える禅寺「南禅寺」は、禅寺の頂点に君臨している。今回は、賀来千香子が南禅寺の凄さを探る!

 

<南禅寺>
・住所:〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町
・電話:075-771-0365
・公式サイト:https://www.nanzenji.or.jp/

 

人気の名所に秘められた歴史
南禅寺の象徴の三門は高さ約22mで、日本最大級の高さを誇る。三門の上からは京都の街並みや境内を一望できた!
鎌倉時代に始まった禅寺の格付けの制度「京都五山」は、室町時代に足利尊氏によって整備された。尊氏が、自ら建立した天龍寺より、南禅寺を上位に位置づけた理由とは?!

 

禅寺の頂点に導いた人物とは
通常非公開の南禅院を特別公開!南禅院に祀られる、渡月橋の名付け親である亀山上皇は、数々の苦悩に直面…。「禅の教え」にすがった亀山上皇は自らの修行の場として南禅院の建立を命じて、日本の安寧を願ったのだとか。
南禅寺が五山の一位となったのは、日本初の天皇による禅宗の勅願寺であったからとのこと!

 

時代を越えて発展した理由
足利義満の時代、南禅寺は第一位の上、「五山之上」に位置づけられた。それ以降、何世紀にも渡り禅寺の頂点に君臨している南禅寺に、亀山法皇が残した“決まり”とは?
この“決まり”は初代住持から、現在の342代目まで続いているという。

 

江戸幕府を支えた南禅寺 中興の祖
再び三門へ登り、通常非公開である内部を案内していただいた。
内部に祀られている以心崇伝は、名だたる寺の住職を歴任し、37歳で「五山之上 南禅寺」の住持に抜擢された。
崇伝は徳川家康から重用され、江戸幕府の礎となる政策の制定にも関わっていた!

 

狩野永徳 幻の障壁画と間近で対面
狩野派の幻の作品があるという大方丈へ。普段は窓越しにしか見られない内部へ入らせていただき、「琴棋群仙図」を間近で拝見!
現存する永徳の作品は珍しいことから、この絵は幻と言われているという。大方丈に絵が現存する理由を教えていただいた。
さらに、永徳の孫にあたる狩野探幽の最高傑作と言われる作品も拝見!

 

江戸時代から続く名物料理
南禅寺の中門を出た参道のすぐ側にある「南禅寺 順正」で、名物の「湯豆腐」を堪能!軟水で豆腐を作るため、きめ細やかな豆腐ができるという。
南禅寺周辺に豆腐店が集まった理由を伺った。

 

<南禅寺 順正>
・住所:〒606-8437 京都府京都市左京区南禅寺草川町60
・電話:075-761-2311
・公式サイト:http://www.to-fu.co.jp/

 

名所 水路閣の誕生秘話
境内の人気スポットである水路閣は当時珍しいアーチ型で、高さは9mほど。およそ100mに渡って南禅寺の境内を貫いている。
格式ある南禅寺の境内に、水路閣が建った理由とは?この水路閣の景観は、福澤諭吉によって問題視されたとのこと。