番組表

バックナンバー

#579

中野裕介 日本ルースト株式会社 代表取締役

 

人の経験や勘は、AIに受け継げるのか――。
中野裕介は、人にしかできないと思われてきた“見抜く力”を、AIで次の世代へつなごうとしている。
 
取り組んでいるのは、生まれたばかりのひよこのオスとメスを見分ける「雌雄鑑別」。100年続くこの技術は、わずか1ミリにも満たない突起を見極める職人技だ。しかし今、その技術を持つ人は全国でもわずかになっている。
中野は、DNA検査で性別を特定した3万枚の画像をAIに学習させ、日本で初めて、職人の目をAIで再現した。
判定精度は98%。高知県では、地鶏「土佐ジロー」の現場で導入が始まっている。
 
さらに中野は、赤潮の原因となるプランクトンの検出にもAIを活用。これまで人が顕微鏡で探していた海の異変を、AIで見つけようとしている。
 
AIは、人の仕事を奪うのか。それとも、人の技を受け継ぐのか。中野が目指しているのは、AIに置き換えることではない。人が受け継いできた経験や感覚を、未来へ残すことだ。地域の課題から、世界の食糧問題へ。中野の挑戦を追った。

なかの ゆうすけ

 
1975年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、2000年に有限会社電マークを設立。映像通信、デジタルコンテンツ、ロボット開発などに取り組んできた。近年は、ひよこの雌雄を見分ける職人の技をAIで再現する「ニワトリの性判定AI」を開発。2024年には日本ルースト株式会社を設立し、代表取締役に就任。地鶏づくりに欠かせない鑑別師不足の解決を目指し、全国の公設試験場や海外展開にも取り組んでいる。2025年には経済産業省「J-Startup WEST」に選定、総務省「ICTスタートアップリーグ」にも選出された。