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#142

元はダンス教室 郷里の母を呼び寄せた向島の家

今回訪ねるのは、東京スカイツリーのお膝元、墨田区向島に建つ築24年のH邸。放射線技師のご主人と訪問医療を専門とする医師の奥様、そして奥様のお母様の3人家族です。元々、浅草のタワーマンションに暮らしていたHさんご夫婦は、東日本大震災で大きな揺れを経験したことで、戸建てに引っ越すことを考えていました。仕事柄、近場で物件探しを始めた2人でしたが、そのさなか、京都の実家で一人暮らしをしていたお母様が倒れてしまい、介護が必要な状態に。急遽、お母様を東京に呼び寄せて一緒に暮らせる家を探すことになりました。こちらの物件は元々ダンススタジオと住居を兼ねた建物でしたが、お母様の介護ができる環境を整え、共働きの夫婦もくつろげる家に生まれ変わりました。
お母様の寝室は、以前スタジオがあった広い2階に作りました。22帖のLDKと隣り合わせにしたのでご夫婦がすぐ様子を見に行くことができ、また寝室の扉には欄間を設けそれをガラスにすることで、部屋の外からでも分かるようにしました。キッチンは家族だけではなく訪問介護のスタッフも使うことを考え、広い作業台とパントリーを作り、使い勝手が良く、快適に料理ができるようにしました。部屋の仕切りは段差のない上吊り式の引き戸に。また、床材はLDKや玄関まわりは掃除がし易いフロアタイル、寝室はお母様が転んでも安心なカーペット敷きにしました。
リモデルを担当したのは、設計・施工・家具製作まで行う山崎竜太郎さん。四隅に脚を付けず車イスでも使いやすいダイニングテーブルは、ご夫婦が以前の住まいでも使っていたウォールナット製の本棚の質感に合わせて作りました。
家具のみならず、外壁、階段やリビングの壁にも木のテイストを使うことで、家全体が木に包まれたようで、忙しいお二人にとって安らぎの空間ができ上がりました。
 
設計担当:ao2 https://ao2.jp/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after

3F before

3F after