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    #135

    再建築不可の建物を見事に甦らせた武蔵境の家

    新宿駅から中央線に乗って約20分、武蔵境。かつては境村と呼ばれる農村でしたが、鉄道の開通により武蔵野の中心として栄えてきました。『婦人画報』の創刊者としても知られる国木田独歩は、この地をこよなく愛し、小説『武蔵野』を書き上げました。
    今回訪れたH邸は、武蔵境にある築60年を超える木造2階建て。建築事務所を主宰するHさんが奥様と2匹の猫と暮らしています。元々建設会社の寮だったこの建物は、四方を住居に囲まれ、公道との接地面積が少ない旗竿地に建っています。現存の建物を解体してしまうと新たに建てる事ができない、いわゆる再建築不可物件でした。しかし、自然を身近に感じられる生活に憧れていたご夫婦は、人気の武蔵野市にもかかわらず、再建築不可のため相場の3分の1という価格と庭が70㎡もあることに惹かれ購入を決意。自分たちで庭の植物や建築素材を選び、友人たちとセルフビルドもするなど、細部にまで二人の拘りと愛着が詰まったリモデルになりました。
    自然素材をアクセントとして取り入れたH邸。玄関を入って正面の壁には、藁を入れた土壁を金ブラシで掻く「掻き落とし」と呼ばれる左官仕上げの一工法を用い、他の壁を白く塗装したことで土壁の存在感を際立たせました。キッチンカウンターには奥様が雑誌で見たという「版築(はんちく)」を採用。「版築」とは古墳時代から日本に伝わる土を突き固めて作る工法で、左官職人に教わりながら友人たちと作りました。また、荒れ放題になっていた庭は、造園家にデザインを依頼。オーストラリア生まれの植物をはじめ四季折々の植物を植え、リビングから一日中緑が楽しめる贅沢な空間になりました。
     ご主人のHさんが、上京した時に買った鉢植えの紅葉も今回、初めて地植えしました。大きく育った紅葉を見ながら、愛猫とともにゆったりと時を刻む、お二人の思いがいっぱい詰まった家に生まれ変わりました。
     
    ディンプル建築設計事務所
    http://www.dimple-architects.com/

    【平面図】

    1F before

    1F after

    2F before

    2F after

    PHOTO

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